2021年6月24日
君が代は
千代に八千代に
さざれ石の
いは(わ)ほ(お)となりて
こけのむすまで
日本人であれば誰もが知る国歌『君が代(きみがよ)』。この歌がもつ、ふたつの「世界一」をみなさんはご存知でしょうか。
ひとつ目は、わずか32音からなる世界一短い歌詞の国歌だということ。世界大会などの表彰式でも、あっという間に終わってしまいますよね。
そしてもうひとつは、世界一古い歌詞の国歌であるということ。
『君が代(きみがよ)』の本歌となった和歌は、平安時代に詠(よ)まれました。1200年のときをへて受け継がれる、日本のこころを謳(うた)っているのです。
世界でもっとも短い歌詞の背景にある、世界でもっとも長い歴史。そこには、和を尊(とうと)び、命を慈(いつく)しむ、先人たちの真心があふれています。
この歌のこころを、日本中、そして世界中にとどけたい。
その想いをのせて、文屋は7月9日に、絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』を出版いたします。
あなたの命(あなたの御代[みよ])が、
いつまでも、いつまでも、永く続きますように…。
たとえば小さい石が、
永い時間をかけて大きな岩に成長し、
その上にたくさんの苔が生えるようになるまでね
こうした意味をもつ国歌『君が代』のもとの歌は、平安時代に名もなきある人物が、愛する人を想って謳(うた)った和歌でした。
ただひとりを想い、当初は「わが君は」と歌い始めた和歌でした。この歌が多くの人に親しまれ、賀歌(がのうた)、つまりお祝いの席で謡(うた)われる歌になりました。
そして愛され謡われつづけるなかで、「君が代」はと手が加えられたのです。ただひとりの長寿と幸せを祈る歌から、一族の繁栄を祈り、さらには受け継がれる命を寿(ことほ)ぐ歌となりました。
平安時代からいまにつづく『君が代』に秘められるこうした想いと、その和やかな美しさ。著者である白駒妃登美(しらこまひとみ)さんは、絵本をとおしてそのことを私たちに伝えてくれています。
そして絵本のあとがきで、白駒妃登美さんはこう語っています。
大らかで和やかな人類愛、地球愛、宇宙愛を込めた、究極の愛のうた。「この素敵な先人たちからの贈り物を、世界中の人々と分かち合いたい」との思いから、英訳をつけたバイリンガル絵本といたしました。
そのこころを受け、絵本を英語に翻訳したのは、山本ミッシェールさんです。NHK Worldキャスター・リポーター、バイリンガルMC、大学講師、そして翻訳家と多彩な顔をもつ女性です。
アメリカで生まれ、幼い頃からイギリス、フランス、ドイツなどで海外生活を経験した山本ミッシェールさん。国際的な感覚をもちながらも、日本の伝統的な「和の美しさ」への関心が高く、記者時代に過ごした京都をはじめ、日本の伝統美の取材を独自で続けています。
そんな山本ミッシェールさんだからこそ、白駒妃登美さんが伝える和のこころを、豊かな感性をもつ英語で、世界へととどけることができるのです。
文屋は”In and from Obuse”をモットーとし、これまでも拠点である信州小布施から世界へ発信してきました。
『Pot with the Hole 穴のあいた桶』は、英語版をはじめ22か国で翻訳出版しています。
世の中はいま、新型コロナの不安にうごめいています。そしてこれ以上大切なものを失わないために、地球規模で持続可能な社会を目指そうとしています。
世界を、そして地球をも愛でつつみこむこの絵本が、国境を超えた多くのみなさまのもとにどときますように。そしてみなさまの幸せな毎日が、永く永くつづきますように。
全編を通して英語の翻訳がついている絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』の発売はまもなくです。
文屋をふくめた制作チームは、この絵本を全国の子どもたちに贈る寄付本プロジェクトを展開しています。
和を尊び、命を慈しむ、受け継がれてきた日本人の心。地球賛歌であるこの歌を世界へと届けるために、さらに追加して絵本を寄付することが決まりました。
寄付先は、世界各国の駐日外国公館、そして世界中の日本人学校です。
国内外のひとりでも多くの方に絵本をお読みいただけますように、みなさまからのご支援をお待ちしております。
↓
https://e-denen.net/kifubon-chiyoni/
筆者の白駒妃登美さんご本人が、絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』の魅力を語るご挨拶動画が完成いたしました。白駒さんの穏やかで優しい語りそのものが、何より愛にあふれています。ぜひご覧ください。