2021年6月17日

家族に愛を、そして未来に希望の光を――絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』

もうすぐ父の日ですね。

まだ子どもが小学生のわが家では、父の日とはいっても母親がしかけ役。でも最近では家族形態が多様化し、「母の日」「父の日」ではなく「家族の日」「ファミリーデー」とすることも増えているようです。

この時期、保育園や幼稚園などでは父、母と特定せず、子どもたちが家族に感謝の気持ちを伝えるイベントをすることもあるようです。

家族とは、血の繋がりや物理的に近くにいる人のことではなく、「いつもありがとう」「大好きだよ」と伝えられる相手のことなのかもしれませんね。

そんな家族への想いを大切にしながら、ぜひ子どもたちに読み語っていただきたい絵本があります。

文屋はまもなく7月9日に、絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』を出版いたします。

君が代は 千代に八千代よに さざれ石の
巌(いわお)となりて 苔のむすまで


世界一短い歌詞の国歌『君が代(きみがよ)』。この歌を「愛のうた」と想像する人は、少ないかもしれません。

「公式行事で歌われる歌」「歴史的に複雑な感情を呼び起こす歌」。多くのみなさんは、このような印象をおもちでしょうか。

実は国歌『君が代』の本歌である和歌が生まれたのは、平安時代。すでに1200年のときがたとうとしています。

『君が代』が国歌となったのは明治以降の140年ほど前。平安時代から続く和歌の長い歴史のほんの一部なのです。

もともと歌い始めは「わが君は」であり、親愛の情を持つ相手に使う呼び名でした。平安時代に生きた名もなきある人が、愛する人を想って詠(よ)んだ和歌なのです。

絵本の作者である白駒妃登美(しらこまひとみ)さんは、あとがきで、こんなふうに語っています。

「わが君」が「君が代」となったことで、歌に新たな命が吹き込まれました。大切な人の長寿と幸せを祈る歌であり、一族の繁栄を祈る歌。肉体は滅んでも、魂は受け継がれ、生き続けていきます。その永遠の命を寿(ことほ)ぎ、魂を受け継ぐことをこころに誓う歌でもあるのですね。

白駒妃登美さんは、幼いころから伝記や歴史の本を読むのが大好きだった博多の歴女。登場人物と友だちのように対話をするのが、何より楽しみだったそうです。

やがて母となった白駒妃登美さんを、大病が襲いました。そこで命と向き合い、かつての日本人が生きていた「今を受け入れ、この瞬間に最善を尽くし、天命に運ばれていく」という生き方にシフトしたのです。

生き方を変えたことで、奇跡的に病状が快復した白駒さん。講演や著作活動によって、日本の歴史や文化の素晴らしさを発信することに天命を見出しました。

この絵本は、そんな白駒妃登美さんが「日本のこころ」すべてを吹き込んだと語る物語です。

「日本のこころ」を美しく彩る挿し絵は、日本画家の吉澤みかさんによるものです。学生時代に京都で日本画を学び、京都を中心に、数々の作品展で受賞、入選しています。

吉澤みかさんは日本画だけでなく、児童文学の世界でも活躍しています。

絵本『ざっそう』(今人舎)をはじめ作画を担当した絵本は多く、2019年度の日本児童文学者協会機関紙「日本児童文学」では、1年間表紙画を担当しました。

吉澤みかさんが時代考証をもとに、日本画家ならではの繊細な描写で表現した「きみがよ」の世界。子どもたちも、そして読み語る大人も、想像力が広がっていくことでしょう。

絵本の出版に合わせ、原画から5種類のポストカードをつくり、近々完成予定です。同じく2種類の原画のエコバッグも制作中で、6月中には完成できることになっています。

1.菜の花畑の祈り A Prayer: The Field of Mustard Flowers

2.夜空の祈り A Prayer: The Starry Night

3.燃ゆる想い A Passionate Feeling

4.雪月花 The Seasons: Snow, Moon, and Flowers

5.蝶と紫陽花のシンフォニーThe Symphony of  Butterflies and Hydrangeas


ぜひ、楽しみにお待ちください。

この絵本は、白駒妃登美さんが「自分のいのちそのものと言えるような作品」と語る想い入れの深い一冊です。

制作チーム一同、絵本を手にとってくださる家族が愛にあふれ、未来に希望の光を灯してくれることを願っています。
 

絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』制作チームは、この絵本を福島県内の小学校や公立図書館、全国の児童養護施設や小児医療の病院にとどける寄付本プロジェクトを展開しています。

ご支援の金額に相当する冊数を寄付先にプレゼントします。ぜひ、みなさまからのご支援をお待ちしております。

https://e-denen.net/kifubon-chiyoni/

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