2023年3月23日
まもなく4月です。入学式のご準備は整いましたか。
赤ちゃんだったわが子にできることが少しずつ増え、親の手を離れていく――。入学はその節目であり、成長の階段を一段ずつ登っていくことです。
冬の寒さが春の暖かさに変わるこの季節に新生活が始まる日本。桜が舞い散るなかを歩く子どもたちの胸は、希望にあふれています。
その一方でいま、世界のあちこちで戦禍の不安が広がり、アフターコロナ時代の先行きもまだ不透明です。子どもたちが希望を失わずに過ごしていくために、私たち大人は勇気と自信をもって行動しなければなりません。
この日本という国で、これから強い気持ちをもって生きていくために、ぜひ入学を迎える子どもたちと一緒に読んでいただきたい絵本をご紹介します。
入学する子どもたちに、親はいろいろな期待をするでしょう。クラブ活動で仲間とかけがえのない経験をしてほしい、たくさん勉強をして未来を広げてほしい、・・・。
でもその根底にある想いは、きっと一つです。
あなたが ずっと しあわせでありますように
親が子を想うこの気持ちと同じ想いを歌っているのが、日本の国歌『君が代』だということを、あなたはご存知でしたか。
『君が代』の歌詞にある「ちよにやちよに」は、ずっとずっと永く、という意味です。「きみがよ」は、大切な人の命が「苔のむすまで」続いてほしい、と願う愛の歌でした。
平安時代に詠まれたラブソング。ただひとり、愛する人の長寿と幸せを祈って詠まれた和歌が元歌である「きみがよ」は、1100年の時を経ていまなお私たちの身近にあるのです。
たくさんの ひとが 口ずさむうちに
ちいさな 愛の歌は みんなの 歌に なっていった
「君が代は 千代に八千代に
さざれ石の 巌（いわお）となりて
苔のむすまで」
多くの日本人に親しまれ、愛され続けたからこそ、「きみがよ」は私たちの国歌となりました。
文屋より発売中の絵本『ちよにやちよに～愛のうた きみがよの旅』は、この歌が生まれ、永い旅のなかで人々が込めてきた意味を描く物語です。
日本人の心の教え、そして人生の喜びにあふれる、子どもにとっても大人にとっても価値ある言葉を伝えています。
この絵本の著者である白駒妃登美さんは、日本史上の人物からの学び、それを人々に伝えることをみずからの天命と悟る博多の歴女です。
コロナ禍も関係なく、全国からの講演依頼に引っ張りだこの白駒さんの言葉に力があるのは、日本人であるということに誰よりも誇りをもっているからでしょう。
あるインタビューで、白駒さんはこう語っています。
私が歴史を伝える時に意識していることがあります。出来事自体は、時代が違いますから、今と同じことが起きているわけじゃないんですけど、でもその出来事を起こした原動力は「人」ですよね。その「人」に宿っている力というのは、その人だけに特別宿っていたものって、私はあんまり大きくはないんじゃないかなと思っていて。それよりも、その民族が持っている歴史とか、文化に根ざした共通分母のような形で、育まれてきたものが大部分だと思うんですよ。
…ということは、「こんな素晴らしいことを成し遂げた、この人の能力やこういうエネルギーが、あなたにも宿っているんですよ！！」ということです。そこを私は子どもたちに特に意識して伝えるんですよ。そうすると、歴史が他人ごとじゃなくなってくるでしょ？自分の物語になってくるから。子どもたちの目の輝きが違ってきますよね～。（喜多川泰「学びの広場」2019/10/24白駒妃登美さんインタビューより、一部表記改変）→https://tegamiya.jp/learning/interview/9075/3
私たちの命は、たったひとりでこの世に運ばれてきたものではありません。知恵と勇気をもって生き抜いてきた日本人がつないできたものです。いまここにいるということが何より、過去に生きた日本人の力を宿している証しだということです。
個人の工夫や努力だけではどうすることもできない時代を生きるのは、確かに苦しいこと。でもそれは、日本人であるということ、その歴史や文化を意識することに導かれているのかもしれません。
大切な人の幸せを祈る歌を1000年以上も受け継いできた和のこころ。白駒妃登美さんが絵本に綴る言葉を通して、子どもたちと一緒に日本人であることの誇りを語り合ってみませんか。
それは何より、入学を迎える子どもたちの希望を守ることにつながっていくはずです。
あらためまして、ご入学されるお子さんにはもちろん、保護者の皆さまにも心からお祝いを申し上げます。
絵本『ちよにやちよに～愛のうたきみがよの旅』は下記からご購入いただけます。
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