文屋

過去のブログ

2011年6月13日

文化事業「お肴謡」ってなんだろう?が、楽しく終了。新たなスタートです。

11日(土)、小布施町公民館講堂で、文化事業「『お肴謡』ってなんだろう」が開かれました。小布施町が文化庁の助成を受けて昨年から取り組んでいる一連の事業の一つです。宴席で江戸期、あるいは明治期からこの地で行われているお肴謡の歴史や内容を調査したり、謡の練習をしたり、「能と農」の視点から日本人日本文化の深層を探り、その成果を全国・世界へと発信していくのが目的です。

 

町立図書館「まちとしょテラソ」が事務局となり、研究が進められています。謡全般の指導は、宝生流シテ方の能楽師、佐野登先生と、コーディネーターの佐藤華名子さんです。私たち文屋は、調査・研究・保存と発信について、お仕事としたまた、一住民として参加させていただいております。

 

11日は約80人がご参加くださいました。二部構成で14時半から、佐野先生と佐藤さんによるこの事業の趣旨や今までの実績、今後への期待・夢などのプレゼンテーション。

 

そして、「お肴カフェ」と題して、いわゆるワールドカフェ方式で4人から6人の小グループで意見交換をしました。15分間の語らいの後、進行と書記役の一人を残してメンバーを交代。それを3回、計45分間行いました。能楽やお肴謡について、全員参加で語り合ったことにより、今後の研究課題や将来への見通しが出てきたように思います。

 

私たち文屋のお仕事はこれからです。映像としての編集とDVD、それに紙媒体の前段階である文字データの制作まで、集中的取り組みます。

 

【写真下】第二部の参加者全員によるお肴謡のデモンストレーション。ギネス級?!

第二部は、同じ会場で実際の宴会を行いました。お酒は地酒。お料理は、『マードレの田園レシピ』(文屋)の著者で、民家レストラン「まあどれ静」のご主人の竹節志げ子さんの、旬の地場野菜と愛情たっぷりの手料理でした。

 

佐野先生のご指導を受けている地元のみなさんによる、お肴謡の実演や、参加者全員によるデモンストレーションが行われ、その合間に、語り合いを楽しみました。

【写真下】準備から運営、後片付けまで、事務局役を全うしてくれた、まちとしょテラソのスタッフ、北澤裕子さん(左)と松谷由紀さん。ありがとうございました。

一部の後半には、台本にはなかった佐野先生の仕舞いと佐藤さんの謡の披露、二部のデモンストレーションでは、二回にわたって佐野先生みずからによるお肴の小謡。一流のプロによる本物の芸能を堪能いたしました。

 

【写真下】佐野先生は奥の列の左端(写真中央)の和服の方です。

いくつもの気づきと学びをいただきました。

 

・事前準備を周到に行うべきこと。スタッフの確定と役割分担、当日までの準備工程、前日と当日の運営日程、準備品や準備項目の整理と確認。こうしたものごとをまとめた表を作り、スタッフ全員が共有すること。本来は私がなすべきことの多くを、佐藤さんに担っていただきました。今回の学びを、次回以降に生かして、みなさんに安心して携わっていただけるようにしてまいります。

 

・掃除の徹底。公民館講堂の舞台は、大変汚れていました。掃除機とぞうきんで、前日の準備時間に、きちん磨いておくべきでした。当日になって気がつき、みんなできれいにしたので間に合ったのですが、こうしたことはゆとりのある前の日までに済ましておくべきですね。

 驚いたのは、佐野先生のお姿です。会場に来られ、私たちが掃除をしているのを見るや、みずからぞうきんを持って、舞台を磨き始めました。みんなが、もういいかなと思って手を休めても、結局は最後まで床を磨いていたのは、佐野先生でした。

 「一流の人は謙虚です」というお教えを、目の当たりにさせていただきました。

 

・お肴謡は、宴席で、その場に居て仲間と楽しめることや相手への感謝、ねぎらいの気持ちを表して、「座の決まりをつける」のが狙いです。「お肴謡がすんだらはじめて、裃(かみしも)を脱いで、楽座で和気藹藹(わきあいあい)と談笑できる」といわれています。

 宴席の決まり、感謝、歌・謡・唄・・・これを世界の民俗・文化の視点から、文化人類学的に見たら、どんな世界が広がるのでしょうか?

 お肴謡は、松代藩(現在の長野市松代)の発祥であり、「北信流」あるいは「松代流」と呼ばれるように、信州の北部の一部でのみ行われています。ですが、世界の文化に視界を広げれば、これと共通する性格の風習はたくさんあるように思います。

 この視座からの調査研究を行う拠点に、小布施町が成ることもできるでしょう。そう考えると、わくわくしてきますね。「世界お肴謡サミット」なんて、やりたいですね。・・・世界のお酒が飲めそうです!

 

以上、報告を終わります。私は当日までの無理がたたって、途中から熱っぽくなり、片付けたあとの懇親会をご遠慮してしまいました。みなさん、申し訳ありません。

«  2011年6月  »
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

アーカイブ

image