塚越寛さんの講演会が小布施で開かれました。
かんてんぱぱ・伊那食品工業代表取締役会長、塚越寛さんの講演会が小布施町の北斎ホールで開かれました。
演題は「いい町をつくりましょう。」
同社の社是「いい会社をつくりましょう。」を小布施町に置き換えて、ご自身の哲学とそれを具体化した実践を紹介しながら、90分間、お話しくださいました。
雨の夕方、350人ほどのみなさまが、熱心に聴講してくださいました。
同社は、先日、小布施町の中心部、中町にかんてんぱぱショップをオープンさせました。築100数十年のかや葺きの古民家(旧池田邸)をお店として再生してくださいました。
中町の交差点に面したこの建物の活用は、小布施の町並み、ひいては小布施のまちづくりにとって、たいへん重要です。北斎館周辺の町並み修景事業に並ぶ「第二町並み修景事業の中核をなす場です。
この再生は、かや葺き屋根の修復や数メートルの曳き家、基礎工事、水周りの新設をはじめ、ショップの内外装をしつらえる以前の基盤的な工事に、数千万円を要したと伺っています。
「このお店単体での短期的な利益は考えていません。小布施のみなさんの長年にわたるまちづくりへの敬意と共感を抱きながら、このお店を開かせていただきました」と塚越会長は語ります。
【写真上】演壇で歓迎のあいさつをする町長の市村良三さん。左端の司会は高沢賀代子さん(小布施文化観光協会副会長、高沢酒造)、その右は、市川博之さん(同協会理事長、松葉屋酒造)。
さまざまなお話の中で、ブランドについてのお話を少し、ご紹介いたします。
商売、経営のあり方として、近ごろの日本に横行している安売り競争について。
「自分さえよければ、今さえよければ」という経営者の考え方のもと、短期的な売り上げよシェア争いを繰り返す会社がたくさんあります。今の日本の経済はデフレだといわれますが、デフレではない。安売り競争の結果にすぎない。価格で争えば会社の利益は低下する。社員は給料を抑えられ、クビになる。会社は税金を納めず、地域への貢献活動もできない。こうした消耗戦による悪循環が起きている。
利益なき商売は寝言。理念なき商売は悪行。
世の中には、小布施にも、キチンとした商売をして、適正な利潤をあげている会社はたくさんある。高品質の商品を適正な価格で自信をもって販売して、適正な利潤をあげること。これは、業種や規模にかかわらず、すべての会社経営、商売にあてはまる。
ブランドと有名は違う。
ブランドとは、信用が置けること、安心できること。有名だけではダメ。大手家電メーカーの商品が、流通の果てに平気でたたき売りされている。メーカーもお店でも、薄利であり、安給料に直結している。だれもハッピーにはなれない。
自信のある品質の品を、長年にわたって安定してお届けする。適正な利潤を得る。お客さまもハッピーでありつづけられる。それが本当の、本物にブランドというものだと思います。
適正な利潤をあげるのは、「権利」です。
以上のお話を聞きながら、私は、自身の経営のあり方を問い直していました。
すぐれた著者の本を出す機会に恵まれ、すてきなたくさんの読者様に囲まれ、おかげさまの状態です。
しかし!大きな課題があります。広報力=販売力に欠けているのです。
今一万部の本は十万部、五万部の本は本来は五十万部は売れる潜在力を持っています。それなのに、私の力量が至らず、現状に甘んじています。
力というより、戦略がつななすぎるのですね。
結果を出してこそプロフェッショナルです。厳しく自問しながら、思い切り楽しんで、広報を続けてまいります。みなさん、ご指導をよろしくお願いいたします。
【写真上】講演会の前、かんてんぱぱショップ小布施店にて。左から、伊那食品工業の柴秀明さん、塚越亮さん、塚越会長、木下。
講演会の終了後、鈴花さんにて、有志(勇士?)30人ほどが集まり、塚越会長と同社のご出店を歓迎する交流夕食会が開かれました。
当日は、小布施町役場の職員のみなさんが、準備から運営、後片付けまで、周到にして念入りで、お心のこもったお仕事をになってくださいました。
おかげさまで、多くのみなさんにおこしいただき、充実した講演会になったと思います。みなさんのご尽力のおかげさまです。
これからも、よりよい「いい町 小布施」を目指して、ともに、よろしくお願いいたします。
感謝をこめまして