離我っぷりのいい男、略してリガプリオ
(写真上:長野マラソンゴール直後、フラフラながら、カメラを向けた瞬間に力を振り絞ってポーズをとってくださったやぶちゃんと、苦しいレース展開の中、ひたすら絶対尊敬を贈りながら伴走をされた、小布施町役場の高野伸一さん。写真下:小布施町営グラウンドで、リトルリーグの練習試合に臨む、やぶちゃんの勇姿。撮影:奥田さん)
4月15日早朝、長野マラソンのスタート地点まで、やぶちゃん(薮原秀樹さん)をお送りし、昼過ぎ、ゴール地点にて、やぶちゃんをお迎えし、その足で、小布施町営グラウンドへ、リトルリーグ応援に。
ゴール直後、車中でのやぶちゃんと、グラウンドでのやぶちゃんを間近に拝見し、あらためて痛感したこと、それは……
「なんという離我っぷり!!!」
やぶちゃんの「わもん魂」は、喜ばせたい相手、支えたい相手がいてこそ、スパークするのです。
「脚がつらい」「歩きたい」
「心が折れそう」「棄権するかも」
マラソン中のやぶちゃんの胸中には、ネガ・ワードが渦巻いていたようです。そのプロセスを語るやぶちゃんは、なかば放心状態、視線は水平の遥か下……。
さらに……試合開始の午後1時には余裕のグラウンド入りを果たすはずが、ゴール地点を出発したのが2時近くとなり、「応援が間に合わないかもしれない」との懸念も頭をもたげ……テンション下げ下げのやぶちゃん……。
……ところが!
今まさに試合まっただ中とわかった途端!
どや顔のやぶちゃん、堂々のグラウンド入り!
「ピッチャー、打たせていいよ!」
「センター、ナイスキャッチ!」
「応援、いいね! 声出していこう!」
「切り替え、切り替え!」
背筋、シャキッ!
目ヂカラ、ぐいっ!!
声ツヤ、マックス!!!
そこに立つのは、さっきとは別人。
しょんぼりやぶちゃんはどこへ?
そう、やぶちゃんのわもんパワーは、「我」に向かった途端に影を潜めてしまうのです。「我」を離れて意識を注ぐ相手がいてこそ、フル回転で限界超えできるのです。
これぞ離我!
これからやぶちゃんを、離我っぷりのいい男、リガプリオと呼ばせていただきます。
やぶちゃん、ほんとうに、おつかれさまでした!