文屋

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2002年11月27日

雪のかおり

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初めての本格的な雪が、夕方から降りはじめました。最初はぼたぼたの、みぞれ雪。ひとしきり晴れて、水分の少ない(粉雪ではないけれど)雪が舞いました。道路面が凍るほどではなく、ひと安心。小布施の人はまだ、スタッドレスの冬用タイヤにはきかえている人は少ないでしょうから。
そんな雪の中、午後3時過ぎに長野市へ向かいました。先日、十和田湖町における講演会とシンポジウムでごいっしょした、リクルート社の旅行誌『じゃらん』編集長の今村まゆみさんをお迎えするためです。
車で小布施ガイドセンターへ。支配人の関悦子さんと立ち話。栗の小径を歩いているときも風と雪。「これが小布施で最悪の部類に入る天候です。次はきっと晴れるでしょう」と、お天気をフォロー。
小布施堂のお食事どころ『蔵部』へ。
本宅の中庭に面した大きなガラス窓のむこうに、一枚の葉の上部が橙(だいだい)で半分より下が朱色の鮮やかなもみじを発見。そこに真っ黒の空から降る雪が舞い、今村さんは大感激でした。
「雪や雨=あいにくの天気」ではないのですね。
今村さんは夜9時ごろの新幹線で帰京。
残された言葉が印象的でした。
「(木下の)お宅の近くで車の窓からお香のような香りがしました。」
たぶん、積んである薪か、庭の木木か、あるいは雪の香りか。東京にも長野でも感じられなかった香りが漂っていたのだそうです。

そこで一句。「雪の香につがひの鳩のまどろみぬ」

今日の写真は、先日は行った喫茶店の紅茶セットです。ミルクティーがおいしかったです。

2002年11月26日

ほのぼのとした一日でした

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【今日のお仕事】午前中、かんてんぱぱ塚越社長の本、執筆。午後、伊那市のかんてんぱぱ「伊那食品工業」本社へ。塚越社長にインタビュー。
 「いい会社」をつくる。社員の幸せをもっとも大事に考える。大家族的なあたたかな経営。急成長を拒み、ゆるやかな安定成長で永続を求める。塚越社長の会社はそんな会社です。お正月にかけて、人生哲学と経営理念をまとめます。社内の人材育成を目指した非売品のため、当面は一般には売られません。
 北信のわが家から、南信の伊那市へ。往復270キロの旅でした。
 そう!今日気がつきました。愛車のワーゲン・パサートが満7年で10万キロを超えました。めでたし、めでたし。20万キロまでよろしくね。

 同社に向かう道の両側は唐松林。茶色の細い葉が、風に舞っていました。
 ほのぼのとした気分で眺めていたときの一句です。
 「陽だまりに 家族の気分 枯れ野ゆく 透玄」

 写真は、午前中に仕事場の東向きの壁に映った手水鉢の水の反射光です。秋から冬に、太陽光の角度の関係で、この光が表れます。ほのぼの。
 
【今日の小布施びと】夕食後、町商工会館へ。11月30日、12月1日の北信濃小布施映画祭実行委員会。30名ほどが最後の打ち合わせ。紺色のスタッフ・トレーナーをいただく。

2002年11月25日

朝から雨でした

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今日は朝から雨でした。やんだと思えばまた降りだして、夜まで。晩秋の長雨ですね。
昨日までの連休で、小布施の観光のトップシーズンは幕です。冬はオフ。オフということは、小布施の素のままの日々になるということ。だから冬は好きです。冬を選んで訪れる、真の小布施ファンもさいきんは多くいらっしゃるとか。
人が去ると静かになり、哀しみ感も漂います。

で、今日の一句は「愛と哀 同じ音する 国の秋 透玄」。
日本、日本語はいいなー。
昨日は雪の句でしたので、季節が戻りました。お許しくだされ。

写真は、わたくしの仕事場です。
手前の椅子は、水牛の革でつくられたマレーシア製。リクライニングの本体と、足を乗せる台のセットです。
「かんてんぱぱ」の塚越寛社長は、寒天の原料になる天草の産地(世界20カ国)を訪れるとき、プロ級の腕の写真を撮影するかたわら楽しみにされているのが、民芸品などの見学。今春の「かんてんぱぱまつり」のとき、塚越さんが輸入した家具が広いホールに一堂に並べられていました。真っ先に眼に飛び込んできたこのセットを、二日間考えて買い求めました。
この椅子で昼寝をしたり、本を読んだり、ボーッとしたり。寝ていると必ず、水牛が夢に出てきます。

【今日のお仕事】かんてんぱぱ、塚越博社長の原稿執筆。「小さなまち・・・」の営業、納品など。

2002年11月24日

オープンガーデン、母との対話

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今日は村の花壇のあとかたづけをしました。
老人会や婦人会や花の会、育成会といっしょに育てた花壇の、咲き終えた花を抜いて整地し、来春に備えます。今年は町から努力賞をいただきました。

ご苦労さまの心を込めて一句。
「生き尽くし夜の太陽雪見酒 透玄」

母とオープンガーデンについて語り合いました。ごらんください。
写真は、屋根から見たお庭です。

豊 お袋、オープンガーデン、楽しそうだね。いろんな人が、うちの庭を見にやってくる。
母 小布施町が、個人の庭を一般に公開するオープンガーデン事業を、3年前から始めたんだったね。
豊 まったく知らない人が約束もなしに、敷地に入ることをOKするんだから、最初は「大丈夫かな。うちのプライバシーはどうなるんだ」って心配してたよね(笑)。
母 でも、産むが易し。よその土地の旅の人たちと、うちに居ながらにして話ができるんだから、楽しいね。よく、縁側でお茶をだして話してるよ(笑)。
豊 町はこの事業を観光課に担当させているけれど、わが家にとっては、老人福祉にもなっているというわけだ。ボケ防止というか・・・。
母 まだそんな年じゃないよ(笑)。でもたしかに、いい刺激になる。孫たちも、喜んでいるみたいだよ。
豊 そうだね、子供にも若夫婦にとっても、いい・・・。
母 家族共通の話題ができたよね。「今日は何人見えた」とか「どの花がほめられた」とか。
豊 花に水をくれたり、ダニ予防の消毒を施したり、よその人に見られると思うと、手入れにも力が入るよね。
母 そう、家の中も庭から見えるから、以前よりも掃除に力が入っているよ。
豊 老人福祉に子供の教育、家族の話題、暮らしの環境や景観もよくなるし、花の苗を買うから農業振興にもなる。
母 庭を築いてくれたご先祖さんの供養にもなるしね。
豊 人は見られるときれいになる、か。
母 私もちょっとおめかしして、出かけようかね。なんだか若返ってきた感じだよ(笑)。
豊 やっぱりうちにとって最大の効果は、老人福祉だね(笑)。
母 「プライバシー」とかいう外来語を、もう一度考え直してみるのもいいかもね。

2002年11月23日

信濃デッサン館槐多庵にて、高橋睦郎さんに再会

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上田市塩田平の信濃デッサン館にて、「シルヴィア・ミニオ=パルウエロ・保田遺作展」が12月1日まで開かれています。今日午後、庵主の窪島誠一郎さんをはじめ4名の座談会があり、そのお一人に、去る9日、松岡正剛さんに引き合わせていただいた詩人の高橋睦郎さんも参加されていました。再会。懇親会の席で『小布施百句』の構想などを話しました。
4時間ほどの滞在中に、いくつかの句を得ました。備忘的メモですが、掲載いたします。おくめんもなく。
なお写真は、デジカメ不調のため、10日朝の松岡さんと高橋さんのツーショットを掲載させていただきます。

「玄(くろ)また玄 玄透きとほる冬星河 透玄」
「燃ゆことに打ち込んでいる落葉かな」
「水について考えている猫の冬」
「灰となり終(つい)か始(はじめ)か紅葉焼く」
「雪原に白鷺の目のしょんぼりと」

今日は父の祥月命日、あの日から満8年が過ぎました。
ちょうど一年前には母の姉が逝きました。
母、元気です。
母と家族みんなで育てたフジりんごは、高橋さんや松岡さんにも喜んでいただきました。
そして野沢菜漬けも。
「死なれても死なれても母菜を漬ける」

2002年11月22日

散歩の栗林で拾った一句です

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朝の散歩道には栗林が広がっています。
黄土色になった葉が地面を覆い、栗の木にもまだたくさんの葉がついています。
小布施の朝もやは深い、です。
太陽がさしました。光の柱が天への橋のように見えました。
太陽を見ていたのに、浮かんだのは月の句でした。

「そちらへの光の橋を冬月よ 透玄」

2002年11月21日

ひと休みしました

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午前、いつもお世話になっている中條製缶の中條政雄社長に「文屋文庫」の今後について、お願いとご相談にあがりました。そのあと、アラ小布施へ。支配人の関悦子さん(写真右)と話しているところに、『暮らしの手帖』の編集者・菅原歩さん(30代の男性、写真左)が見えました。ゲストハウス小布施に二泊して、旅の特集記事を書かれるのだそうです。同誌は関さんの昔からの愛読書。来年1月25日号に4ページ、掲載されます。
『暮らしの手帖』のサイトは、
http://www.kurashi-no-techo.co.jp/contents/home.htmlです。

昨日の日誌に、葡萄畑にとり残された葡萄のことを書きました。母親によると、葡萄の値がこの秋はあまり良くなく、収穫時に色づきの悪い房はほとんどお金にならないので、作り手が放っておいたためではないか、とのことでした。今朝、試みに一粒口にふくむと、すでに酸っぱくなっていました。

今日の一句。「我利がりの眼に他利足りの凍え月 透玄」
欲ばっかりのわたくしの丸い瞳と、地球と太陽の間にだまって居るお月さんのまん丸。

「猫轢(ひ)かれもみじの紅の深まれり 透玄」
黒い子猫が道に横たわっていました。赤い血ともみじの葉が、かさなりました。

【今日のお仕事】本の営業。玄照寺さん「はがき禅」編集。長野国際親善クラブ会報編集。
すごく疲れてしまって、昼過ぎから5時間も熟睡。きもちよかったー!

2002年11月20日

冬の灯り、飾りつけまぢかです

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今日も朝はマイナスを記録、いい天気でした。
白い息をはきながら朝7時ごろ、家のまわりを歩きました。巨峰ぶどうの畑に気になる光景。大粒の大きな房がいくつも、とり残されているのです。冬の鳥たちのえさに(昔は道行く旅人のおなかの足しに)収穫をしない、にしては少々数が多い。理由は不明。直径25ミリはあったでしょうが、今ではなかば干し葡萄状態です。

そこで一句。「朝もやにたましひあずけ枯れ葡萄」。

ところでわが家では昨年11月から、道路に面したリビングの窓辺のマロニエの枝に、”電飾”をします。赤、黄色、緑など200個くらいの豆電球で飾るのです。飯田というむらの玄関口にあるので、けっこう目立つし、喜ばれているみたいです。
毎夕、11時ころに消します。勤労感謝の日あたりに飾って、3月初旬まで。期間を見てお分かりのように、クリスマスだからではなく、冬だから、なのです。
写真は今晩のその窓辺。マロニエの葉はすっかり落ちているので、公道からまん丸見えのわが家でした。気にしない気にしない。

【今日のお仕事】玄照寺さん「はがき禅」打ち合わせ、かんてんぱぱ塚越社長の本執筆、市村良三さんと打ち合わせ(松岡正剛さんとのこと、高橋睦郎さんとのことなど)、新建新聞社・村上さんと連載企画の打ち合わせ

2002年11月19日

かんてんぱぱの塚越寛社長の本を執筆中です

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みなさん、「かんてんぱぱ」をごぞんじですか?
かんてんを使ったお菓子をはじめ家庭用の食材ブランドとして、おなじみですよね。
伊那食品工業?というのが、正式な名前です。「社是カード」の一部を書いてみます。

社是は「いい会社をつくりましょう−たくましく、そしてやさしく」。
「いい会社」とは、単に経営上の数字が良いというだけでなく、会社をとりまく総ての人々が、日常会話の中で「いい会社だね」と言ってくださるような会社のことです。さらに、社員自身が会社に所属することの幸せをかみしめられるような会社をいいます。

そんな理想的な会社、あるのかな、とお思いでしょう。しかも創業から40数年間、増収増益の安定成長を続けています。
「会社の価値は、永続することであり、成長も利益もそのための条件です。永続は会社をとりまくすべての人々を幸せにします」とも語られます。
塚越さんの人生哲学と経営理念をまとめた本を執筆しております。
来春には、みなさんにお読みいただける届けられる本になることでしょう。
こんなお仕事をいただけることに、無上の幸せを感じつつ。

「家族主義の会社」とも言われるほど、家族や社員の幸せを思い続ける塚越さんのインタビュー録をまとめながら窓の外を眺めると、夫婦(めおと)松にもみじの赤や黄色の葉が飛んできていました。

今日の一句。「花のごともみじをまとふ夫婦松」

庭のむこうのお隣さんのお風呂の煙突から煙が立ちました。
で、もう一句。「ばあ様と枯れ枝が居て炎(ほむら)立つ」。
あったかいなー。

2002年11月18日

本屋さんが一軒もない町、小布施!?

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黄色い落ち葉が小さな竜巻のような風にもまれる一日でした。日差しはあるので温かかったですが。
昼下がり、この知らせには驚きました。
長野電鉄小布施駅の駅舎にある本屋さん「ブックボックス小布施」(写真)が今月29日に閉店するのだそうです。開店から16年、店長の白木武子さん、息子の白木さんには、本当にお世話になりました。これからは、隣まち須坂の駅前にある平安堂須坂店の店長としてお仕事を続けられるとのこと。新しい門出、おめでとうございます。
それはそれで、お祝いしたいのですが、これで小布施は、「本屋さんが一軒もない町」になってしまうのです。県下で町立ではもっとも早い時期に図書館を開設し、「文化の町」とも呼ばれるこの町が、書店一軒も支えられないのか、と思いました。と言うわたくしも、インターネットで本を買う便利さになれてしまっており、無責任な遠吠えはつつしまねばなりません。
どなたか、書店を営まれる方はいませんか?
書店だけでは難しくても、ほかの業種、たとえばカフェや旅行のお店、有料ガイドの拠点との併設など、案は浮かびます。
町の玄関口である駅舎の店が真っ暗では、あまりにさびしすぎます。
白木さんは、観光のお客様にいつも、丁寧に北斎館や栗菓子屋さんへの道順を説明していました。ありがとう、ごくろうさまでした!
地元の人や来訪者が気軽に立ち寄れて、緑茶を呑みながら交歓できる場になればいいなと思います。ご提案をお持ちしております。

今日の一句。「大根(だいこ)引き天動説のころを恋ふ」
屋敷畑で母が、冬支度の大根を抜いていました。地球の中心に向かって突き刺さるように大きくなった大根。安野光雅さんの『天動説の絵本』を思い出して。
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