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2012年5月14日

いい会社/文屋座特別版

(写真:「かんてんぱぱガーデンで満開のチューリップ。社員のみなさんが毎日おせわをされています。長野県伊那市の伊那食品工業にて。)

 

さる5月1日・2日、文屋座特別版が開催されました。北は岩手県から南は広島県まで、全国から受講者の方々をお迎えして、なごやかに、かつ、真剣に、ともに学ばせていただきました。

 

今回の講師は、伊那食品工業の塚越寛会長、そして菓匠Shimizuのシェフパティシエ清水慎一さん講師。「人と経営研究所」所長の大久保寛司さんが監修をおつとめくださいました。

 

1日目は、伊那食品工業本社にて、入社2年目から15年目までの社員の方々6人へのインタビュー。同社のみなさまと交流の深い大久保さんが、お一人お一人の思いをぐいぐいと引き出してくださいました。

 

以下、大久保さんのコメントを柱に、インタビュー寸描です。

 

「いい会社」の基準となるのは、働く人たちの目の輝き、そして笑顔の素敵さ・自然さ。それは心が前向きで、仕事を楽しんでいることの表れです。そのすがすがしく明るいの囲気にひたっていると、自然にエネルギーをもらえるのです。

 

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会社が地元の人たちから評価されることは、じつは非常に難しいこと。近くにいると、ごまかしがきかないからです。

 

伊那食品工業は、地域住民のみなさんから「あそこはいい会社だね」と本当に言われています。

 

現に、今回インタビューに応じてくださった方々の中には、「親がテレビや新聞で塚越会長のインタビューを見聞きして、入社を勧めてくれた」という方が複数いらっしゃいました。

 

また大久保さんは、同社を訪問された折に、最寄り駅からタクシーに乗られた折に、運転手さんが「あそこはいい会社ですよ」と言われるのを何度も聞いていらっしゃいます。

 

 

(写真:文屋座1日目のインタビューのようす。)

 

 

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社員の方々が毎朝きちんとあいさつを交わし合うこと、命令されなくても毎日進んで朝掃除をしていることなど、外の人が知ると驚きますが、当の社員のみなさんにはそのすごさがわからないようです。それが「当たり前」になっているからです。

 

ちなみに、同社の朝掃除は100%自主性にゆだねられています。ある社員の方が土日も含めて毎日掃除に来ていることを知った幹部の方が「彼がそこまでやっていたとは知らなかった」とおっしゃったそうです。上司が部下の掃除への出欠をチェックすることもないからです。

 

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社員のみなさんが異口同音に話してくださったのが、塚越会長の「気づく力」のすごさでした。「社内で一番気づく人」との人物像はみなさんに共通していました。

 

塚越会長から、細かな指摘をいただくことも多いようです。「段ボール箱の置き方が曲がっている」「あそこにクモの巣がある」「メダカが元気に育つように、池の水の温度を下げすぎないで」などなど……。

 

それを「うるさい」と感じることはなく、すぐに改善のために行動を起こすそうです。そして「もっと自分が気づけるようにならなければ」「もっと成長しなければ」という気持ちが強くなっていくとのことです。

 

「『自分はできていない』と言う人が、本当にできていないわけではありません。自分に求めるレベルがもっと高いから、現状の自分では満足できないのです」と大久保さん。

 

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「会長は偉大な存在」「お父さんみたい」「会長がめざしているものを、一緒に見られたらと思う」「会長の夢を一緒に実現したい」「厳しいことを言われるけれど、怖いと思ったことはない」というお話もうかがいました。そして、「会長に悪いところを一つも指摘されないほど、自分たちが気づく力を身につけたい」とも。

 

 

 

(写真:2日目の朝、伊那食品工業の朝掃除を見学・体験させていただきました。)

 

 

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伊那食品工業では、現場の課題をお互いに共有し、一緒に解決していきます。「チームワークがとてもいい」と、どの方も実感されています。

 

大久保さんによると、「多くの会社ではありえないこと。問題をできるだけ隠そうとするのが普通」とのことでした。

 

同社では、社員旅行の計画や、全員で行う山仕事などを通じて、社員同士の絆やチームワークがどんどんよくなっていきます。これは経営の室を高めるための大きな強みです。

 

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入社してから2カ月間、ひたすらプランターに花を植えてガーデンに並べる仕事をしていた方がいます。もちろん、そういう仕事があるわけではなく、工場に所属されている方です。

 

もともと花に興味があったわけではないそうですが、お客様から「きれいにしていますね」「この花は何と言うの?」などと話しかけられているうちに、「もっとお客様に満足してもらいたい」という気持ちが高まって、ガーデンづくりへの興味がどんどん広がっていったとのこと。

 

「趣味と仕事の境界が曖昧。勤務時間中に好きなことをやっているのを、許してくれる上司がいる。『きちんと結果が出るならどんどん勧めていいよ』と先輩が言ってくれる」とおっしゃる社員の方は、ここ3年ほど、工場の周りに苔を育てることに注力されているそうです。

 

苔は同社にとって、毎日掃除を継続していることの象徴、そして「苔のむすまで」と「君が代」に歌われていることにちなんで、永続の象徴でもあります。

 

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伊那食品工業では、投資の優先順位が非常にはっきりしています。「社員が働きやすい環境づくり」が一番なのです。社員の方が暑さで困っているとわかれば、すぐに暑さ対策をしてくれます。

 

同社の経営では「社員がいかに楽しく働けるか」が重要なテーマです。仕事の質は、生き生きと楽しく働くことによって高まっていくのです。

  

今回、監修をお引き受けくださった大久保寛司さんの『考えてみる』、くわしくはこちらです。

http://www.e-denen.net/index.php/kangaete

 

 

 

 

 

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