2022年2月10日
明日は「建国記念の日」。「建国をしのび、国を愛する心を養う日」と定められた祝日です。
日本という国、そして日本人であるということを、じっくり思考したいですね。
経営という視点に立つなら、会社のあり方が地域や国にどうつながっているのか、ということになるでしょうか。
「目の前のことに精一杯でそんな余裕はない」という声も聴こえてきそうです。でも行き詰った状況だからこそ、視野を広げることを意識する経営者もいます。
文屋では、「かんてんぱぱ」で知られる伊那食品工業の最高顧問、塚越寛さんの「年輪経営」を学ぶオンラインセミナーを配信しています。
今回は、そのなかのテーマのひとつ「遠きをはかる」について考えてみます。
いまや寒天メーカーとして、国内シェア80%、世界シェア15%を占める伊那食品工業。じつはかつて、寒天は価格や供給が安定しない相場商品でした。
私どもの製品の原料というのは海藻ですが、ある日突然高騰したり 、なくなったりすることが何度もありました。(中略)どうやら目先のことだけではだめだ。メーカーならば長期的に原料確保のことを考えなければいけない。「あらゆることを長期的に考えなければ」という結論になってきたんです。(塚越寛さん)
そこで塚越さんが考えたのは、海藻の供給や品質を安定させるための開発輸入という方法でした。海外の原料産地を開拓し、経営指導や技術指導をしながら、現地の人たちを育てることです。
価格競争のような短期策ではなく、長期的に持続可能な方法を考えることによって、寒天に安定供給という新たな価値を生みだしました。
塚越寛さんは目の前にある困難に直面したとき、すぐにできる解決方法ではなく、問題の背景にある本質に目を向けたのです。
この考えを確信に変え、その後の経営指針となったのが、二宮尊徳翁の教えです。
「遠きをはかる者は富み 近くをはかる者は貧す
それ遠きをはかる者は 百年のために杉苗を植う」
さらに将来を見据え、伊那食品工業は寒天の新たな用途開発に取り組みます。やがて未開拓の市場をつくり、寒天の新たな需要を生み出しました。
社員たちも二宮尊徳翁の教えを共有し、本質を見抜くことが徹底されているのでしょう。
塚越さんが二宮尊徳翁と共鳴した「遠きをはかる」は、時間軸のみならず空間軸によっても理解できます。
自社の枠組みを超え、地域や業界、国をも見据えていくということです。
たとえば伊那食品工業の本社敷地内につくられた「かんてんぱぱガーデン」。自然の景観を活かした広大な憩いの場として、地域活性化に大きく貢献しています。
そして何より、伊那食品工業は「人と社会の幸せ」のために安全で健康的な食品づくりに邁進し、日本中にファンがいます。「いい会社」とは何かを考えるうえで、あらゆる側面から会社のあり方が注目されている企業です。
このオンラインセミナーでは、「人とホスピタリティ研究所」の高野登さんと文屋の木下豊が、塚越寛さんのインタビュー映像を読み解きます。
高野さんは、塚越寛さんが考える「幸せ」について語ります。
誰にとっての幸せかを考えるレベル、その視野が圧倒的に広いんです。自分の生活、社員の生活、会社の将来、地域性、もっと言えば、日本を見据えています。「こういう国でなければならぬ」と。そこが、トヨタ自動車の豊田章男さんのような方にも響いているのでしょう。(高野登さん)
それに応え、木下は話します。
「いい会社づくりはいい世界づくり」と塚越さんはいいます。「いい会社をつくれば、いい社員になる。いい両親がいれば、安定して幸せな家族ができる。幸せな家庭が増えればいいまちができ、それが集まっていい国になり、いい世界が生まれる。だから経営者は、本当に責任が重いんだ」と。
経営者として、遠く広い視野をもっているからこそ出てくる言葉です。
塚越寛さんは、文屋より発売中の絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』を推薦くださっています。
『君が代』の元歌は1000年以上前、ただひとり想う相手の末永い幸せを「こけのむすまで」と祈る和歌のラブレターでした。その想いを受け継いできた私たち日本人の心を、遠い未来につなぎ、広い世界に伝える絵本です。
日本という国で、日本人としてどう生き、どう経営していくか。
「かんてんぱぱ」伊那食品工業の塚越寛さんに学び、また絵本『ちよにやちよに』をとおして、この機会にじっくり考えてみませんか。
【末広がりの年輪経営プロジェクト】
ビジネス・オンラインスクール「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」
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