年輪経営

伊那食品工業(株) 最高顧問 塚越寛さんの提唱する木の年輪のように毎年、緩やかにたくましく成長を続けていく経営哲学を全国と世界に普及するプロジェクト

「末広がりのいい人生・いい会社・いい世界をつくりましょう」

年輪(カラマツ)

年輪(カラマツ)

塚越さんはこの節「樹木からの大いなる学び「年輪経営」」で、「末広がり」に成長していくことの大切さを、次のように強調しています。

「木の成長を別の角度から眺めると、「末広がり」と捉えることもできます。
末広がりの姿を漢数字の「八」になぞらえて、年輪経営を「八の字経営」と呼ぶこともできるでしょう。
「いい会社」をつくるためには、年輪経営を継続していくことが欠かせません。年輪経営こそが、会社のあるべき姿の本質であり、経営者のおこなうべき仕事なのだと思います。
 当社は創立からずっと、ゆるやかな増収・増益を続けてきました。これは増収・増益を目標として取り組んだからではなく、年輪経営を旨として会社の舵取りをおこなってきた末の結果に過ぎません。
 目先の利益や急成長にとらわれていては、社員の幸せ・世の中の幸せという本来の目的を見失い、会社は永続することができません。」

新訂 いい会社をつくりましょう

『新訂 いい会社をつくりましょう』塚越 寛 著

塚越さんは『新訂 いい会社をつくりましょう』の第二章を「自然体経営」と名づけました。その理由を、次のように記しています。

「人間は、太陽を中心とした自然の摂理のなかの一つです。大いなる宇宙の律動のなかに息をする存在です。経営のあり方も、自然界から学ぶことがたくさんあります。私は自然に学ぶ経営を総称して「自然体経営」と名づけ、実践してきました。」

塚越さんはこの章で「自然体経営」の例として、5つを挙げています。

  • 1. 根を深く、そして広く張る
  • 2. バランス経営
  • 3. 年輪経営
  • 4. 脱皮する経営
  • 5. 急がば回れ
葛飾北斎画『福寿草と扇面』

富士山と扇、早春を告げる黄色い花・・・末広がりのめでたい尽くし。
葛飾北斎画『福寿草と扇面』

人間は自然の一部であり、地球という生命体の上で生かされている存在です。自然の摂理、大自然の掟(おきて)、神さまの真理、何か偉大なるものの定め・・・どんな表現を使うとしても、大自然のありようから、生き方や働き方や営み方を学ぶのは、末広がりの幸せをつかむための、真っ当なありようだと思います。

樹木

樹木を見つめてみましょう・・・
・年輪の姿 ・根っこの張り方 ・枝葉の張り方と根とのバランス ・葉脈のかたちと木全体のかたちの相似 ・落ち葉の養分が土をつくり、根に行き渡ること・・・そして、人間の寿命をはるかに超える長命であること。さらに、樹齢千年に至ってもなお、今年の春も、大空に末広がりに張りだした枝から、瑞々しい若葉を芽吹かせること・・・
樹木の姿から、わたしたちが学べることは、広く、深く、多様です。

商人で作家・YouTuberの斉藤一人さんは「木には葉っぱ、人には言の葉」と語ります。
俳人の荻原井泉水(おぎはらせいせんすい)は、次の俳句に昇華させています。
「楠(くすのき)千年 さらに今年の若葉かな」
年を重ねてもなお、いえ、年を重ねたからこそ、生き生きと明るい言の葉(ことば)を発する人でありたいものですね。
このことを塚越さんは「いい老舗は、新しくよりよい生産方法や材料を常に取り入れていく」と言います。

塚越寛さん(左)とトヨタ自動車社長の豊田章男さん(右)

塚越寛さん(左)とトヨタ自動車社長の豊田章男さん(右)

塚越寛さんを経営の師と呼ぶトヨタ自動車社長の豊田章男さんは、塚越さんの集大成のご著書『末広がりのいい会社をつくる』に「私の教科書」と題する推薦のメッセージを書いて、本書の帯に寄せてくださいました。

「この本は、本気で社員を愛し、本気で地域に寄り添い、本気でお客様と向き合い、本気で次世代を想い、悩み、決断し続けている経営者のリアルストーリーである。そして、私が憧れる大先輩の物語でもあります。変革の時代に、「ブレない強さ」を教えていただきました。塚越さん、私もしっかり後を追っていきます。」
トヨタ自動車株式会社 取締役社長 豊田 章男

文屋の「末広がりの年輪経営プロジェクト」では、塚越さんのご著書の普及はもとより、塚越さんの理念と実践に学ぶオンラインスクールの運営、伊那食品工業や、文屋のある長野県小布施町の現地を訪ねて学び合うセミナーの開催などを続けて参ります。ご期待ください。

《受賞歴》

  • 1995(平成7)年

    【科学技術庁長官賞】

  • 1996(平成8)年

    【黄綬褒章】

  • 【日経ニューオフィス賞】
    (日本経済新聞社・社団法人ニューオフィス推進協議会)

  • 【農林水産大臣賞】
    ( リサイクル推進協議会)

  • 2002(平成14)年

    【最優秀経営者賞】
    第20回中堅・中小企業優秀経営者顕彰制度(日刊工業新聞社)

  • 2007(平成19)年

    【グッドカンパニー大賞 グランプリ】
    第40回社団法人中小企業研究センター賞

  • 2011(平成23)年

    【旭日小綬章】

  • 2018(平成30)年

    【渋沢栄一賞】
    (埼玉県)

《著書》

『新訂 いい会社をつくりましょう』、『幸福への原点回帰』(鍵 山秀三郎氏との共著)、『映像本 いい会社をつくりましょう』 『日めくりカレンダー 塚越寛 日々の言葉 人も社会も幸せに なる年輪経営』(以上、文屋)、『リストラなしの「年輪経営」 いい会社は「遠きをはかり」ゆっくり成長』 (光文社)、『幸 せになる生き方、働き方』(PHP研究所)、『「いい会社」っ てどんな会社ですか? 社員の幸せについて語り合おう』、『年輪経営 一度きりの人生を幸せに生きるために』(以上、日 経BP社)など。

  • 二宮尊徳翁の「報徳」の教えを広げるための全国組織である大日本報徳社(静岡県掛川市)が発行する月刊誌『報徳』。2020年新年号に、塚越寛さんと大日本報徳社社長の鷲山恭彦さんの対談が掲載されました。

  • 2004年に塚越寛さんが出版した初めてのご著書『いい会社をつくりましょう』を制作するきっかけになった雑誌「KIWI」1992年4月号の表紙と記事です。フリーライターをしていた木下豊(当時33歳。現・文屋代表)が、取材に派遣され、インタビューをしてまとめました。塚越さんはこの記事をたいそう気に入ってくださり、2002年、初のご著書の編集者として木下をご指名くださいました。
    塚越さんは、10年ぶりに再会した木下に、「あれからこの記事を何千部も印刷して、社員やお客様、お取引先などに配ってきました」とお話しくださいました。
    『いい会社をつくりましょう』は、それから2年あまりの制作を経て誕生、ロングセラーとして読み継がれています。運命的な雑誌です。

  • 書籍 末広がりのいい会社をつくる

    末広がりのいい会社をつくる

    著者:塚越 寛

  • 書籍 新訂 いい会社をつくりましょう

    新訂 いい会社をつくりましょう。

    著者:塚越 寛

  • 音声ダウンロード 2019年1月20日塚越寛氏“奇跡”の講演会

    音声ダウンロード「2019年1月20日塚越寛氏“奇跡”の講演会」

    塚越 寛

  • 書籍 人も社会も幸せになる年輪経営

    塚越寛 日々の言葉 人も社会も幸せになる年輪経営

    著者:塚越 寛

小布施牧場

長男と次男の二夫婦が営む小布施牧場株式会社では、年輪経営を実践しています。

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