みなさん、こんにちは。お元気ですか? 信州小布施の里、 きょうは梅雨の晴れ間です。 静岡県熱海市などで発生した 豪雨による被害にあわれているみなさまに、 お見舞い申し上げると共に、 一日も早い復旧を願います。 さっそく本日のテーマをお伝えいたします。 【本日のテーマ】 「令和」を考案した中西進先生が 白駒さんの『ちよにやちよに』に寄せた 推薦文の真の想いは? その2 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ **************** 「君が代をもとにもどす。 有益な役割に「大賛成」です」と 中西進先生 **************** 文屋は7月9日(金)、 『君が代』をテーマにした絵本 『ちよにやちよに』を全国発売いたします。 副題は、 「愛のうたきみがよの旅」です。 本の要旨は、次の3点です。 1.この歌の元になる歌は、 いまから1100年以上前につくられた和歌です。 2.その和歌は、 ある人物が心から愛する相手へ、 「いつまでも長く生き続けてほしい」と 詠(よ)んだラブレターでした。 3.この和歌が、この国の人びとに愛され、 千年以上にわたって歌いつがれてきました。 そしてその結果として、 『君が代』は、 世界一永い歴史を持つ、 世界一短い国歌になっています。 前号で、 この絵本に推薦文をお寄せくださった 国文学者の中西進先生の「想い」を、 ご紹介いたしました。 あらためて、 中西進先生は、 国文学者、国際日本文化研究センター名誉教授 1929年(昭和4年)東京都生まれ、91歳。 勲等は文化勲章 ・・・とご紹介するよりも、 元号「令和」の考案者、名付け親といわれている御方、 というほうが、なじみがいいですね。 中西先生にいただいた推薦文は、 以下の通りです。 **************** 「君が代は広く人びとが愛誦して来た 長寿の雅歌(がか)であり 万葉集からの伝統を継ぐ まさに真珠のごとき愛の歌を 日本人は宝としつづけるのである 令和三年弥生(やよい) 中西 進」 **************** 先生は、この推薦文を、 毛筆でしたためて、 贈ってくださいました。 じつは、 この推薦文が文屋のポストに届いた時、 その数分前に、 本書にとってとてもつらい出来事がありました。 国内の書店で市販される本は、 大手取次会社(問屋)を通じて全国の書店に届けられ、 読者のみなさまの手に渡ります。 文屋の本も同じです。 しかし! この絵本『ちよにやちよに』は、 そのルートの一端を担う組織から、 取り扱いを拒まれました。 理由は、 『君が代」が賛否両論のあるテーマだから、です。 つまり、 SNSで炎上しやすいテーマであり、 それを承知で取り扱いを引き受けることで、 関係者に迷惑をかけたくない、というご説明でした。 その決断の変更を強いることは、 わたしにはできません。 わたしは、 いつもの散歩道を歩きながら、 この趣旨の電話のやり取りをして、 落胆の気持ちで家に戻りました。 全国の書店への流通ができなければ、 この本を読者のみなさまにお届けする手段が、 極端に狭められてしまいます。 いままで半年間、 この本の制作を共にしてきた チームの4人のお顔が浮かび、 どのように報告しようかと、 考えながら玄関を開けました。 その時、ポストに1通のA4サイズの封筒が 届いていました。 それが、 中西進先生からの推薦文とお手紙でした。 落胆から歓喜へ・・・ 劇的な転換となりました。 **************** この絵本は 君が代を「元に戻す」 大切な役割があります **************** その後、 中西先生にお目にかかりお話を伺いました。 この絵本の書店流通が難しいことをお伝えすると、 先生は以下のお話をしてくださいました。 1.この絵本は、君が代を「元に戻す」大切な役割があります。 だから私はこの絵本の出版に大賛成です。 この役割を正面切って引き受けた一般向けの書物は、 無かった。実に大事な役割の本になります。 2.国歌を、政治的な立場や認識と関連づけて、 これほど極端に賛否が分かれるのは、 この歌にとっても、私たち日本人としても、 喜ばしいことではありません。 嘆かわしく、不幸なことでもあります。 金メダルの喜びと共に日の丸が挙げられても、 卒業式の晴れやかなお祝いの場でピアノ伴奏が 始まっても、 感謝や喜びと共に歌えないのは、嘆かわしい。 3.特にかわいそうなのは、 学校現場の先生方と子どもたちです。 上(文科省や都道府県教育委員会など)からは 歌うこと、歌わせることを強制されますが、 子どもたちは、この歌の本来の意味も 歴史も知らされないまま、 歌わざるをえない状況です。 「『君』ってだれのこと?」 「さざれ石のいわお(巌)をなりてこけ(苔)のむすまで、 って何のこと? それはどんな意味?」・・・ この絵本を最後まで読めば、 先生方も保護者のみなさんも、 「愛の歌」であることを理解し、納得して、 子どもたちに伝えることができます。 **************** 愛の歌「君が代」は、 各個人、一人ひとりを尊重する愛の歌 **************** 中西先生は、つづけて、こうお話しくださいました。 4.「君」は誰でもいいのです。 先生でもご両親でも、気になるあの子でもいい。 オリンピックで歌うのなら、 世界中の人々を思ってもいい。 人ではなく、虫でも動物でも、 地球や月や宇宙でもいい。 そう教えていただければ、 「強制」の必要はなくなります。 国家に利用されてきた愛の歌「君が代」を、 各個人、一人ひとりを尊重する愛の歌として、 元に戻してあげればいいのです。 だから私はこの絵本の出版に大賛成です。 この役割を正面切って引き受けた一般向けの書物は、 無かった。 実に大事な役割の本になります。 中西先生に以上のご指導をいただいたことから、 わたしの決意は、さらにかたいものになりました。 その決意のことは、次号で記します。 **************** あ~日本人に生まれて良かった **************** 7月4日、 文屋は国際文化会館(東京・六本木)で、 出版記念講演会を開きました。 ご著者の白駒妃登美さんの講演を、 リアルとオンラインで100人を超えるみなさんに ご聴講いただきました。 そのお一人、 愛知県岡崎市にお住まいの小野千夏(ちか)さんより その夜のうちにご感想をいただきました。 小野さんのご了解をいただきましたので、 全文をご紹介いたします。 (引用、ここから) **************** こんばんは。 夜分に申し訳ございません。 小野千夏と申します。 今日は本当に素晴らしい「千代に八千代に~」の 出版記念講演をありがとうございました。 何か私の中にふつふつと湧いてくる 幸せで暖かい気持ちが溢れ、 自然と涙が流れてきました。 あ~日本人に生まれて良かった、 今この時を幸せに思える自分、そしてご先祖様、 全ての生命、宇宙に 感謝の気持ちでいっぱいになりました。 妃登美さんをはじめ、チームの皆様の この絵本への深く優しい思いが溢れていて まだ読んでもいない私までが幸せな気持ちに包まれ もし誰かに何かをプレゼントする時はこの絵本を プレゼントしようって思いました。 文字ではなかなかお伝えするのが難しいですが 感動の気持ちをお伝えしたいと思い メールさせていただきました。 この機会に文屋さんという素晴らしい出版社さんの存在も 知ることができ、 とても幸せに思っております。 またこれからも文屋さまをはじめ、 素晴らしい方々の 活動を楽しみにしております。 そして私に今できること、 目の前の人を笑顔にすることを 精一杯実行してまいります♪ 感謝。 小野千夏 **************** (引用、ここまで) 小野さん、 お心のこもったご感想を、ありがとうございます。 この本をきっとベストセラーに、 そしてロングセラーに育てていきます。 **************** 子どもたちは幼稚園や学校で、 はじめて国歌「君が代」を覚えます。 詠み人知らず(作者不明)のラブレターを、 先人たちが千年以上にわたって 愛唱しつづけてきたこと。 この歌の本来の意味を、 先生方にも子どもたちにも、 伝えていきたいと思います。 文屋ではいま、 絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』を、 福島県内の小学校と公共図書館、 全国の児童養護施設、 そして小児医療の病院に贈る 寄付本プロジェクトを展開中です。 おかげさまでおととい! 第一次目標の250万円・1,250冊分を 達成いたしました。 応援してくださっているみなさん、 ありがとうございます。 第二次目標は、 世界各国の駐日の外国公館約230館と、 世界中の日本人学校役100校に贈ることです。 金額は370万円、1,850冊です。 みなさまのご理解とご参画をお待ちしております。 ↓ https://www.e-denen.net/cms_kifubon.php **************** ではみなさん、お健やかに、 夏の佳き日々を楽しみましょう。 どうぞよろしくお願いいたします。 文屋 木下 豊より 【写真説明】https://www.e-denen.net/cms_mailmag.php?_id=858 中西進先生 講演会を終えて、 白駒妃登美さん。 左から日本画家の吉澤みかさん、 英訳を担当した山本ミッシェールさん (NHK Worldキャスター・リポーター)と 白駒さん 白駒さんがこの絵本に込めた想いを、 わかりやすく語る映像が出来上がりました。 どうぞご覧ください。↓ 以下のページ中ほどの「ご挨拶動画」です。 https://www.e-denen.net/cms_kifubon.php 本書は、 書店「読書のすすめ」さん: https://dokusume.shop-pro.jp/?pid=160654708 や、 Amazonでもお求めいただくことができます。 中西進先生は、この御方です: https://www.youtube.com/watch?v=D4h2vaLcCEU ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ★文屋・木下豊について https://www.e-denen.net/cms_about.php