みなさん、こんにちは。お元気ですか? きょうも信州小布施は、おだやかな一日でした。 早朝より1時間ほど、 二人の息子たちが営む小布施牧場の ジェラートとモッツァレラチーズの工房&カフェ milgreen(ミルグリーン)のまわりの雑草を、 自動刈り払い機で刈りました。 東京ドームと同じくらい広さのある 広葉樹の「小布施千年の森」の若葉を眺めながら、 朝しぼりの新鮮なジャージーミルクでつくる できたてのジェラートを味わう人たちの、 幸せな表情やしぐさが、何よりの励みです。 わたしは、 この会社の「取締役用務員」さんでございます。 みなさん、 いつもこのメールマガジンをお受け取りいただき、 ありがとうございます。 ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ 信州小布施 美日常の文屋だより vol.799 和合と感謝 百年本を世界の未来へ。 ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ 【きょうのテーマ】 Vol.799 その「志」は私閉か公開か? 操作か真意か? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ********************** ★あっさりと見抜かれてしまう 操作志向の公開的私閉の野心★ ********************** 前号までに、 わたしが多くの深い学びをいただいている 多摩大学大学院 名誉教授 シンクタンク・ソフィアバンク 代表 田坂広志さんからの学びをもとに、 以下のポイントで書いてきました。 **************** ○「野心」とは、 己一代で何かを成し遂げようとする 「願望」のこと。 ○「志」とは、 己一代では成し遂げ得ぬほどの 素晴らしき何かを、 次の世代に託する「祈り」のこと。 **************** 「祈り」。 福島県南相馬市で北洋舎クリーニングを営む 親しい読者さまの高橋美加子さんが、 お便りをくださいました。 東日本大震災による地震と津波、 そして、 東京電力福島第一原発の事故による、 大きな苦難に、 経営者として、地域のまとめ役として、 たくましく立ち向かってきた高橋さんのお言葉、 ひときわ、心にしみるものを感じます。 「「野心」と「志」 志は祈りであるという言葉、心に響きました。 そぎ落とし、そぎ落とししても残る「自分の思い」が 何であるのかを確かめる物差しですね。 それが「祈り」であると腑に落ちたら、 一歩踏み出すことができますね。」 高橋さん、ありがとうございます。 またお目にかかりましょうね! **************** 私閉(しへい)と公開です。 願い事が、わたしを利すること、 わたしの内側に向かっている状態を、 「私に閉じている」意味で、私閉。 願い事が、公(おおやけ)に向かって開いていること、 わたしの内側から外側に向かっている状態を、 「公に開いている」意味で、公開。 私が、私に・・・ではなく、 私も、みんなも。 公に開いているからこそ、 私は公に共感を感じ、結果として、 多くのみなさんの共感を呼ぶことができる。 共感されることで、 同行者や導き手や支え手が現れて、 ものごとが佳き方向へと展開していく。 これを経営に当てはめると、 個人の志にあたる経営理念は、 公に開いているのでなければ、 その会社の商品やサービスが支持されることは むずかしいということになります。 これを読んで、 「そうか、よしわかった、 では、うちも理念を公に開いた文章にしよう」と、 気の利いた表現をネットで検索する おっちょこちょいの人は、 このメルマガの読者さんには いらっしゃいませんよね?(^0^) そこで、つぎの問いです。 その志、その経営理念は、 あなたの真意なのか? **************** 経営理念は、 公に開いているのでなければ、 公への深い共感によるものでなければ、 その会社の商品やサービスが支持されることは むずかしい。 「だから」、 「社会貢献」とか、 「事業を通してのお役立ち」を書き込んだ 理念をつくり、掲げたとしても、 理念と現実、 経営者の言動や、 会社の商品・サービス、 職場環境や社風、社員の表情、 会社の評判・・・などの現実が、 理念とかけ離れていれば、 共感されることはありません。 お客様は、 経営者の「志」や、それに根づいた「経営理念」が、 真意からのものではなく、 公に開いていることを装いながら、 私に閉じていること、 つまり、 志の顔をした「野心」であることを、 直観的に見抜いてしまいます。 操作主義の化けの皮は、 すぐにはがれるのですね。 うわべの操作、偽装ではなく、 心の底からにじみ出た、 真意の表れとしての、 公に開いた志、経営理念であってはじめて、 共感を呼び、商品・サービスは、 末永く支持され続けることができます。 **************** ここまで、 真意から発露した 公に開いた理念を抱くことのたいせつさを、 考えてきました。 もとより、 理念は理想です。 その理想、目的、仰ぎ見る山頂は、 高ければ高いほど、いまの現実との落差、ギャップは、 大きくなります。 しかしそれでも、 理想である理念に向かって、 現実を変えていこうと進歩、成長を続けることで、 理念はおのずと実現していくのだと思います。 そのための継続は、 真意から出た理念でなければ、 (操作主義では)とうてい叶えられません。 **************** 田坂広志さんは、ご著書で、 「操作主義」と「正対主義」を鍵言葉として、 このことを語っておられます。 「操作主義」とは、 直接的な対応や指示とは異なり、 相手の主体的な判断や意思を、 指示する側が意図的に誘導したり、 変化させる工作をすること。 例えば「馬を速く走らせるために鼻先に ニンジンをぶら下げる」などが該当。 「正対主義」とは、 人と人とがコミュニケ―ションをする時に、 真正面から相対すること。 田坂氏のマネジメント論の中核をなす概念。 シニカルな視線ではなく、 お互いの人生に深い敬意を持つことが不可欠とされる。 (引用:https://ameblo.jp/family24ma/entry-11612480357.html)) **************** 田坂さんのご著書『仕事の技法』(講談社現代新書)より 「相手を「動かそう」とすることが 「操作主義」なのではない。 相手に対する「敬意」を持たず、 相手を「一人の人間」として見つめず、 あたかも「物」を動かすように、 自分の思うままに操ろうとすること、 それが「操作主義」である。 例えば、 「部下のモチベーションを高める」という言葉。 近年、ビジネスの世界でしばしば使われる、この言葉は、 部下を「一人の人間」として敬意を持って見つめ、 その部下に対する 「仕事に働き甲斐を感じられるように」という 愛情から出てくる言葉ならば、 それは、決して「操作主義」ではない。 しかし、この言葉が、 「仕事の生産性を上げるために、 部下という『歯車』を、うまく回るようにしなければ、 部下という『馬』を、速く走るようにしなければ」 という発想から出てくるならば、 それは、「操作主義」である。」 **************** 相手(他者・公)を 「一人の人間」として敬意を持って見つめ、 その人の生き甲斐や働き甲斐、幸せを願う愛情。 こうした「真意による正対」に 裏打ちされた志、理念を、持ちたいものですね。 では、次なる問いです。 「野心」は抱いてはいけないのでしょうか? 次号では、 崇高な「志」を叶えるために、 強烈な「野心」を抱き続ける人物をご紹介しますね。 **************** コロナの災禍にあって、 さかんに唱えられている 「ステイ・ホーム」。 もともとは、 在宅を奨励するこの言葉ですね。 ですが、「ホーム」には、 故郷、もともとある場所、原点、 安心の場などの意味があります。 ステイ・ホームは、 本来あるべき自分の姿、 もう一人の自分との静かで深い対話という 意味があると思います。 そんな尊い時間を、 感謝して、味わいたいですね。 野心と志 このテーマで次号でも考えてみたいと思います。 (つづきます) **************** ではみなさん、お健やかに、 初夏の佳き日々を楽しみましょう。 どうぞよろしくお願いいたします。 文屋 木下 豊より 【写真説明】http://www.e-denen.net/index.php/mailmag? 日の出と富士山(ネットより転載)。 富士山のかたちも、扇子と同じです。 末広がりの「八の字」ですね。 日本人の深い美意識には、 もともと、 「公に開く」が息づいていると思います。 田坂広志(たさか・ひろし)さんの 公式サイトから、 プロフィールのページを ご紹介します。 http://hiroshitasaka.jp/profile/ 田坂さんの文章が掲載されている サイトのページをご紹介いたします。 http://hiroshitasaka.jp/letter/6659/ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ このメールマガジン(美日常の文屋だより)は、 百年本の文屋代表、小布施人、農士、 「美日常」提唱者として、 ものごとの原点(本来あるべき姿)を 考えつづける筆者が、 日々、交流の場を綾なしながら、 みなさまの人生とビジネスのお役に立つこと を目的に、お届けしております。 ★文屋・木下豊について http://www.e-denen.net/index.php/about_rinen http://www.e-denen.net/index.php/about_kino ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ★プレム・ラワットさんの「心の平和」のメッセージを、 これから100年の未来を生きる、 無限の可能性を秘めた子どもたちに贈りたい! 寄付本プロジェクトにご一緒しませんか?★ ラワットさんのこのご著書を、 より多くのみなさんにお伝えしていきましょう! 新刊と寄付本プロジェクトの詳細はこちら → http://premrawat.shop-pro.jp/?pid=148653715 ********************* 小布施牧場の しぼりたてジャージー牛乳を使った ジェラートとモッツァレラチーズの工房&カフェ milgreen(ミルグリーン) https://obusedairyfarm.co.jp/milgreen/ ************************ 2019年1月20日に八重洲ブックセンターで開いた かんてんぱぱ・伊那食品工業株式会社会長 塚越寛さんの講演音声データ。 語り手と聞き手の意識が高いレベルで一体になった 「奇跡の講演会」の90分間の全容を、 ぜひお手元で何回も聞いてお役立てください。 http://www.e-denen.net/index.php/movies?_id=42 ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ◎わたしのこころの師匠・戸村和男先生 富士和教会の公式サイト:http://fujiwa-k.com/ 師匠のお弟子さん・井内由佳さんのご著書 『もっと美しく、もっと幸せに ~リッチに輝いて愛される33の理由』 (廣済堂出版。2018年)より 【第4章 愛の中にいる】 おだやかに、穏便に、ものごとを丸く進めると、 まとめるエネルギーが働き、 人間関係も、仕事も、健康も、美容も、 すべてがうまくいくようになります。 ★井内由佳さんの公式サイト:http://yuka-i.com ★井内由佳さんが社長をつとめる 株式会社フィールド オブ ドリームスの公式サイト: 命を受けました。 https://youtu.be/owcmZ4ymmS0 ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ◎わたしのイチオシ。斉藤一人さんの「覚悟の話」 goo.gl/hJbwWd ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎