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2020年06月01日

Vol.796 リッツ・カールトンと伊那食品工業。「社員の成長」の意味を高野登さんに学ぶ。その6、最終回

みなさん、こんにちは。お元気ですか? きょうの信州小布施は、薄曇りです。 特産の小布施栗の木には、 緑の濃さを増す若い葉の近くに、 花の蕾が目立つようになってきました。 ひも状に伸びている花は雄花。 雌花はひも状の根元あたりに、 ひっそりと付いています。 ★きょう6月1日(月)、 二人の息子たちが営む小布施牧場の ジェラートとモッツァレラチーズの工房&カフェ milgreen(ミルグリーン)が、 45日ぶりにオープンいたしました。 感染予防のために、 特注したアクリル板越しのおもてなしで、 お手洗いは原則としてご利用はできず・・・ すこしぎこちない対応になりますが、 ふたたび開店できたことを、 一同、喜んでおります。 みなさん、 いつもこのメールマガジンをお受け取りいただき、 ありがとうございます。 ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ 信州小布施 美日常の文屋だより vol.796 和合と感謝 百年本を世界の未来へ。 ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ 【きょうのテーマ】 リッツ・カールトンと伊那食品工業。 「社員の成長」の意味を高野登さんに学ぶ。その6 ひとまずの最終回です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ********************** ★リッツ・カールトンと伊那食品工業が、   最も大事にしている     「社員の成長」を導く仕組みとは?★ ********************** 前号までに、 リッツ・カールトン元日本支社長で、 人とホスピタリティ研究所代表の 高野登さんとわたしの出会い、 高野さんが「こころの背骨」といえる お父様のお教え 「戸隠山(とがくしやま)に恥ずかしいことはするな」。 そして、 伊那食品工業とリッツ・カールトンは、 塚越さんとホルスト・シュルツィさん(リッツの創業者)は、 経営で一番大事に考えていることが、 同じ「社員の成長と幸せ」であることを、 ご紹介しました。 さらに、 「社員の成長」と「会社の成長」の関係の とらえ方は? 塚越さんは、 「真の会社の成長とは、 「社員一人ひとりの人間的成長の総和」とおっしゃいます。 いわく、 「会社の永続的な成長をめざすなら、 経営者は社員の人間的成長にこそ 力を注ぐべきだと思います。」 いっぽう、 リッツ・カールトンのシュルツィさんも、 「「世界一になる」という 壮大なビジョン・夢に向かって最も価値あること、 最も重要なことは、 そこで働いている社員一人ひとりの成長です。 成長することで、 この夢の実現に巻き込まれる力が ついてくるからです。」と、高野さんはつづっています。 つまり、 伊那食品工業とリッツ・カールトンは、 塚越さんとシュルツィさんは、 経営で一番大事に考えていることが、 同じ「社員の成長と幸せ」です。 そして、 「社員の成長」と「会社の成長」の関係について、 塚越さんは、 「社員一人ひとりの人間的成長の総和」、 シュルツィさんは、 「一人ひとりの社員が自ら一緒になって トルネードを巻き起こす立場になっていくこと」 と言われます。 そもそも、 「社員の成長」「人間的成長」とは、 どんなことを意味するのでしょうか? この点については、 塚越寛さんと、 シュルツィさんに学び抜いた高野登さん 「人の成長」の意味は、 やはり共通していました。 ・人に迷惑をかけない。  できるなら世の中の役に立つ人に。 ・相手の立場に立って、  「思いやりに秀でる」人に。 ・気づく能力のある人に。 **************** では、 伊那食品工業とリッツ・カールトンは、 「社員の成長と幸せ」のために、 どんな仕組みをつくっているのでしょう? 塚越さんの最新刊 『末広がりのいい会社をつくる』から、 拾ってみましょう。 第1章の一節「会社は教育機関であれ。 経営者は伝え上手であるべし」に 塚越さんの社員教育観がほぼ凝縮されています。 まず新入社員教育で使われるのは、 「一〇〇年カレンダー」です。 「一〇〇年分の暦を大きな一枚の紙に印刷した 「一〇〇年カレンダー」です。 これを見せながら「みなさんの命日はどこですか」と 問いかけるのです。(中略) 一〇〇年カレンダーを使った研修の最大のねらいは、 人生の短さ、はかなさを感じてもらうことです。 その体験を通じて、 一度きりの短い人生を有意義に、幸せに生きたい、 そのためにできることを精一杯やっていこうと 思ってもらえたらとも願っています。」 「一〇〇年カレンダー」は、 社内や応接間、かんてんぱぱショップの壁など、 ほうぼうに掲げられています。 そして、常日頃の社員教育で重視されているのは、 理念・社是の徹底です。 「経営理念や社是を全社的に共有していることが、 会社経営の基本です。 これを欠いてしまっては、 会社全体としてのパワーが生まれません。 理念や社是が社内にしっかりと浸透していてこそ、 社員に戦略が理解され、戦術も生きてくるのです。   ですから経営者は、 ぶれのない信念に沿った実践を重ねながら、 繰り返し社員に経営理念や社是、 そして戦略を伝えていかなければなりません。」 そのための仕組みは・・・ 1.名刺サイズの社是カードの配布と常時の携行 2.朝の全員での掃除、朝礼、ラジオ体操 3.全員が集まる月例の会議 4.毎年行われる社員旅行(部署の壁を越えたグループで、   二年に一度は海外へ) こうした仕組みに加えて、 わたし(木下)は、 同社への数十回の訪問と塚越さんのインタビューを重ねる中で、 とくに感じていることがあります。 それは、 塚越さんがすべての社員一人ひとりに寄せる 愛情の眼差しと、期待の込めたお声かけです。 「いま言ったことはヒントだよ。 改善すればさらに良くなるからね。」 「お客さまからこんなお誉めの言葉をいただいたよ」 「もっと良くできるはずだよ。期待しているからね」 社員に、ときにはわたしにまでも、 言われるのを、何度目にしたかしれません。 上記の節を締めくくる、以下の文章は、 経営者としてのご自身に向ける きびしい眼差しです。 「経営者が毎回違うことを言ったり、 理想を語るばかりで自分が実践しなかったりしていては、 社員はついてきてくれません。 経営者自身の行動が伴っていて初めて、 理念は社員の心を動かし、 その行動をも変えることができるのだと思います。」 **************** では、 高野登さんが人生のたいせつな20年間を、 「世界一のホテルになる」ことをイメージして働いた リッツ・カールトンでは、 「社員の成長と幸せ」のために、 どんな仕組みをつくっているのでしょう? 高野さんのご著書 『リッツ・カールトン 至高のホスピタリティ』 (KADOKAWA、2013年)を読んでみました。 この本の冒頭、プロローグで、 高野さんは、 「本物のおもてなし、一流のおもてなしを 身につけたいと願うのなら」と問いかけて、 こう記されています。 「スタッフ一人ひとりが、 おもてなしとは何であるのかを日々考え、 生き方・働き方をとおして、 人として成長しようとし続けて」いること。 「サービスを磨く以前に、 まず己を磨かなければなりません。 結果的にそれが、 人と自分の幸せにもつながっていくのです。」 リッツ・カールトンで、 ことさら大事にされてきたのは、 「オリエンテーション」と呼ばれる、 毎日のシフトの時間が始まる前に仕事仲間と行う 話し合いの場です。 「自分たちのビジョン、価値観、 つまり夢を共有する時間」です。 夢を共有する時間 すてきな言葉ですね。 高野さんは、 リッツ・カールトンの夢は「世界一」と 明言されています。 そして、 そのためのモットーを紹介されています。 このモットーを掲載して、 このメルマガの連載を、 ひとまず締めくくりとさせていただきます。 **************** モットー 「私どものホテルにいらっしゃるお客様は 紳士・淑女です。 そのお客様をおもてなしする私たちも 紳士・淑女でなればなりません。」 高野さんは、 紳士・淑女=レディース&ジェントルメンは、 「ここが召使い(サーバント)との 違いです」と書かれています。 では、高野さん、 「紳士・淑女」とはどんな人ですか? 「レディース&ジェントルメンは、 もっとも卓越したものを大事にする人たち のことです。 社員である自分たちも仕事に誇りを持ち 最高のものを追求し続けることを通して レディース&ジェントルメンでありたいという 宣誓文なのです。」 リッツ・カールトンには、 「すべてのスタッフに認められている 「エンパワーメント』と呼ばれる 「世界一クオリティの高いサービスが提供できる、 つまり、自分たちの夢を実現する 「「投資」としての2,000ドル(20数万円)の決裁権」も 紹介されています。 くわしいことは、 『リッツ・カールトン 至高のホスピタリティ』を お読みくださいね。 **************** 6回にわたって 「リッツ・カールトンと伊那食品工業。 「社員の成長」の意味を高野登さんに学ぶ。」 を連載してきました。 優れた企業に共通する 一貫した理念と「社員の成長と幸せ」への考え方、 それを養う仕組みを見てきました。 みなさんのお仕事、会社に、 活かせることはあれば、 さいわいです。 **************** 文屋が主宰する 「末広がりの年輪経営プロジェクト」では今後、 「場」を磨いて、be(あり方)を高めることを たいせつなテーマとして、 オンラインセミナーとリアルセミナーを融合させた 「年輪経営伊那セミナー」 「年輪経営小布施セミナー」などを、 開催して参ります。 その第一弾として、 高野登さん(リッツ・カールトン元日本支社長、 人とホスピタリティの研究所代表)が、 『映像本いい会社をつくりましょう』の 映像を観ながら、独自の視点で解説する オンラインスクールを、 7月1日に開講いたします。 スクールの名称は 「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」です。 この連載を通して、 高野さんにこのオンラインスクールの講師を おつとめいただく理由(高野さんしかいない!)を、 あらためて、 確かめることができました。 みなさん、募集の開始をお楽しみにお待ちください。 **************** 「経営の目的は、社員の幸せな理想郷づくり」の 信念を貫いて62年にわたり、 増収・増益・増員の実績を築いてこられた 塚越寛さんの音声データを、お手元に保管して、 繰り返しご聴講ください。 塚越さんの 「社員が幸せないい会社づくりは、平和で明るい、 いい世界づくりにつながる」のメッセージは、 これからの暮らしに、働きに、 きっとすてきな生き甲斐と働き甲斐を もたらすことでしょう。 音声ダウンロード 「2019年1月20日塚越寛氏“奇跡”の講演会」 定価:3,300円(税込)ですが・・・ ★新型コロナウイルスの世界的大流行で たいへんな時期ですので、当面の間、 特別価格2,200円(税込)にて ご提供いたします。 「2019年1月20日塚越寛氏“奇跡”の講演会」 音声ダウンロードはこちらからどうぞ: https://www.e-denen.net/index.php/books?_id=42 ではみなさん、お健やかに、 初夏の佳き日々を楽しみましょう。 どうぞよろしくお願いいたします。 文屋 木下 豊より 【写真説明】http://www.e-denen.net/index.php/mailmag? オンラインスクール 「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」の 初回収録の日に、 高野登さん(右)とわたしです。 撮影は、映像ディレクターの藤井明菜さんです。 ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ このメールマガジン(美日常の文屋だより)は、 百年本の文屋代表、小布施人、農士、 「美日常」提唱者として、 ものごとの原点(本来あるべき姿)を 考えつづける筆者が、 日々、交流の場を綾なしながら、 みなさまの人生とビジネスのお役に立つこと を目的に、お届けしております。 ★文屋・木下豊について http://www.e-denen.net/index.php/about_rinen http://www.e-denen.net/index.php/about_kino ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ★プレム・ラワットさんの「心の平和」のメッセージを、 これから100年の未来を生きる、 無限の可能性を秘めた子どもたちに贈りたい! 寄付本プロジェクトにご一緒しませんか?★ ラワットさんのこのご著書を、 より多くのみなさんにお伝えしていきましょう! 新刊と寄付本プロジェクトの詳細はこちら → http://premrawat.shop-pro.jp/?pid=148653715 ********************* 小布施牧場の しぼりたてジャージー牛乳を使った ジェラートとモッツァレラチーズの工房&カフェ milgreen(ミルグリーン) https://obusedairyfarm.co.jp/milgreen/ ************************ 2019年1月20日に八重洲ブックセンターで開いた かんてんぱぱ・伊那食品工業株式会社会長 塚越寛さんの講演音声データ。 語り手と聞き手の意識が高いレベルで一体になった 「奇跡の講演会」の90分間の全容を、 ぜひお手元で何回も聞いてお役立てください。 http://www.e-denen.net/index.php/movies?_id=42 ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ◎わたしのこころの師匠・戸村和男先生  富士和教会の公式サイト:http://fujiwa-k.com/ 師匠のお弟子さん・井内由佳さんのご著書 『もっと美しく、もっと幸せに ~リッチに輝いて愛される33の理由』 (廣済堂出版。2018年)より 【第3章 しあわせは素肌にあらわれる】 派手な格好も、華美なメイクも、 人に迷惑をかけなければ問題ありません。 それを批判することのほうが よくないことです。 ★井内由佳さんの公式サイト:http://yuka-i.com ★井内由佳さんが社長をつとめる 株式会社フィールド オブ ドリームスの公式サイト: 命を受けました。 https://youtu.be/owcmZ4ymmS0 ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ◎わたしのイチオシ。斉藤一人さんの「覚悟の話」 goo.gl/hJbwWd ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎

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