━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (きょうのテーマ) 「百年本」の発想の源は、 「良樹細根」(りょうじゅさいこん)の経営 鍵山 秀三郎・塚越 寛 著 『幸福への原点回帰』 その2 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ********************** ★鍵山掃除道との出会い★ ********************** きのうのメルマガにて、 わたしが仲間とつづけている 「小布施掃除に学ぶ会」と、 文屋が2007年(平成19年)12月に出版した、 鍵山秀三郎さんと、 塚越寛さんの共著 『幸福への原点回帰』の つながりについて書きました。 この出版より2年ほど前の 2005年(平成17年)春、 「小布施掃除に学ぶ会」は誕生しました。 この会は、 株式会社イエローハットの創業者 鍵山秀三郎さんの掃除道に学ぼうと、 全国の有志が集ってつくった 「日本を美しくする会」 というNPO法人に加盟しています。 鍵山さんの掃除道を学び、普及する 「NPO法人日本を美しくする会」 (田中義人会長)のご指導のもと、 「トイレ掃除は心磨き」 「毎日の掃除を暮らしの文化に」 をモットーに、活動しております。 月例会は原則として、 毎月第2日曜日朝に開いています。 また、 長野県内の中学校で教える 先生方を中心にした 掃除に学ぶ会である 「長野便教会」(太田智明代表)と 連携して、 全県下の学校現場に出向いての トイレ掃除にも参加しております。 ※「便教会」: 「便」所掃除に学ぶ「教」師の会 ********************** ★鍵山さんと塚越さんの対話による「経営書」を★ ********************** 『幸福への原点回帰』の制作は、 2006年春に始まり、 翌年12月に仕上がりました。 ですから本書は、 わたしたち小布施掃除学ぶ会の 草創期に、 編集が行われたことになります。 これに先立って文屋は、 2004年(平成16年)7月に、 伊那食品工業株式会社 代表取締役会長 塚越寛さんの 最初のご著書 『いい会社をつくりましょう』を 出版していました。 (現在は、『新訂版』) 鍵山さんと塚越さん 業種も規模も拠点も異なる お二人の経営に共通するものが、 「掃除」です。 毎日、みんなで、 掃除を、 つづける。 働く環境を 徹底してきれいにすることで、 良い社風を保ち、 経営の土台を養っていく。 この共通点に気づいたわたしは、 お二人に、 「共著」の出版をご提案し、 ご快諾をいただくことができました。 わたしからは二つの方針を、 ご提案しました。 一つは、「お掃除本」にしないこと。 テーマは終始、 「経営のあり方」であり、 経営書・ビジネス書として 世に問うことにこだわりました。 二つ目は、 ご執筆いただくのではなく、 お二人の対談を軸につくること。 司会は、 「日本を美しくする会」の 「伊東掃除に学ぶ会」 代表世話人 白鳥宏明さんにお願いしました。 また、 「人と情報の研究所」代表 北村三郎さんには、 企画から編集、広報までの一貫して、 プロデューサーを お引き受けいただきました。 収録と音声からの文字起こし、 編集の工程は、 長年の仕事のパートナーである 中島敏子さんが、 担当してくれました。 こうして始まった 『幸福への原点回帰』の ためのお二人の対談は、 通算3回、 合わせて15時間に及びました。 いま振り返って、 激務を極めるお二人が、 よく、これほどの長時間を、 この本のために、 下さったものだと、 感謝の気持ちが、 あらためて湧いてきます。 ********************** ★「良樹細根」の経営★ ********************** 塚越さんとの対話の冒頭、 鍵山さんは、 ご自身の座右の銘について、 語られました。 ********** 私の座右の銘は「良樹細根」です。 塚越さんの会社と私どもは、 業種・業態など、 相違点のほうが共通点よりも はるかに多いといえます。 しかし会社を支える根の部分には、 相通ずるものがあります。 目に見える共通項の筆頭は 「掃除」です。 人としてあたりまえに行うべき掃除は、 誰にでも今すぐにできる ?凡事〞であり、 木にたとえるなら細やかな根です。 両社とも、 細い根を張りめぐらすように、 長年にわたって 掃除を続けてまいりました。 ********** 「良樹細根」 漢字をそのまま読みほぐすと、 「良い木は細かい根を張っている」 となります。 鍵山さんは「根」とは「社風」です、 と断言され、 その意味を、 つぎのように語られました。 ************ 塚越さんは 「会社の目的は社員の幸福な理想郷づくり」 と断言され、 見事に実践、実証しておられます。 私も創業当初から、 売上や利益は結果であって、 会社の目的ではないと考えてきました。 売上も利益も大事です。 経済性を抜きにして、 会社を存続させることはできません。 しかし何よりも大事なことは、 社員の人間性と会社の社会性です。 一言で申せば、 会社の風土、 つまり社風のいい会社をつくりたいと 考えてきました。 私の座右の銘 「良樹細根」の「根」とは、 社風のことを意味します。 ************ 鍵山さんは別の本で、 「良樹細根」の意味を、 つぎのように書いていらっしゃいます。 ************ 「根深ければ、葉繁し」と申します。 根が細かく深く張っている木の葉は、 みごとに生い茂っております。 同様に樹は、 広く深く細かく根を張っていなければ、 大樹に育ちません。 教育も事業も同じ。 すぐに役立つことばかりをしていますと、 根がおろそかになります。 何事も、 最初に手をつけるべきはいつも根で、 葉は後なのです。 (以上、改行は木下) ************ 文屋の「百年本」の考え方は、 鍵山さんと塚越さんの対話を聴く中から、 生まれてきたように思います。 終始和やかな対話が交わされた中で、 お二人がそれぞれ一度だけ、 胸を詰まらせて、 お話の途切れる場面がありました。 そのことは、 次回に書かせていただきます。 ・・・そして生まれた本が、 『幸福への原点回帰』でした。 http://www.e-denen.net/index.php/books?_id=18 (つづく) ★訂正とお詫び★ きのうの「文屋だより」にて、 小布施掃除に学ぶ会が 新成人といっしょに行う お掃除の日程を、 間違って書きました。 正しくは、次の通りです。 1月9日(土)朝6時から8時30分、 小布施町北斎ホールのトイレ (成人式は翌10日(日)です)。 http://obuse-souji.com/ ********************* ★きょうの気づき★ ◆ 自分たちが使う会場のトイレを 掃除する。 考えていれば「当たり前のこと」に、 自然に取りかかれることの 「すてきさ」。 ◆ 「良樹細根」の根は、風土。 風土(土地、会社、家庭、人)を 変えるのは、 簡単ではない。 けれど、 「小さなことを積み重ねる」 だけで、「事は成ってゆく」 のかもしれない。 **********************