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文屋だより

メールマガジン「文屋だより」は、
百年本の文屋代表、小布施人、農士、「美日常」提唱者として、
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Vol.747 教育の「読みきかせ」から共育の「読みかたり」へ

2020年02月06日

みなさん、こんにちは。お元気ですか?

立春を経て、日本はいよいよ末広がりの春を迎えますね。

信州小布施の里、まだ寒気が清々しい日々ですが、
陽光は確かに暖かさを増しています。

しばらくメルマガ「美日常の文屋だより」を
お休みしておりました。再開いたします。

ひきつづき、よろしくお願いいたします。

みなさん、
いつもこのメールマガジンをお受け取りいただき、
ありがとうございます。

◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎
信州小布施 美日常の文屋だより vol.747
和合と感謝
百年本を世界へ未来へ。
◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎

【きょうのテーマ】
教育の「読みきかせ」から共育の「読みかたり」へ
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★「子どもだけの絵本ではない。
大人こそじっくり味わえる絵本だ。
私もこんな人間になりたい。」★
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文屋は昨年秋に、
絵本『おじいちゃんのまきストーブ』を出版しました。

この絵本の作者 沢森りささん(本名 細川たかみさん)の
ご主人で言語学者の細川英雄さん(早稲田大学名誉教授)が、

お知り合いの汐見稔幸(しおみとしゆき)先生を
ご紹介くださいました。

汐見先生の簡単なプロフィールです。

「教育学者。日本保育学会会長。東京大学名誉教授。
八ヶ岳南麓「ぐうたら村」村長。

専門は、教育人間学、幼児教育、育児学。

ご著書は『「天才」は学校で育たない』(ポプラ新書)
『人生を豊かにする学び方』(ちくまプリマ新書)
など多数。」

汐見先生はこの絵本に、
推薦のメッセージをお寄せくださいました。

(ここから)
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この本を読むまで、

ストーブは、

そこでじっと炎の動きを見ていることで
人間の気持ちをじっくりと落ち着かせてくれる、
人間が発見した貴重な便利ツールだと思っていた。

しかし、ちがった。

ストーブの火を本当に楽しめる人は、
社会で身にまとった心のおごりを少しずつ捨て、

自然と一体になることや、
生活を手作りすることを楽しもうとして
生きている人なんだ、と教えられた。

子どもだけの絵本ではない。

大人こそじっくり味わえる絵本だ。

私もこんな人間になりたい。

こだわっているのは薪。

現代社会の環境問題等は、
有限な資源を人間が地球から収奪していることから
来ているのだが、

この絵本は再生可能な資源である樹木に注目させてくれる。

再生可能な範囲で人工世界を創る、
それが人間の知恵であり喜びだというメッセージが
作者から伝わってくる。

身の丈に合った人間の幸せを考えたいという人に
ぴったりの本だ。

孫といっしょに読みたい。

************
(ここまで)

汐見先生、ありがとうございます。

「子どもだけの絵本ではない。
大人こそじっくり味わえる絵本だ。
私もこんな人間になりたい。」

「身の丈に合った人間の幸せを考えたいという人に
ぴったりの本だ。
孫といっしょに読みたい。」

こうしたご感想、推薦のメッセージをいただけたことに、
編集者としても、静かな喜びを感じています。

*******************
★「読み聞きかせ」という日本語
           への違和感★
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この絵本を編集していたある日、
汐見先生をご紹介くださった細川英雄さんから、
お便りをいただきました。

そのタイトルは、
「読みかたり」と言う教育観。

著名な教育学者の大田堯(たかし)さん(故人)が、
家庭教育誌『ないおん』に寄せた文章です。

わたしが「読み聞かせ」という言葉に初めて接したのは、
10数年前のことです。

親や先生が子どもに聞くことを強いるような、
上から目線の気分が漂っていると
わたしは、感じていました。

そんな違和感に、
大田さんの「読みかたり」についての文章が、
しっくりと答えてくれました。

(ここから)
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「読みかたり」と言う教育観

「いらっしゃい、よく来てくれました。」
「ありがとう、また来てね。」

 これは私も関係してきた「ほんごう子ども図書館」
(広島県三原市)のボランティアスタッフの、
来館した子どもたちへの「あいさつ」だ。

駅前の小さなログハウス、机らしいものはなく、
絨毯(じゅうたん)を敷いた空間に、

子どもたちはめいめいの居場所を
自分たちで適当につくっている。

母親と一緒の幼い子もいる。

 ここではお話会のほか、
紙芝居の会などもしばし持たれ、
いわゆる「読みきかせ」という言葉にかわって、

「読みかたり」という言葉が使われる。

この図書館は十五年ほど前の創設だが、
そこで私が「読みきかせ」と口にしたら、

スタッフの一人から、
「ここでは『読みかたり』といいます」と訂正された。

 東京に帰って、
柳田國男先生の「昔の国語教育」の中で、

実は「かたり」の本意は「かかわる」ことだという
文章に出会う。

それによると、
子どもたちが仲間の遊びに入りたいとき、
地方によって「かたらせて」という例があげられていた。

柳田には、子どもの言葉や遊びの中には、
大人がすでに使わなくなった言葉や所作を
残してくれているという。

習俗研究の体験から得たらしい形跡がある。

「かたり」が「かかわり」を本意とする観点からしても、
私は「読みきかせ」という使役を意味する言葉より、

「読みかたり」の方が、
よほど子どもの人格を大切にする育児思想に
つながっていくように思っている。

このことは、日本人の教育という仕事の意味が、
とかく、上の者が下の者に与えるもの、
と思い込んでいることに対して、

少なくとも互いに弱い人間として、
対等平等なかかわりとしての教育へと、

私たちの教育観を根底から変えていくことに
つながるのではないかと、考えるからである。

 手元にある西暦一〇〇年、
つまり二〇〇〇年前にできたとされる
『説文解字』という中国の辞典で「教」の字をみる。

そこではごく簡潔に、
上の者が下の者に与えるもの、
下の者が上の者から与えられるものという解説がある。

まさに上意下達、上から下の者に同化を求める、
という意味である。

つまり私たちの教育の通念は、
今日なお二〇〇〇年前の東アジアの文化の影響下、

私自身にもある「社会的遺伝」にもとづくものかと
思わされてしまう。

「読みきかせ」を「読みかたり」にかえれば、
ということではない。

現在でも、学校では、子どもたちに対して、
「させる」「させる」の連発だ。

ちなみに英語のエデュケーションは
市民革命後に普及した新語で、
語源はその人の持ち味を「引き出す」である。

平生からいいなれた教育という言葉の意味内容を、
上下関係から解放して、

せめて共育、共学の言葉、気風、
平な人間関係にかえていく努力を、
意識的に進めたいものだ。

(『ないおん』より)
****************
(ここまで)

上意下達、上から下の者に同化から、
平等対等、共に学び、ともに育つへ。

教育の「読みきかせ」から、
共育の「読みかたり」へ

出版社から共育会社への脱皮を目指す文屋にとっても、
大田堯さんのこのメッセージを、
ずっと大切にして、生かしていきたいと思います。

絵本『おじいちゃんのまきストーブ』は、
アッと驚くような展開は何もないけれど、
美しい暮らしのお話です。

絵本『おじいちゃんのまきストーブ』

文屋からのお求めは:
https://www.e-denen.net/index.php/books?_id=44

Amazon:
https://www.amazon.co.jp/dp/4861138639

全国の書店、図書館でも、
ご予約、リクエストができます。

ではみなさん、
佳き早春の日々をお健やかにおすごしください。

木下 豊より

【写真説明】​http://www.e-denen.net/index.php/mailmag​?

絵本『おじいちゃんのまきストーブ』表紙

教育研究者 大田堯さん(映画『かすかな光へ』より)
https://youtu.be/1dJiaJlM9n8

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百年本の文屋代表、小布施人、農士、
「美日常」提唱者として、

ものごとの原点(本来あるべき姿)を
考えつづける筆者が、
日々、交流の場を綾なしながら、
みなさまの人生とビジネスのお役に立つこと
を目的に、お届けしております。

★文屋・木下豊について
http://www.e-denen.net/index.php/about_rinen
http://www.e-denen.net/index.php/about_kino

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2019年1月20日に八重洲ブックセンターで開いた
かんてんぱぱ・伊那食品工業株式会社会長
塚越寛さんの講演音声データ。

語り手と聞き手の意識が高いレベルで一体になった
「奇跡の講演会」の90分間の全容を、
ぜひお手元で何回も聞いてお役立てください。
http://www.e-denen.net/index.php/movies?_id=42

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◎わたしのこころの師匠・戸村和男先生
 富士和教会の公式サイト:http://fujiwa-k.com/

師匠のお弟子さん・井内由佳さんのご著書

『もっと美しく、もっと幸せに
~リッチに輝いて愛される33の理由』
(廣済堂出版。2018年)より

【第2章 こころと身体をしあわせにする食事】

人は、生まれる前から水と共に生きています。

水に感謝し、
飲み水、身体に使う水を厳選することは、
神さまの愛に応えることです。


★井内由佳さんの公式サイト:http://yuka-i.com

★井内由佳さんが社長をつとめる
株式会社フィールド オブ ドリームスの公式サイト:
https://f-o-dreams.com/

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◎文屋では、平和の大使プレム・ラワットさんの
集大成となるご著書を、世界出版するため、
制作中です! 日本語版は5月に出版する予定です。

テーマは、「呼吸としあわせ」です。
お楽しみに。

◎ラワットさんの講演動画

2011年、欧州議会にて「平和と幸福の実現」をテーマに講演。
講演後に提案された「平和の誓約書」に
37の政府、団体の代表が署名。

「歴史的な講演」と評価され、
「平和の大使」の任命を受けました。
https://youtu.be/owcmZ4ymmS0

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◎わたしのイチオシ。斉藤一人さんの「覚悟の話」
goo.gl/hJbwWd
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