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2021年08月31日

Vol.886 子どもも外国人も楽しめる 美しい大人たちの絵本 『ちよにやちよに』そうだったのか!君が代!その6

みなさん、こんにちは。お元気ですか? 信州小布施の里 おだやかな初秋の空です。 きのうから、 朝夕の気温がぐっと下がってきました。 さっそく本日のテーマをお伝えいたします。 いよいよ「君が代」の最後のフレーズ 「苔(こけ)のむすまで」についてです。 【本日のテーマ】 子どもも外国人も読める美しい大人たちの絵本 『ちよにやちよに』そうだったのか!君が代! その6 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ **************** 「苔のむすまで」は、奇跡✕時間? **************** 文屋が7月に出版した書物 『ちよにやちよに』は、 大勢のみなさまのご賛同と共感、 ご支持をいただいております。 前号までに、 1.「君が代」の「君」 2.「千代に八千代に」 3. 「さざれ石のいわおとなりて」 の意味をご紹介しました。 きょうは、 「苔のむすまで」について、 ご紹介しますね。 この点について、 ご著者の白駒妃登美さんは、 本書のあとがきで、 次のように解説しています。 「さざれ石のいわおとなりて」の 解説からつづけます。 (引用、ここから) **************** 「さざれ石」は小さい石、 「いはほ(いわお)」は「大きな岩」のこと。 永い年月の間に石灰岩に雨水が浸透していき、 ミネラルが溶けだして周りにある小石とくっつき、 大きな岩となる現象を 「さざれ石のいはほとなりて」で 表しているのでしょう。 自然界のあらゆる所に神さまが宿ると考えてきた 私たちの祖先は、石にも神霊(しんれい)が宿り、 時間をかけて成長していくものだと信じてきたのですね。 「こけのむす」は、 「苔こけが生は える」という意味。 石が成長して岩となり、 その表面に苔が生えるまでというのは、 永い永い年月のたとえであり、同時に、 愛の深さを表しているのでしょう。 全体を訳すと、こうなります。 「あなたの命(あなたさまの御代(みよ))が、 いつまでも、いつまでも、永く続きますように…。 たとえば小さい石が、 永い時間をかけて大きな岩に成長し、 その上にたくさんの苔が生えるようになるまでね」 **************** (引用、ここまで) 「苔のむす」の「むす」の漢字は、 「生(は)える」意味ですから「生す」が 当てられます。 「むす」の音の漢字は、「生す」のほかに、 「蒸す」「産す」「結す」がありますね。 結ばれて産して生まれる。 むすは、 そうして生まれた「むすこ」「むすめ」にも 通じます。 小さな石が大きな岩になる「奇跡」。 その岩の上に、 微生物や鳥の糞や風に乗ってきた種などの作用で 土ができ、 その土の上に、苔の種がたどりついて、 やがて苔がむしていく。 まさに、 奇跡の連続に長い長い時間がかけ合わさった成果が、 「さざれ石のいわおとなりて 苔のむすまで」なのですね。 **************** 自然を畏(おそ)れ 自然に習い 自然に生かされる生き方 **************** 白駒さんが書かれているように、 「君が代」は、 「あなたの命(あなたさまの御代(みよ))が、 いつまでも、いつまでも、永く続きますように」 との願い、祈りが込められています。 それほどにたいせつな人の命と幸せを、 石や岩や苔のありように例える。 これは、 山川草木(さんせんそうもく)のすべてに、 八百万(やおよろず)の神さまが宿ると感じる、 日本人が原初のころから抱きつづけてきた 自然観がいきづいています。 すべてのものに霊魂、精霊が宿ると考える アニミズムの考え方でもあります。 自然の摂理こそ「神の摂理」と考えて、 自然を畏(おそ)れ 自然に習い 自然に生かされる生き方は、 経営の世界のあるべき姿を自然に求める 塚越寛さん(伊那食品工業最高顧問)が提唱し、 実証されている「自然体経営」にもつながっています。 そこまで発想を広げて上であらためて、 この歌詞を見つめてみます。 この和歌の作者は、 苔を生みだす石の丸いかたまり(いわお)を、 胎児を育む子宮に見立てたのではないか? イメージがたくましすぎるでしょうか? 次号では、 「母ごころ」をテーマにした、 ある読者さまのご感想を紹介させていただきます。 とても読みごたえのある、味わい深い文章です。 お楽しみに! *********** 子どもたちは幼稚園や学校で、 はじめて国歌「君が代」を覚えます。 詠み人知らず(作者不明)のラブレターを、 先人たちが千年以上にわたって 愛唱しつづけてきたこと。 この歌の本来の意味を、 先生方にも子どもたちにも、 伝えていきたいと思います。 文屋ではいま、 絵本『ちよにやちよに』を、 全国・世界の子どもたちに贈る 「寄付本プロジェクト」を実施中です。 おかげさまで、 福島県内の小学校と公共図書館、 全国の児童養護施設、 そして小児医療の病院に贈る 第一次目標の250万円・1,250冊分を 達成いたしました。 応援してくださっているみなさん、 ありがとうございます。 第二次目標は、 世界各国の駐日の外国公館約230館と、 世界中の日本人学校役100校に、 数冊ずつ贈ることです。 金額は250万円、1,250冊です。 みなさまのご理解とご参画をお待ちしております。 ↓ https://www.e-denen.net/cms_kifubon.php **************** ではみなさん、お健やかに、 初秋の佳き日々を楽しみましょう。 どうぞよろしくお願いいたします。 文屋 木下 豊より 【写真説明】https://www.e-denen.net/cms_mailmag.php?_id=876 出雲大社にまつられているさざれ石 中ほどにうっすらと、苔がむしています 白駒さんがこの絵本に込めた想いを、 わかりやすく語る映像が出来上がりました。 どうぞご覧ください。↓ 以下の「寄付本プロジェクト」のページ中ほどの 「ご挨拶動画」です。 文屋へのご注文もこちらからどうぞ! https://www.e-denen.net/cms_kifubon.php Amazonでもお求めいただくことができます。 https://amzn.to/2UYJJBs 中西進先生は、この御方です: https://www.youtube.com/watch?v=D4h2vaLcCEU ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ★文屋・木下豊について https://www.e-denen.net/cms_about.php

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