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文屋だより

Vol.869 あす9日発売!「令和」を考案した中西進先生が白駒さんの『ちよにやちよに』に寄せた推薦文の真の想いは? その3(ひとまず最終回)

2021年07月08日

みなさん、こんにちは。お元気ですか?

信州小布施の里、
きょうは梅雨の晴れ間、
吹き渡る風がさわやかです。

特産の小布施栗のわが家の栗園では、
栗のイガはまだ、ピンポン球より小さくて、
緑色のトゲは柔らかです。

さっそく本日のテーマをお伝えいたします。

【本日のテーマ】

「令和」を考案した中西進先生が
白駒さんの『ちよにやちよに』に寄せた
推薦文の真の想いは? その3(ひとまず最終回)

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1.知識 2.寛容さ 3.志
3つの欠如を自戒しつつ歩みを進めます

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文屋はあす7月9日(金)、
『君が代』をテーマにした絵本
『ちよにやちよに』を全国発売いたします。

副題は、
「愛のうたきみがよの旅」です。

本の要旨は、次の3点です。

1.この歌の元になる歌は、
いまから1100年以上前につくられた和歌です。

2.その和歌は、

ある人物が心から愛する相手へ、
「いつまでも長く生き続けてほしい」と
詠(よ)んだラブレターでした。

3.この和歌が、この国の人びとに愛され、
千年以上にわたって歌いつがれてきました。

そしてその結果として、

『君が代』は、
世界一永い歴史を持つ、
世界一短い国歌になっています。


前号までに、
この絵本に推薦文をお寄せくださった
国文学者の中西進先生の「想い」を、
ご紹介いたしました。


中西先生からは、
万年筆でお手紙も添えられていました。

そこには、
「御本 有益な役割で大賛成です」と
記されていました。

わたしと、
白駒さんをはじめ制作チームのみなさんが、
先生からの推薦文とお手紙に、

どれほど勇気づけられたか、

そして、

本書を世に出す意義に確信を持つことができたか、
その影響力は計り知れません。


ご著者の白駒妃登美(しらこま・ひとみ)さんは、
文屋のわたしと出会う前に、
2つの版元から、この絵本の出版を断られています。

文屋での本づくりは、
「三度目の正直」ということになります。

そしてその文屋も、
大手取次会社(本の問屋)を通した全国の書店への
通常の流通ルートを、断たれております。

こうしたいきさつの中で、
中西進先生のご教示もいただき、

「地頭(じあたま)」を使って思いを巡らし、
白駒さんをはじめ制作チームのお仲間と、
何回も意見交換を重ねました。

その結果、わたしがたどり着いた、
いまの結論を、以下に記します。

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背景の分析(木下の見解)

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知識、寛容さ、志。この3つの欠如が、
本書の出版と取り扱いを拒む人たちに共通する
課題であると考えます。

1) 知識の欠如

本書に否定的な方の多くは、

「君が代」の歌の本来の意味、
千年以上にわたり先人たちに愛唱されてきた歴史を知らず、
さらに知ろうともしない、というのが現状です。

2) 寛容さの欠如

歌の本来の意味や歴史を知ってもなお、
「君が代」について否定的な考えを持つ人は、
出版業界、特に児童書を扱う人々に数多く存在します。

彼らは、「この歌で若者たちを戦場に送り出した」、
その責任の一端は自分たち出版業界にあると、深く反省し、
二度と過ちを繰り返したくないという思いが強いのです。

わたし自身は、
立憲主義(憲法の目的は、国家権力の制限して、
国民の人権を保障すること)を前提に、

積極的非暴力平和主義を追求する
日本国憲法の前文と平和規定を守り、
世界中に普及していく方針をもっております。

ですから、
戦争への反省を踏まえた彼らの想いに、
一定の理解はできます。

彼らが本質から外れているのは、
国歌として利用されたに過ぎない「君が代」を、
憎んでいることです。

歌に罪はありません。

そして、

戦争や軍国主義のイメージがついたのは、
この歌の千年を超える歴史の中の、
ほんの百年ほどのことにすぎません。

にもかかわらず、
この歌を許せない、敬遠したいというのは、
寛容さの欠如です。

寛容さの欠如は、
柔軟さの欠如をもたらします。

知識を得たら(知ったら)、
考え方をあらためればいいのです。

3) 志の欠如

知識と寛容さも持ちながら、
それでも本書の出版に否定的になるのは、
志が欠如しているからではないでしょうか。

批判、炎上の可能性が怖いのはわかります。

しかしそうした「生きづらい」社会を
改善していくことは、
「言論の自由」を追求する出版人、書店人の役割です。

短期的な売り上げや評判を上げることは大切です。

しかし、
すこしだけ「遠きをはかる」気持ちになれば、
決断できることなのです。

どんな仕事であったとしても
(出版人でも教師でも学者でも政治家でも)、

公(おおやけ。世界の未来。人類の幸福と平和)に開いた、
志を持つべきだと考えます。

公に開くことなく、
いつまで、
私(わたくし)に閉じているのでしょう?

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文屋の決意

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1) この出版企画は、
「君が代の本来の意味や歴史」を伝えることです。

君が代を、

特定の地位の人物だけを称揚する手段として礼賛したり、
国歌と戦争の歴史を結びつけることで否定したりする人たちが

大きな声を上げている、
現在の日本社会を変革することが目的です。

2)この出版企画の趣旨に賛同する人は、

政治的な立場や信条の違いを超えて
(右系、左系を問わず)、
相当数、いらっしゃると確信しております。

3)こうした良識あるみなさまのご理解とご支援をいただいて、
一定数の実売数
(具体的には発売から3か月で1万冊以上)を

記録することを目指しております。

その過程で「炎上はなかった」あるいは
「炎上してもさらに多くの支持者を得ている」実績を
示すことができれば、

本書を取り扱う書店が徐々に増えていくのではないかと、
想像し、期待しております。

4)君が代に対するアレルギー反応は、
児童書を扱う人々において、
より顕著であるという印象を持っています。

本書は、絵本という形態をとっていますが、
児童書として刊行するわけではありません。

「児童でも理解できる一般書」という認識で
制作いたしました。

本書を扱ってくださる書店さまにも、
そのことをご理解いただき、
販売にご協力いただけましたら、有り難く存じます。

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子どもたちは幼稚園や学校で、
はじめて国歌「君が代」を覚えます。

詠み人知らず(作者不明)のラブレターを、
先人たちが千年以上にわたって
愛唱しつづけてきたこと。

この歌の本来の意味を、
先生方にも子どもたちにも、
伝えていきたいと思います。


文屋ではいま、
絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』を、
福島県内の小学校と公共図書館、
全国の児童養護施設、

そして小児医療の病院に贈る
寄付本プロジェクトを展開中です。

おかげさまで先日、
第一次目標の250万円・1,250冊分を
達成いたしました。

応援してくださっているみなさん、
ありがとうございます。

第二次目標は、
世界各国の駐日の外国公館約230館と、
世界中の日本人学校役100校に贈ることです。

金額は370万円、1,850冊です。

みなさまのご理解とご参画をお待ちしております。

https://www.e-denen.net/cms_kifubon.php

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ではみなさん、お健やかに、
夏の佳き日々を楽しみましょう。

どうぞよろしくお願いいたします。

文屋 木下 豊より


【写真説明】https://www.e-denen.net/cms_mailmag.php?_id=859

『ちよにやちよに』の表紙

中西進先生と木下(2012年頃「中西人間塾」にて)


白駒さんがこの絵本に込めた想いを、
わかりやすく語る映像が出来上がりました。
どうぞご覧ください。↓

以下のページ中ほどの「ご挨拶動画」です。
https://www.e-denen.net/cms_kifubon.php

本書は、
書店「読書のすすめ」さん:
https://dokusume.shop-pro.jp/?pid=160654708 や、
Amazonでもお求めいただくことができます。

中西進先生は、この御方です:
https://www.youtube.com/watch?v=D4h2vaLcCEU

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★文屋・木下豊について
https://www.e-denen.net/cms_about.php

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