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文屋だより

メールマガジン「文屋だより」は、
百年本の文屋代表、小布施人、農士、「美日常」提唱者として、
ものごとの原点(本来あるべき姿)を考えつづける筆者が、日々、交流の場を綾なしながら、
みなさまの人生とビジネスのお役に立つことを目的に、お届けしております。

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Vol.800 「志」を実現し続けるという「野心」 

2020年06月10日

みなさん、こんにちは。お元気ですか?

きょうの信州小布施は、
真夏を思わせる陽気です。

夏の間、
わたしの畑や森での野良仕事の時間帯はおもに、
日中よりも清々しい早朝と夕方になります。

みなさん、
いつもこのメールマガジンをお受け取りいただき、
ありがとうございます。

◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎
信州小布施 美日常の文屋だより vol.800
和合と感謝
百年本を世界の未来へ。
◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎
【きょうのテーマ】
「志」を実現し続けるという「野心」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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★あっさりと見抜かれてしまう
      操作志向の公開的私閉の野心。
 では、
 「野心」は抱いてはいけないのでしょうか?★
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前号までに、

わたしが多くの深い学びをいただいている
多摩大学大学院 名誉教授
シンクタンク・ソフィアバンク 代表

田坂広志さんからの学びをもとに、
以下のポイントで書いてきました。

****************

○「野心」とは、

己一代で何かを成し遂げようとする
「願望」のこと。

○「志」とは、

己一代では成し遂げ得ぬほどの
素晴らしき何かを、
次の世代に託する「祈り」のこと。


この対置を踏まえたわたし(木下)の造語、
私閉(しへい)と公開をご紹介しました。

願い事が、わたしを利すること、
わたしの内側に向かっている状態を、
「私に閉じている」意味で、私閉。

願い事が、
公(おおやけ)に向かって開いていること、
わたしの内側から外側に向かっている状態を、

「公に開いている」意味で、公開。

私が、私に・・・ではなく、
私も、みんなも。

公に開いているからこそ、
私は公に共感を感じ、結果として、
多くのみなさんの共感を呼ぶことができる。

共感されることで、
同行者や導き手や支え手が現れて、
ものごとが佳き方向へと展開していく。


これを経営に当てはめると、

個人の志にあたる経営理念は、
公に開いているのでなければ、

その会社の商品やサービスが支持されることは
むずかしいということになります。


そして、公に開いた理念・志が、
うわべの操作、偽装ではなく、

心の底からにじみ出た、
真意の表れであってはじめて、

共感を呼び、商品・サービスは、
末永く支持され続けることができるのでは、
と考えました。

もとより、
理念は理想です。

その理想、目的、仰ぎ見る山頂は、
高ければ高いほど、いまの現実との落差、ギャップは、
大きくなります。

しかしそれでも、

理想である理念に向かって、
現実を変えていこうと進歩、成長を続けることで、
理念はおのずと実現していくのだと思います。

そのための継続は、
真意から出た理念でなければ、
(操作主義では)とうてい叶えられません。

相手(他者・公)を
「一人の人間」として敬意を持って見つめ、
その人の生き甲斐や働き甲斐、幸せを願う愛情。

こうした「真意による正対」に
裏打ちされた志、理念を、持ちたいものですね。


では、次なる問いです。

「野心」は抱いてはいけないのでしょうか?

以下に、
崇高な「志」を叶えるために、
強烈な「野心」を抱き続ける人物をご紹介しますね。

**********************
★「志」を実現し続けるという「野心」★
**********************


その人物とは、
かんてんぱぱ・伊那食品工業の最高顧問(前会長)の
塚越寛さんです。


2012年、文屋から、
『映像本いい会社をつくりましょう』が、
世に出ました。

大久保寛司さん(人と経営研究所所長)が、
塚越さんに問いかける、対話形式の動画(DVD2枚)と、
対話の活字を収録した書籍から成る「本」です。

ふだん、大久保さんは、
原稿やメモをいっさい用意されません。

熟慮の末にこころの奥底に蓄えられたお考え。

そこからにじみ出る、
きめ細やかなパウダーのような言の葉を発して、

その場の雰囲気をつくりながら、
臨機応変にお話を展開させ、
深い学びのヒントをもたらすのがモットーです。

その大久保さんが、

「初めて何か月も前から構成を考えて、
質問項目をメモして臨みました」と振り返られた、
まさに真剣勝負の100分間の対話です。

この本の「解説~インタビューを終えて」で、
大久保さんは、
あるエピソードを紹介されています。

その一部をご紹介します。

****************

初めて明かされた、たった一つの野心
 
先ほど、伊那フォーラムのときに、
塚越会長が社員の自慢話をなさったことを
お話ししました。

その講演の最後に、
一番印象的な場面がありました。

今もまだ鮮明に覚えています。

一〇〇〇人の会場で、
みんながしーんと静まり返りました。

それは何かと言うと、
会長が 「私にも野心があった」 と
おっしゃったんです。

「塚越会長に野心があったのか」と驚きました。
 

会長はこうおっしゃいました。

「社内でも社外でも、
いまだかつて一度も話したことがないことを、
今からお話しします。

私には野心がありました。

それは、
『社員をどれだけ大切にしても経営は成り立つ』
ということを、
この世で証明したかったということです」と。

「これが野心です」と言われました。
 
震えました。

「こんな経営者が世の中にいるのか」と。  

****************

大久保さんは、
「なぜそういう言葉が出たのでしょうか」と、
読む人に問いかけて、考察されています。

その内容はここでは省きます。

この一節の末尾を、さらにお読みください。

****************

多分、周りの方からは、
「そんなことでは、経営が成り立たんぞ」
ということを、言われつづけただろうと思います。
 
けれども、それを言われたからといって、
会長がそういう方向に
舵を切ったわけではありませんでした。

「それなら、どんなに社員を大事にしても経営が成り
立つことを証明しよう」と心に誓われたのです。

会長の一言を聞いて、
こんな野心が世の中にあったかと、
何分の一かの聴講者が泣いていました。

すごい人物だと思います。

その思いや人間性が、
伊那食品工業の経営の基盤にあるんですね

****************


もう一度、田坂広志さんの
「野心と志」の定義に戻りましょう。

○「野心」とは、

己一代で何かを成し遂げようとする
「願望」のこと。

○「志」とは、

己一代では成し遂げ得ぬほどの
素晴らしき何かを、
次の世代に託する「祈り」のこと。


私に閉じた野心と公に開いた志。

「いい会社をつくりましょう」を社是に、
社員の幸福を目的にして、
末広がりの年輪経営を実現させる。

塚越さんは、この志を抱き続け、
実現し続けてこられました。

その胸には、いつも、

「この志を実現し続けて、
「社員をどれだけ大切にしても経営は成り立つ」ことを、
この世(つまり己の一代で!)で証明したい」という、

燃えるような、そして静かな「野心」を
抱き続けてきたということです。

「志」を実現し続けるという「野心」 
というものが、この世にあるのですね。

みなさん、わたし、いま、
すごいことを書いています。おわかりですよね?

****************

文屋はいま、
オンラインスクール「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」を
制作しています。

ナビゲーター、講師を、
高野登さんがご快諾くださいました。

いまは在庫切れになっている
上記の『映像本いい会社をつくりましょう』の
貴重な対話映像を観ながら、

高野さんとわたしが語らい、
議論を深める構成です。

毎月1回の配信で、12回、1年間をかけて、
受講されるお一人お一人が、

それぞれの人生とお仕事、経営のありようを見つ直し、
成長・進化させることを目標にしています。

映像版と音声版の両方が届きますので、

PCでもスマホに保存しても、
いつでも、どこでも、なんどでも、
聞いて、ご自分の血肉にしていくことができます。

7月1日の開講予定です。

お楽しみにお待ちください。

****************


コロナの災禍にあって、
さかんに唱えられている
「ステイ・ホーム」。

もともとは、
在宅を奨励するこの言葉ですね。

ですが、「ホーム」には、
故郷、もともとある場所、原点、
安心の場などの意味があります。

ステイ・ホームは、

本来あるべき自分の姿、
もう一人の自分との静かで深い対話という
意味があると思います。

そんな尊い時間を、
感謝して、味わいたいですね。


野心と志

このテーマで次号でも考えてみたいと思います。

(つづきます)

****************

ではみなさん、お健やかに、
初夏の佳き日々を楽しみましょう。

どうぞよろしくお願いいたします。

文屋 木下 豊より


【写真説明】http://www.e-denen.net/index.php/mailmag?

『映像本いい会社をつくりましょう』と、
収録のための対話をする塚越さん(右)と大久保さん。

◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎

このメールマガジン(美日常の文屋だより)は、
百年本の文屋代表、小布施人、農士、
「美日常」提唱者として、

ものごとの原点(本来あるべき姿)を
考えつづける筆者が、
日々、交流の場を綾なしながら、
みなさまの人生とビジネスのお役に立つこと
を目的に、お届けしております。

★文屋・木下豊について
http://www.e-denen.net/index.php/about_rinen
http://www.e-denen.net/index.php/about_kino

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★プレム・ラワットさんの「心の平和」のメッセージを、

これから100年の未来を生きる、
無限の可能性を秘めた子どもたちに贈りたい!

寄付本プロジェクトにご一緒しませんか?★

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より多くのみなさんにお伝えしていきましょう!

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小布施牧場の
しぼりたてジャージー牛乳を使った
ジェラートとモッツァレラチーズの工房&カフェ
milgreen(ミルグリーン)
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2019年1月20日に八重洲ブックセンターで開いた
かんてんぱぱ・伊那食品工業株式会社会長
塚越寛さんの講演音声データ。

語り手と聞き手の意識が高いレベルで一体になった
「奇跡の講演会」の90分間の全容を、
ぜひお手元で何回も聞いてお役立てください。
http://www.e-denen.net/index.php/movies?_id=42

◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎

◎わたしのこころの師匠・戸村和男先生
 富士和教会の公式サイト:http://fujiwa-k.com/

師匠のお弟子さん・井内由佳さんのご著書

『もっと美しく、もっと幸せに
~リッチに輝いて愛される33の理由』
(廣済堂出版。2018年)より

【第4章 愛の中にいる】

神社の清冽でパワフルな空気に触れて、
神さまの存在を身近に感じる。

そのひとときが、
こころを清々しく調えます。

★井内由佳さんの公式サイト:http://yuka-i.com

★井内由佳さんが社長をつとめる
株式会社フィールド オブ ドリームスの公式サイト:
命を受けました。
https://youtu.be/owcmZ4ymmS0

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◎わたしのイチオシ。斉藤一人さんの「覚悟の話」
goo.gl/hJbwWd
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