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2015年11月29日

vol.014 『キミはボク 〜児童養護施設から未来へ』 誕生秘話 その1

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      文屋の最新刊 福島茂著 『キミはボク 〜児童養護施設から未来へ』          誕生秘話 その1 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ********************** ★文屋の今年の出版点数は3冊。理想は3年に1冊です。★ ********************** 数年前、大手出版社に勤める方にお話を伺って驚きました。 その会社には、編集者に年刊出版点数のノルマがあること。 その方のノルマは、一人で年間15冊であること。 そして、毎週月曜日に本ごとの週間実売数と編集者別の 売上高、コストと利益率を一枚にまとめた表が、 配られること。 本になりそうな人を求めて、新聞や雑誌やテレビを観て、 パーティーに参加して、著者候補探しに余念が無いこと。 それを聞いたわたしは2つのことを思ったものです。 1.そこまでして、みんなでがんばるから、    実績が上がるのですね。すごい! 2.わたしにはとてもできません。    本づくりに「ノルマ」とは理解できません。    毎月1冊以上も本をつくるなんて、できません。 その方は間もなく、 「会社を辞めました。独立しました」 とのメールをくださいました。 今年の文屋の出版点数は、3点です。 それでも多いと思います。 1冊をじっくりと編み上げて、 メルマガやマスコミを通じて広報活動をして、 末永く読み継がれるロングセラーに育てていく。 それには、1冊に注ぐ、じゅうぶんな心と手間暇が、 必要です。来年の出版予定は2点です。 ほかにも企画はありますが、 再来年に順送りします。 経営として成り立つのなら、 3年に1点でもいいと思っております。 ********************** ★文屋のお庭にひょっこり現れた20代の青年★ ********************** もう3年も前のこと。 帰宅すると窓辺の棚に、 分厚い封筒が置かれていました。 妻に聞くと、昼間にフクシマシゲルさんという 20代の男性が庭に立っていて、 玄関を開けると、 「僕の原稿を本にしてください」と頼んで、 帰られたとのこと。 アポ無しで、 いきなり原稿を持ってきて、置いて帰るとは、 ずいぶん強引な青年だなと思いながら、 原稿を眺めました。 原稿には、 わたしがまったく知らない世界が描かれていました。 幼いころのお母さんとの死別、 お父さんと二人暮らしの日々、 児童養護施設への入所、 お父さんが迎えに来なくなった日、 施設からの脱走、 非行、警察沙汰、派遣社員・・・ そして今、三菱自動車工業の正社員として、 愛知県岡崎市の主力工場で働く立派な姿。 この年、すでに4点も出版を決めていましたが、 仲間の編集者 中島敏子さんと、 ご主人でデザイナーの奥田亮さんに相談して、 まずは一度、 福島さんと会ってお話を伺うことになりました。 **********************  ★あの頃のボクへ。いままでありがとう。★ ********************** あの日からほぼ1000日。 おととい11月27日、福島さんのご著書 『キミはボク 〜児童養護施設から未来へ』が 誕生いたしました。 「自分のような境遇の子どもが一人でも減るように。」 「自分のような境遇の子どもたちに、 そして親たちに、想いを伝えたい。」 本が売れると印税が入ります。 ふつう企業は正社員に、 「副業」を禁止しています。 しかし、本書の趣旨を理解した会社 (三菱自動車工業)のトップは、 在勤中の出版を認めるという、 異例の判断をしてくださいました。 福島さんの想いを込めた本書のパンフレットには、 こう書かれています。 「あの頃のボクへ。いままでありがとう。 君がいてくれたから、今の僕がある。 どんなにつらい過去も、 消し去りたいとは思わない。 全部引き受けて生きていくよ。 君は、僕なんだから。」 つづく ***************************           ★きょうの気づき★ 1 文屋は、じゅうぶんな心と手間暇を、   1冊の本づくりに捧げます。   そして、百年本のロングセラーを目指します。 2 大きな組織でも、   個人の強い願いと必死の行動は、   「例外」を認めることがある。 3 人生に無駄なことはない。   すべてを引き受けて、   公(みんなのあした)のために生かしていけばいい。 *************************** 『キミはボク 〜児童養護施設から未来へ』 文屋サイトから:http://www.e-denen.net/ 全国の書店さんでもお取り寄せいただけます。 Amazon:http://goo.gl/KmyQEf

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