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2016年03月28日

vol.123 現場の空気はお客様に伝わる。その 2 菓匠 Shimizu の「親孝行」。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (きょうのテーマ) 現場の空気はお客様に伝わる。その2   菓匠Shimizuの「親孝行」。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ******************* ★現場のいい空気づくり。         第一は「親孝行」★ ******************* 長野県伊那市の菓匠Shimizu (かしょう・しみず)社長 清水慎一さんは、 文屋から、 『世界夢ケーキ宣言』と 『縁(えにし) 〜菓匠Shimizuと伊那谷(いなだに)の365日』を 出版されています。 制作の過程で、 清水さんにお話を聴いた中で、 いちばん印象に残っているのは、 「現場の空気はお客様に伝わる」でした。 「純生ロール」という 菓匠Shimizuの看板・定番商品があります。 卵と砂糖、薄力粉という シンプルな組み合わせでつくるロール生地。 清水さんは、 「おいしいロール生地を焼くコツは、 ワクワクした明るい気持ちでつくること」 と笑顔で語ります。 「材料の配合や手間だけを守っても、 つくる人がイライラしていたり、 くらい空気を放っていたりすると、 その空気を生地が抱き込んで、 おいしさを損(そこ)なってしまうのです。」 そんな清水さんが、 お店のいい空気づくりのために、 一番大事にしているのが、「親孝行」です。 『世界夢ケーキ宣言!』の副題は、 「幸せは家族だんらん」と付けられました。 2冊目の『縁』から、 親孝行についての 清水さんの文章を引用します。 「考え方の軸は『親孝行』」より。 ************ (前略) 一方、僕は、新しいメニューをつくるときや、 社員教育で迷ったときなどに、 「父ならどう考えるだろう?」 「母はどう思うだろう?」と考えます。 僕の判断基準の中で、 両親の考え方が大きく影響しています。 パティシエの修業を終えて伊那へ帰郷した当初、 僕は毎日のように両親とぶつかり合い、 口論を繰り返していました。 けれども実際に会社経営にかかわる中で、 自分の思いどおりにやりたいという気持ちは、 どんどん薄れていきました。 今、 考え方の軸は「親孝行」になっています。 親が喜ぶような経営をしたいと思います。 両親には、 「とことん好きなようにやってくれ」 と思っています。 祖父母から引き継いだ店で、 両親がずっと守ってきたのは、 人を大切にすることでした。 両親は社員を大切にし、お客様を大切にし、 取引先のみなさんを大切にしてきました。 それはきっと、 父と母が先代から受け渡された精神なのでしょう。 これからも僕は、その精神を受け継ぎ、 次の代へ手渡していくのだと思います。 ************ ******************* ★両親への感謝の気持ちを伝える集い★ ******************* 清水さんはこの文章につづけて、 「スタッフの夢を叶えるところ」と題して、 「菓匠Shimizuという場所で、 スタッフ一人ひとりの人生が最高に輝くようにと、 いつも願っています」と書いています。 清水さんは年に一度、 伊那市内の大きな会場で開く感謝の集いを 開きます。 そこには、 スタッフ全員、 スタッフの御両親や奥様、お子さんたち、 包装資材や農産物の生産者などのお取引先・・・ 100人を優に超える人たちが、 「御招待」されます。 スタッフが書いた両親への手紙を、 スタッフ自身が朗読して発表する場面では、 当のご家族はもちろんのこと、 聞いているみんなが、 目頭を押さえています。 わたしも2回ほど、 お招きいただいて、その場に身を置きました。 2時間ほどの間に、 「親孝行」 「幸せな社員づくり」 「人を大切にすること」 「かかわるすべての人に喜ばれる いい会社づくり」 といったキーワードの大切さを、 具体的に、ライブ感をもって 実感することができました。 「おいしいロール生地を焼くコツは、 ワクワクした明るい気持ちでつくること」 「ワクワクした明るい気持ち」を 保ち、日々、高めていく根源は、 「親孝行」の気持ちと実践なのですね。 親孝行は大事。 これに異論は無いと思います。 ではどうして、大事なのでしょう? 当たり前すぎるこの「問い」を、 あらためて、考えているこの頃です。 ************************ ★きょうの気づき★ ◆考え方の軸は「親孝行」。 ◆おいしいロール生地を焼くコツは、 ワクワクした明るい気持ちでつくること。 一番大事にしているのは「親孝行」。 家族だんらん 和やかな生き生きした職場 お客様が「菓匠Shimizuに遊びに行きたい」と 思ってくださるお店 を心がけつづけること。 トップが、 主役幸福(従業員の幸福感)の向上に、 専心すること。 ◆美日常のまちでは、 主役幸福・顧客感動・感動波及・結果利益 となり、 さらにスパイラルアップした 主役幸福・顧客感動・・・と 好循環がつづいていく。 これは、 企業経営でも、 まちづくりでも、 家族経営でも、 自分経営にも通じる、 「王道」。 **********************

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