2023年1月5日
文屋はいま、オンラインセミナー【高野登さんと学ぶ「わたしの人生を変えたホスピタリティライフのすすめ」】を配信中。このブログでは、講座の内容を抜粋して編集したコラムをお届けします。
2023年が明けました。さあ、今年はどんな年にしましょうか。
年末年始の帰省ラッシュや各種イベントが再開し、止まっていた経済は動きはじめました。コロナ禍のフェーズは確実に変わり、コロナとともに生きる時代に突入しています。
とはいえ物価高騰や資材不足など、多くの業界で不安要素は多く、これまで以上に努力と工夫が求められています。同じやり方では立ち行かなくなり、新たなアプローチで未来を切り拓いていかなければなりません。
ところで、これまで私たちはどんなやり方で仕事をしてきたのでしょうか。
まず結果を意識してきたように思えます。どうしたら目標を達成できるか、成果を上げられるか。上手くいけば成功、いかなければ失敗と考えるのが、ごく当たり前のアプローチでした。
実はこの考え方を、根本から変えるビジネスモデルがあるのをご存知でしょうか。MIT(マサチューセッツ工科大学)のダニエル・キム氏が提唱する「成功循環モデル」です。
この成功循環モデルでは、結果から考えることは「悪い循環」と定義されているのです。では、何から考えればいいと言われているのでしょうか。
それは、「関係」です。
働く人を取り巻くさまざまな関係――経営層と社員、上司と部下の関係、もしくは取引先や顧客との関係において、対話やコミュニケーションが頻繁におこなわれること。互いの考えを理解し合い、目指すビジョンを共有すること。
こうした関係の質を高め、日常的に前向きな気持ちで仕事ができることが最優先とされるのです。
それによって思考や行動の質が高まることがもっとも大切であり、目標の達成や成果の向上はあくまでもその「結果」にすぎないというのが、成功循環モデルの考える「良い循環」です。
努力して思考や行動の質を高めても、都度の結果の質は保証されません。特に昨今の複雑な経営環境を考えれば、さまざまな偶然が重なって導かれるのが結果というものです。それでも持続的な成長につながる大切な要素は、思考や行動の洗練と、これらが導く信頼関係だと考えられているのです。
見えない成果を追いかけるより目の前にある関係性の充実を図ることが、真の成功の循環を持続させるということなのでしょう。
いま、ホテル業界で最上級ランクのザ・リッツ・カールトン・ホテルがはじめて日本に上陸したときに、この「関係の質」を意識したビジネス展開をしました。
リッツ・カールトンが大阪で開業したときに重視した相手が、タクシー運転手だったのです。近くの空港や駅から物理的にお客さまを連れてくる多くの乗務員のために、リッツ・カールトンはホテルでランチ会を開催したそうです。
おいしいランチをご馳走してホテルを紹介し、勤務で来られない人たちにはランチボックスをつくって届けたといいます。タクシー運転手をもてなすことで開業のPRをしたホテルなど、これまでありませんでした。当然、運転手さんたちの間で評判になり、頼まなくても乗客にリッツ・カールトンの話をしてくれるようになったそうです。
タクシー運転手からのPRは、旅行客にとっては有益な情報となります。またこうしていらしたお客さまに対して、ホテルのスタッフは運転手さんに恥じないおもてなしでお迎えする努力を惜しまないでしょう。
新たに築かれた関係性が互いの思考を変え、行動を洗練していく——。リッツ・カールトンはさまざまな側面からこうした成功を循環させ、ホスピタリティというブランドを築き上げました。既成のサービスではなく、一人ひとりを意識した「おもてなし」を提供することで、唯一無二の価値を生みだしたのです。
関係性から生まれる価値は、結果ありきではないからこそ生まれてくるものです。
新しい年に新たな価値を生み出す関係性を、あなたもぜひ見つけてみませんか。
このセミナーの講師、「人とホスピタリティ研究所」の高野登さんは、ザ・リッツ・カールトン・ホテルの元日本支社長。同ホテルで学んだ「おもてなし」の心、これをブランド化した「ホスピタリティ」の感性を軸に、みなさまの人生やビジネスの新設計を伴走します。
オンライン講座は、1回60分前後の講義を、映像と音声で月2回(全12回)、学習期間 6か月間で学びます。この期間に、あなたの言葉、思考、そして行動は、驚くほど洗練されていきます。みなさまのご参加を、ぜひお待ちしております。
【末広がりの年輪経営プロジェクト】
ビジネス・オンラインスクール 高野登さんと学ぶ「わたしの人生を変えたホスピタリティライフのすすめ」
↓
https://www.e-denen.net/cms_bunyaza_school_02.php