2022年12月8日

あなたはワールドカップをどう見る?―情報に振り回されない自分なりの視点のもち方

文屋はいま、オンラインセミナー【高野登さんと学ぶ「わたしの人生を変えたホスピタリティライフのすすめ」】を配信中。このブログでは、講座の内容を抜粋して編集したコラムをお届けします。
 

今回のサッカーFIFAワールドカップでは、森保一監督ひきいる日本代表が決勝トーナメントに出場し、惜しくもクロアチアに敗れてベスト8進出はかないませんでした。とはいえグループステージで強豪ドイツ、スペインを破ったことは、日本中をわかせてくれました。

森保一監督は「選手任せ」「戦術がない」という批判をものともせず、「選手ファースト」をつらぬき、選手はもちろんスタッフからも信頼されていることを耳にします。

ワールドカップのように注目を集める大会では、最終結果で広く判断されてしまうことが多いもの。でも人生という長い期間をとおして真の成功者といえるのは、一時的な賛否に惑わされず、自分自身の信念を貫くことができる人なのかもしれません。

いまのようなネット社会、情報過多の時代に信念を貫くことは、まさに「言うは易く行うは難し」。それ以前に、自分の「信念」に向き合うということ自体、ハードルが高いようにも思えます。

まずは情報に振り回されないために、「自分の視点をもつ」ということからはじめたいものです。

今回のワールドカップでも、さまざまな情報があふれました。対戦国と自国の戦術や戦績、選手の特性など、ネット上ではたくさんの情報を手に入れることができます。

こうした情報を集め、読んで理解するだけでは終わらない――。その先にあるのが、自分の視点をもってこれらの情報に向き合うということです。

少し話は変わりますが、多くのビジネススクールでは、さまざまなケース分析をすることによって問題解決力を身につけていきます。過去に成功した「エクセレント・カンパニー」の事例から「ベスト・プラクティス」を学び、頭に叩き込んで知識を得た人が、社会で活躍してきました。

ところがこのパターン認識能力が高ければ高いほど、これまでとは違うことが起きたときに立ち往生してしまいます。パターン認識能力が足かせとなり、現況を理解しようとする力を弱めてしまう可能性があるということです。

これまでの社会で起きたことを分析し、まとめた研究では解決できなくなってしまったいま、一人ひとりが独自の視点をもって取り組み、のびのびとした発想、新しい思考回路をもつことが求められています。

過去の戦術に頼らない、森保一監督の「選手任せ」の本質が、ここにあるように思えます。

では、日常生活のなかで私たちはどのように自分なりの視点を意識すればいいのでしょうか。実は人が自分の視点と考えていることも、取り巻く社会の常識や他人の評価に影響されていることが多いものです。

その気づきのヒントとなるのが「違和感」。当たり前とされていることにたいして何かが違うと感じるとき、それは自分の価値観のスイッチが入る瞬間です。

このスイッチが入ったら、子どもの質問のように「なぜ」を問い続けます。よく言われる「5つのなぜ」は、問いにたいして答え、またその答えにたいして問うことを繰り返すこと。5つのなぜを根強く続けることで、これまで及ばなかった深い視点にたどりつくことができます。

5つのなぜは「当たり前」に向き合うだけでなく、簡単に答えをださない姿勢につながっていきます。こうした姿勢が、自分の視点をもつことにつながっていきます。

ワールドカップのクロアチア戦、森保一監督は最後のPK戦で「蹴りたい人から蹴る」という立候補制をとり、結果として日本代表は破れました。この判断には批判もでています。

この監督の判断を、試しに5回問いつづけてみたら、世間の批判とはまったく異なる視点が見つかるかもしれません。

「選手たちは新時代を見せてくれた」と語る森保一監督や日本代表の選手たちが、今後のサッカー界をどのように生きるのか。自分なりの視点をもって、楽しみに見続けていきたいと思います。


このセミナーの講師、「人とホスピタリティ研究所」の高野登さんは、ザ・リッツ・カールトン・ホテルの元日本支社長。同ホテルで学んだ「おもてなし」の心、これをブランド化した「ホスピタリティ」の感性を軸に、みなさまの人生やビジネスの新設計を伴走します。

オンライン講座は、1回60分前後の講義を、映像と音声で月2回(全12回)、学習期間 6か月間で学びます。この期間に、あなたの言葉、思考、そして行動は、驚くほど洗練されていきます。みなさまのご参加を、ぜひお待ちしております。


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