2022年4月21日
経営者のみなさまが考える「いい会社」の指標とは、どのようなものでしょうか。
売上や利益、顧客や従業員の満足度、またこうした数値の根拠となる個別具体的な項目が、いくつも頭に思い浮かぶかもしれませんね。
ビジネスの世界では、KPI(重要業績評価指標)がよく使われます。最近では業績などの側面だけでなく、社員の満足度やエンゲージメントといった人間的な側面の指標についても、頻繁に語られています。
では、あなたがこう言われたらどう感じますか。
「いい会社」であることの指標は、自らの利を忘れて相手の利に資しているかどうかである――。
文屋より配信中のビジネスセミナー「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」をとおして、ご一緒に考えてみましょう。
「かんてんぱぱ」で知られる伊那食品工業の最高顧問、塚越寛さんは、みずからの経営指針の中心にある「忘己利他」の精神について語っています。
「忘己利他」は、天台宗の開祖、最澄の「己を忘れて他に利するは慈悲の極みなり」という教えに基づく言葉だそうです。これが、ビジネスにとって一番大事な永遠の真理ではないかと、私は思っているんです。たとえば「自分の財産よりも社員の幸せ」とか、「人に迷惑をかけない」ということです。(塚越寛さん)B
経営者として何かを判断するとき、塚越さんはつねにこの「忘己利他」を基準にしていますが、ここには補足があります。「だからといって、お人よしでは困ります。ですから当社の社是にありますように『たくましく』が必要になるんです」と。
塚越さんが考える「忘己利他」は、社員や社会の幸せを実現するために売上や利益を上げる、つまり、経済的にたくましい会社をつくるということです。
一般的には、売上や利益があってこそ、社員や社会に還元できるものと考えるでしょう。しかし、この順番でものごとを考える会社を、人々は長期的にみてどう評価するでしょうか。
現代社会は、VUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)という言葉に象徴されます。こうした時代であっても不変の価値があるとしたら、それは人々からの信頼です。
また「忘己利他」と聞くと、宗教的もしくは哲学的で馴染めないという人も多いでしょう。しかし宗教や哲学には、間違えなく時代にとらわれない永遠の真理があります。
このセミナーでは、塚越寛さんのインタビュー映像を、「人とホスピタリティ研究所」の高野登さんと文屋の木下豊が読み解いています。
会社のなかでは、宗教的な求心力とか、何かひとつのものごとに向かって突き進んでいく、そういうエネルギーを生み出す時期は、必ず必要です。あのジャック・ウェルチさんも、どの企業にとっても宗教的な求心力は必要な能力であると、はっきりおっしゃっていました。(高野登さん)
伊那食品工業では「忘己利他」という考えを共有することによって、社員たちは実際に仕事を進めていくうえでは大きな裁量が与えられています。
経営者の考え方に社員が納得し、心をひとつにすることでエネルギーが生み出されれば、それは会社を強く、たくましくする何よりも大きな原動力となっていきます。
永遠の真理という視座は、最近よく耳にするようになったビジネスにおけるアート感覚、美意識という概念ともつながります。
塚越寛さんに倣い、みずからも年輪経営を実践する文屋の木下豊は、「美しさ」についてこう語ります。
美しいとは、「羊」が「大」きいと書きます。漢字は中国大陸で生まれましたが、村人が五穀豊穣や安全を祈って神に生け贄を捧げるとき、その羊が丸々と太って大きければ、神様から幸せがもたらされると考えられていました。つまり、美しさとは個別の感覚ではなく、人としての務めをなすことで幸せがもたらされるということ。その姿こそが美しいのであり、塚越さんの考える「忘己利他」と親和性があります。(木下豊)
文屋より発売中の絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』には、日本人が古来もちつづけてきた忘己利他の「美しさ」が表現されています。
過日、塚越寛さんも参加するこの絵本の出版記念ビジネスセミナーが、伊那食品工業本社敷地内の「かんてんぱぱガーデン」を臨むセミナールームで行われました。貴重なセミナーの映像は、こちらからご購入いただけます。
↓
https://www.e-denen.net/cms_bunyaza_school_04.php
会社の利益を上げるためではなく、会社を永続させるための永遠の真理とはいったい何か――。
日本中から愛される「かんてんぱぱ」伊那食品工業を導いてきた、塚越寛さんの経営哲学から、ぜひたくさんのヒントを見つけ出してください。
【末広がりの年輪経営プロジェクト】
ビジネス・オンラインスクール「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」
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◎1年間コース:
https://seminars.jp/seminars/6118
◎速習コース:
https://seminars.jp/school/user/schools/55/courses/319/payment_plans/918/specified_members/new
塚越寛さんが「働くすべての人に読んでほしい」と推薦くださる絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』もぜひご覧ください。
↓
文屋サイト https://e-denen.net/kifubon-chiyoni/
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