2021年4月15日

世界中の子どもたちにウイルスと免疫のことを知ってほしい――絵本「おやすみルーシー」は、日本語と英語を併記

新型コロナウイルスが最初に発症してから、1年半になろうとしています。

2019年12月に中国武漢省で症例が発生してから、このウイルスは世界中に感染を拡大させました。世界のだれもが当事者となる、未曾有のパンデミックを引き起こしたのです。

コロナは国境を超えて、人々を感染症の問題に向き合わせました。

この逆境を生き抜くために、大人だけでなく子どもたちにも必要な知識をとどけたい。その想いをこめ、文屋は4月25日に絵本「おやすみルーシー~ウイルスがやってきた」を発売します。

この物語の主人公ルーシーは、夢の中でウイルスといっしょに自分の体に入ります。

そこで出会うのが、体に入ってきた異物を食べるマクロファージ“まっくん”。そして、ウイルスとたたかうことができるT細胞とB細胞“ティービーきょうだい”。

絵本を読むことで、子どもたちはルーシーになり、体内の免疫システムの働きを実感することができるのです。

絵本にはストーリー編に加えて、専門家でなくてもわかるやさしい言葉で説明されたルポ編があります。読み語る大人の知識にもなり、それを子どもにも教えられるように工夫されています。

この絵本の作者である新妻耕太さんと妻のルーシーさんは、スタンフォード大学で研究する免疫学者です。

かつて高校の理科教員を志望していた新妻さんと、上海出身のルーシーさん。この本を通して、世界中の子どもたちにウイルスや免疫細胞のことを知ってもらいたい、と強く願っています。

その想いから絵本全編に、日本語だけでなく英語も併記しています。正確でわかりやすい英訳をめざし、翻訳者と複数の協力者がチェックを重ねました。

英語の併記は、世界で出版するための第一歩です。この想いは、新妻さんご夫婦と文屋を結びつけるものでもありました。

文屋のモットーは、”In and from Obuse”。拠点である信州小布施から世界に向けて発信しています。

これまでも「Pot with the Hole 穴のあいた桶」を、英語版をはじめ22か国で翻訳出版しました。

新妻さんが文屋を知り、お互いにその想いを共有したことが、この絵本制作の実現につながったのです。

絵本「おやすみルーシー~ウイルスがやってきた」は、すでに米国での出版計画が進んでいます。また中国での出版は、より早く実現する段階にあります。

未知のウイルスに対しては、先進国であってもなす術がありません。私たちは自分を守るために、他人との接触の影響や自分の体のしくみを知る必要があります。

一般の人々であっても、社会で生きる上で最低限の科学的知識を身につけること。「科学リテラシー」は、いま日本だけでなく世界中で求められています。

元陸上選手の為末大さん(Deportare Partners代表)も、次のようなメッセージを寄せています。

 科学の世界はどんどん進んでいきますが、それを追いかける私たち一般の人間の知識は頑張ってもなかなか追いつくことができません。こうして科学の世界の知識をわかりやすい形で正しく伝えてもらうことは人類にとって本当に有益なことだと思います。

国境を超え、親子で、もしくは教育現場で、この絵本が科学リテラシーを養うために活用されることを、制作チームは願っています。

日本語と英語を併記する絵本「おやすみルーシー~ウイルスがやってきた」は、まもなくの発売です。

この絵本を、全国の児童養護施設とこども病院(小児専門病院)へ寄贈するプロジェクトを展開しています。

当初の目標はすでに達成され、さらに児童相談所(一時保護所)や、寄贈を希望する幼稚園・保育所・小児科などにも絵本をとどけるネクストゴールを設定中です。

自分の体ってすごいんだ!今こそ、免疫の不思議を絵本で子どもたちに!

5/1追記)

2021/2/13~4/30まで展開した本プロジェクトは、638人の方々から総額5,177,000円のご支援をいただき、345%の達成率となりました。多くの方々からこの絵本を評価いただき、著者への信頼と、その想いに共感いただいた結果と思います。

https://readyfor.jp/projects/OyasumiLucy

絵本「おやすみルーシー~ウイルスがやってきた」は4/25に発売後も、Amazonなどで高い評価をいただいています。

ご購入はこちらからどうぞ。

https://www.e-denen.net/cms_book.php?_id=47

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