2021年10月14日
10月も半ばとなり、木々が少しずつ色づき始めました。
季節が移り変わるこの1か月で、新型コロナウイルスの感染者数は驚くほど減っています。
新型コロナのワクチン接種は、今年2月から始まりました。でも感染者数は増減を繰り返し、ついに夏の第5波では過去最高数を記録。そして「宣言」慣れしてしまった人の流れが抑制されることは、ほとんどありませんでした。
結局、今回の急激な減少の理由ははっきりしません。新型コロナの問題は、専門家と言われる人たちでも予測ができない事態が何度も起こっています。
もしかしたら「予測できる」と考えることが、間違っているのかもしれません。
長い歴史のなかで、繰り返し人々の生活を脅かしてきたウイルス。この人知を越える存在に対して、私たちはあらためて自分たちに何ができるかを問い直す必要があります。
文屋より発売中の絵本『おやすみルーシー~ウイルスがやってきた』は、その大きなヒントになります。
コロナ禍では、ウイルスという存在に大きな注目が集まりました。じつはウイルスは細菌とは違い、宿主(しゅくしゅ)となる他の生物のなかでしか増殖することができません。
だからこそ、ウイルスは人の体内で必死に生き残ろうとします。そして人の体には、ウイルスに反応する免疫機能が備わっているのです。
絵本『おやすみルーシー』は、この人の体の免疫機能について正しく楽しく学べる教材絵本です。
作者の新妻耕太さんは、スタンフォード大学で研究する気鋭の免疫学者。2020年はじめに新型コロナ問題が浮上すると、一般の人たちにウイルスと免疫のことをきちんと理解してもらいたいという使命感をもつようになりました。
こうして同僚の研究者である妻のルーシーさんと一緒に、YouTubeチャンネル『新妻免疫塾』を発信。さらに、その内容を再構成した『Dr.新妻免疫塾~正しく知る! ウイルス感染と免疫の基礎』(東京図書)を出版したのです。
新妻耕太さんが目指したのは、専門用語を使わず、中学生でもわかるように、ウイルスや免疫の働きについて説明するということでした。
そしてより幼い子どもたちにも知識を伝えるために、絵本『おやすみルーシー』を制作したのです。
新妻耕太さんとルーシーさんがこの絵本をとおして伝えたいのは、「自分の体ってすごいんだ!」ということです。
絵本のなかで、主人公ルーシーはウイルスと一緒に自分の体に入ります。そこで免疫細胞に模した仲間たちがウイルスにどのように反応するのかを、みずから体験するのです。
わかりやすいストーリーと色鮮やかな挿し絵が、子どもたち、そして読み語る大人たちにも正しく楽しく、免疫機能に対する学びを深めてくれます。
遠い昔、医療がいまほど発達していなかったころから、ウイルスは人の生活を脅かしてきました。
でも先人たちは、ウイルスが体に入らないように予防し、たとえ入ってもしっかりと免疫細胞が働くように養生したのです。そのことがやがてウイルスの毒を弱め、共存を可能にしました。
人は免疫機能によって、繰り返されるウイルスの脅威を乗り越え、発展しつづけてきたのです。
新型コロナウイルスにかぎらず、私たちはこれからも、さまざまな感染症と隣り合わせて生きていかなければなりません。
たとえばインフルエンザは、毎年冬に流行しています。昨年はコロナ対策により、インフルエンザがほとんど流行しませんでした。そのため人々の免疫力が下がり、今年は大流行するのではという予測も出ています。
ウイルス対策に、もっとも有効といわれているクチン接種。10月に入ってインフルエンザの予防接種も始まりましたが、ワクチンの供給不足や遅れなども懸念されています。
またコロナワクチンについても、3回目のブースター接種や、12歳未満の子どもへの接種など、その是非が確定できていないことはたくさんあります。
ウイルスの発生や流行のすべてを予測し、備えるということは不可能に近いことです。
どのような状況であっても結局、一人ひとりが「予防」と「養生」に努め、自分の体の免疫機能をきちんと維持することが、ウイルスとの共存に向けた近道なのです。
私たちにできることは、不確かな予測に振り回されることではなく、どうしたら自分が健康でいられるのかに集中することではないでしょうか。
絵本をとおして、そのことを親子で考え直してみませんか。
絵本『おやすみルーシー~ウイルスがやってきた』のご購入は、下記からどうぞ。また全国の書店でもお取り寄せいただけます。
↓
文屋:https://www.e-denen.net/cms_book.php?_id=47
Amazon:https://amzn.to/3kxIdB5
新妻耕太さんの母である久美子さんが、絵本「おやすみルーシー」の一部を朗読する動画も公開中です。