2024年3月14日
「栗と北斎と花のまち」で知られる長野県小布施町は、年間120万人の来訪者があり、有名な観光地がひしめく北信州でもトップクラスのリピート率を誇っています。
この地には、ほかの地域とはまったく異なる気風があります。
小布施を訪れる人々が求めているのは、世界遺産でも主要な温泉や大型リゾート施設でもありません。歩いているだけでも幸せを感じられるまちの美しい日常です。
創立25周年を迎えた文屋は、この特異な魅力をもつ小布施に拠点をおいています。小布施の気風そのままに、日々の生活のなかで小さな幸せを重ねていくことの大切さをお伝えすべく、書籍出版やビジネスセミナーの開催、メルマガやブログの発信などを行っています。
そして2023年、文屋には《ゲストハウス小布施》という新たな資源が加わりました。
文屋はさまざまな工夫を重ね、来訪者のみなさまが「美日常」を味わえる《ゲストハウス小布施》の空間を演出しています。同時に、小布施により多くの来訪者を迎えられるよう、この地を新たな文化の発信源にするためのプロジェクトを展開します。
1995年、小布施の真ん中に江戸時代から建っていた古民家と土蔵を改築し、《ゲストハウス小布施》がオープンしました。
それから約30年の時を経て《ゲストハウス小布施》はリニューアルオープンし、歴史ある建物のなかに洗練された雰囲気を併せもつ、さらに心地良い空間ができ上がりました。
小布施は、江戸の人気絵師である葛飾北斎の貴重な作品を展示する北斎館を中心に、町並み修景によって思考し尽くされた真の快適さがあるまちです。《ゲストハウス小布施》の徒歩圏内には、小布施のまちづくりで築かれた数々の名所があります。
この宿り場にフロントはなく、常駐のスタッフもいません。ドアは4桁の暗証番号を押すナンバーキー形式で気軽に出入りできるため、小布施をゆっくり歩き、疲れたらいつでも休むことができます。
何より《ゲストハウス小布施》自体も、その原型は歴史ある建物。北斎が晩年、小布施に長期滞在して創作活動をしていたアトリエからも近く、散歩に通りかかったと思われる場所でもあります。その息づかいが感じられる場に宿る楽しさは、北斎やアートファンの心をくすぐるものでしょう。
《ゲストハウス小布施》には、ユニークなまちづくりの成功事例として注目される小布施の魅力が集約されています。それは非日常の特別な空間ではなく、日常の美しさをゆっくりと深く感じられる、やさしく穏やかな空間があるからです。
おもてなしの心で丁寧に調えられたシモンズ社製のベッド、高品質の家具や調度品に包まれ、手の尽くされた栗菓子の贈り物をつまめば、あなたもきっと小布施の美日常を体感することができるでしょう。
美日常とは何をあらわすのでしょうか。
花や女性などを見て「美しい」と思うことはあっても、日常が「美しい」とはふつうあまり表現しません。
「美」という漢字の起源は、そのつくりの通り「大きな羊です」。神に捧げる生け贄(いけにえ)として大きな羊を差し出せるよう、人々が日々の生活を仲良く穏やかに暮らすこと。そのために愛や感謝の気持ちを大切にすることが、「美しい」ということです。
小布施人(おぶせびと)がつくる美日常の原点にあるのは、住民一人ひとりが自分たちのまちを誇りに思い、身の回りを調えておもてなしの心で来訪者をお迎えするということ。こうした歓(よろこ)びを交わすことで、来訪者に心からの満足が生まれると考えているのです。
美日常は、かつて北斎を手厚くもてなした高井鴻山(たかいこうざん)から受け継がれた心でもあります。いかに価値観が多様化し、先の見えない時代であっても、この気風をもつかぎり、小布施は新たな魅力を創造し続けることができると確信しています。
この美日常の心で過去といま、そして未来へと繋がる価値を創造するために、文屋は2024年の小布施で新たなプロジェクトを始動します。
その名も「北斎の見た小布施」――。
北斎の見た風景や建物などが数多く残っているのは、日本全国で小布施だけです。北斎館だけでなくまちそのものが「北斎の聖地」である小布施で、いまも見たり触れたりすることのできるものごとを国内外の方々に紹介したいと願い、「北斎の聖地OBUSE」の巡礼ガイドをつくります。
そしてこの「北斎の見た小布施」は過去を振り返るだけでなく、未来につながるプロジェクトです。
北斎を迎えて厚くもてなした高井鴻山の心を受け継ぎ、「第二、第三」の北斎を迎え入れること。そしてこの地域を訪れるすべての人々に、美日常を味わいながら未来を志向していただくこと。
こうした構想をもって始まる新たなプロジェクトの様子を、引き続きこのブログでお伝えしてまいります。
梅の花が咲き誇る早春に、旅を計画している方も多いでしょう。あなたも小布施に訪れ、美日常を感じてみませんか。
美日常が広がる小布施を訪れるなら・・・
ひと・こと・まちをまるごとつなぐ小布施の宿り場 《ゲストハウス小布施》へ
※ゲストハウス小布施は、下記からも予約可能です。
【じゃらん】
https://www.jalan.net/yad348850/
【楽天トラベル】
https://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/189051/189051.html
【Booking.com】
https://www.booking.com/hotel/jp/gesutohausuxiao-bu-shi.ja.html
小布施のまちづくりの軌跡がわかる書籍『小布施まちづくりのセンス――二人の市村』(税込2,200円)は、下記よりご購入いただけます。
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【文屋サイト】
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