2023年8月31日
――人はなぜ病気になるのだと思いますか?――
ものごとが起こるには必ず理由がある――という意味の仏教用語に、「因縁生起」という言葉があります。ここでいう「因」とは直接的な原因であり、「縁」とは間接的な原因のことを表しています。
そして「縁起」という言葉がこの因縁生起に由来しているということは、意外と知られていません。よく「縁起が良い」「縁起が悪い」という表現が使われますが、もともと仏教の考えにこの意味はないそうです。
縁起とは本来、「人やものごとのあり方はすべて、無数の縁によってつながっている」ということを意味しています。
文屋は2023年3月に『楽しむために生まれてきた カギは「もともと完璧、いま最高!」』(著者・井上悟)を出版しました。
本書では、人の病気に関わるさまざまな「縁」について語られています。その存在を知ることで、あなたの病気に対する考え方はほんの少し変わるかもしれません。
病気とは「気」が病んだ結果として身体が病むことです。「気が病む」とは身体全体の気の流れがところどころで停滞することを意味します。
この気の停滞を起こすのが、「こころグセ」です。
多くの人は目の前で起こる現象に対して「良い」「悪い」の判断をすることにより、「こうでなければならない」という観念をつくり出します。こうした思考パターン、そこでわき上がる感情が「こころグセ」です。
何かが欠けているという不足感、克服するためにがんばらないといけないと思うこと、いまの自分ではない自分で生きようとして自分を愛せないでいること――。こうしたことがさまざまな悩み、苦しみ、緊張やストレスを生み、気の停滞を引き起こします。
では、この「こころグセ」とはどこからくるのでしょうか。
自分の性格だと思っている人が多いようですが、実は先祖や親から無意識のうちにバトンタッチされてきたものです。
「こころグセ」は肉体に染みついており、あなたの魂が望む生き方をじゃまするため、魂と肉体の間にゆがみを起こします。あなたの肉体が魂の歩きたい道から脇道に迷い込み、戻ってこなくなった状態が「病気」です。
反対に、「気」の流れが良くなることが「元気」です。こころグゼの影響を受けない生まれた時の「元」の状態に戻るということ。これは特別な人だけではなく、誰もがもっている本来の姿です。
その「元」の状態に戻るために、人には自然治癒力があります。
「病気は悪いこと」と思いがちですが、すべては起こるべくして起こっていることです。そこで病気である自分を「いま、ありのままでOK」と受け入れてみます。
何とかしようとせず、ただ自分がいまこの世の二極の世界でおちいりやすい陰と陽のどちらかに傾いていないかを感じてみるのです。具体的には、「イライラしていないか?」「怒りっぽくなっていないか?」「落ちこみやすくなっていないか」などなど。
ここでの気づきによって目線を陰陽の円錐の頂点へと引き上げ、「どちらでもいい」というニュートラルな感覚を得られれば、自然治癒力が上がってきます。
自然治癒力が100%発揮されれば、どんな症状も癒されます。それは治療をしなくていいということではなく、治療の効果も含めて人には自分の肉体を元に戻そうとする力があるということです。
病気はあなたのこころグセや思い込みが表面化している「お知らせ」であると考えます。「こころグセ」や思い込みがクリアになっていくと、自然に本来の魂が向いている方向がわかってきます。
そのことが気の停滞を引き起こす悩みや苦しみから自分を解放し、気の流れをよくして、元気を取り戻してくれるのです。
本書の著者である井上悟さんは、「人はどうして病気になるのか」をテーマに人間研究をスタートし、人が元気に、生涯を健康で過ごすための波動情報を提供しています。
井上さんが波動リーディングの仕事を始めて半年後、アトピー性皮膚炎を発症しました。家族から「病院に行って」と言われるほど全身に広がっていったにも関わらず、発症後7ヵ月で現代医学にお世話になることもなく完治しました。
井上さんは治癒のきっかけについて、症状の原因が「クライアントさんにアトピーだと知られることの恐怖」と気づいたことを語っています。「知られないようにと何をがんばっているんだろう」という感覚になったとき、フッと身体が楽になったということです。
アトピーは、その名が「奇妙な」という意味をもつギリシア語「atopia」に由来するともいわれるように、明確な発症メカニズムが知られていない病気です。
でも、もしかしたらどんな病気も、本当の意味での原因を解明することはできないのかもしれません。結局は無数の「縁」が関わっているからです。
病気とは、「悪いもの」「怖いもの」「何とかしないといけないもの」ではなく、「ありのままの自分に気づくもの」――。
こうした思考になったとき、病気への向き合い方が少し変化するのではないでしょうか。
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