2023年6月15日

ブルーオーシャン戦略の本質は、夢とビジョンの追求―「かんてんぱぱ」伊那食品工業が投げかける問いとは

競争戦略から、非競争戦略へ――。

敵のいない青く澄んだ海を開拓するブルーオーシャン戦略を考える本シリーズも、いよいよ今回が最終回となります。

沖縄に在住する高安正勝さんが開発した「ぬちまーす」は、まさに“海”のミネラルをそのまま含む塩です。「ぬちまーす」の価値は、マーケティング視点でいう“顧客満足”とは一線を画し、一般的なニーズを超える驚きや感動を生み出して「幸せ」をつくります。

この『ぬちまーす』を軸に思考を重ねてきた本シリーズ最後のテーマは、ブルーオーシャン開拓においてその革新的な価値はいかに見出されるのかということ。

他の誰でもない自分の夢と向き合い、そのビジョンを追求していくことによって、人はイノベーションへと導かれていくのです。

伊那食品工業×ぬちまーす――「幸せをつくる」という共通の夢

私たちは高安さんの動機に共感し、15年という時間をかけて信頼関係を築いてきました。当社が「寒天」で培ってきた技術と経験を最大限に活かすのは、今しかありません。こうしてぬちまーす社と伊那食品工業は、「ぬちまーす」の増産と安定供給を目指して、生産施設を拡充することを決めました。(『命の塩ぬちまーす “あるべき姿”の塩、“あるべき姿”の経営とは』第1章より)

文屋より発売中の書籍『命の塩ぬちまーす』は、従来の塩の概念を覆す「ぬちまーす」の普及に挑む伊那食品工業社長、塚越英弘さんの初の著作です。

生命の根源たる海のミネラルバランスを保持する「ぬちまーす」には、「塩分取り過ぎ」と警告される一般の塩とは異なる健康への効果があります。「ぬちまーす」の開発は、発明家として世の人々の幸せに貢献するという高安正勝さんの夢を実現させるものでした。

そして伊那食品工業が高安さんの動機に共感する背景には、「人と社会の幸せ」を経営の目的とする同社のビジョンがあります。このビジョンを共有する社員一人ひとりが自分の夢に向き合うことで、同社は和菓子の材料という限られた寒天の用途を限りなく広げてきました。

社員を夢に導く伊那食品工業では、研究員は「自分が欲しいと思うものをつくりなさい」と言葉をかけられます。売れるものではなく、自分自身が欲しいと思うものを追求することが、同社の研究開発の姿勢です。

限られたニーズではなく、限りない夢を追うことで成長を続けてきた伊那食品工業と、塩で人類を救うという大きな夢を追い続ける高安正勝さん。「ぬちまーす」の普及は、まさにこの両者が「幸せをつくる」という共通の夢を実現させるための壮大なプロジェクトといえるでしょう。

高安正勝さん(左)と塚越英弘社長(右)

売上ではなくファンを増やす、伊那食品工業が世に問うこと

一般的に、企業経営においては売上や利益などの数値的な目標を立てます。しかし伊那食品工業が目標としているのは、一人でも多く自社のファンを増やすことです。数値ではなく一人ひとりの人間としてお客さまに向き合い、会社を好きになってもらうことに大きな力を入れているのです。

技術が発達し、情報が拡散するいまの世の中では、つくろうと思えばどのようなものでもつくれます。品質だけで商品に差をつけることが難しく、また目新しさばかりが求められて新製品が出ては消えていく――ある意味では価値の使い捨てのような時代になっているように思えます。

そんないまだからこそ、ファンを増やすという努力、すなわち商品の背景にある考え方、つくっている会社の雰囲気や行動を磨くことが、本物の価値を生むのではないでしょうか。

「なぜこの商品を売りたいのか」―――。その問いに答えられる確固たる信念がある企業には、間違いなく他にはない独自の光があります。

今こそ、立ち止まって考えてみるべきではないでしょうか。たくさん売ること、売れる商品をつくっていくことが、はたして本当に目的なのか。自分たちが目指しているものは、いったい何なのかということを。
売上げや利益を上げたその先にある夢やビジョンをしっかり心に置いたなら、目的と手段が何なのかは明確になると思います。この「本来あるべき姿」を追求することが企業の使命であると私たちは考えています。
(『命の塩ぬちまーす』あとがきより)


世界のトヨタ自動車も「お手本」と公言する伊那食品工業、塚越英弘社長のこの最後の問いかけに、いまあなたはどう答えますか。

もし少しでも迷いがあるのなら、ぜひ本書を開いてみてください。

あなたにとっての大切な気づき、自分の夢やビジョンに向き合うヒントが、きっとあちこちに散りばめられているにちがいありません。

『命の塩ぬちまーす “あるべき姿”の塩、“あるべき姿”の経営とは』は下記よりお求めください。

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