2021年5月20日
今年も株主総会の時期が近づいてきました。
「決算期の翌日から3か月以内に定時株主総会を開く」と定め、3月決算とする企業が多い日本では、5月後半から6月は株主総会ラッシュとなります。
売上高、営業利益、経常利益・・と並ぶ数字を見て、目標、達成率といった指標に照らし合わせ、いかに関係者に満足してもらうかを考えること。
決算や株主総会の時期は、多くの経営者の皆さまが会社や経営のあり方に向き合うときでしょう。
しかし、売上や利益目標をいっさい定めず、「社員の幸せ」を経営の目的とする企業があることをご存知でしょうか。「かんてんぱぱ」ブランドで知られる伊那食品工業です。
伊那食品工業の社長、会長を歴任した塚越寛氏(現在は最高顧問)は、21歳のときにこの会社を任されてから、48期連続の増収増員増益を達成しました。
塚越氏が貫いてきた経営道は、末広がりの年輪経営と呼ばれます。この考え方を一人でも多くの経営者の皆さまに伝えるべく、文屋はオンラインセミナーを立ち上げました
いまでこそ、日本中からモチベーションの高い採用応募者が集まる伊那食品工業。ところが、かつては環境にも人員にも恵まれていない企業であったと、塚越寛氏本人が語っています。
本当に何もなかったんです。一番大切な信用もない、生産技術もない、お金もない。何もないなかで社員だけはいたわけです。その社員がやる気を起こすのと起こさないのとでは、差が出ます。みんなのやる気をどうやったら引き出せるかということは、私の切実なテーマでした。
こうした状況下で塚越寛氏は、まず社員を楽しませ、やる気になってもらうことを実行しました。
当時はお酒を飲むことがその方法。コミュニケーションをとり、職場環境を良くするために自分たちで施設の修繕を行ったのです。
社員同士が楽しく交流する場をつくり、自分たちで環境を整えて仕事へのモチベーションを上げること。それは、伊那食品工業で長く実践されつづけていることです。
社員たちはいまも、職場での食事やお茶の時間、国内外への社員旅行を楽しんでいます。その一方で、役職に関係なく日々の清掃などを率先して行っているのです。
誰より塚越寛氏がみずから率先して行動し、ときに優しく、ときに厳しく、社員たちを導いてきました。経営者として人間教育に力を入れることこそ、塚越氏が貫いてきた経営道にほかなりません。
「事業は人にあり」と説く松下幸之助から、塚越氏は多くを学びました。松下幸之助は電気機器の前に人をつくるべきと語り、まさに人間教育という組織のあり方を主張しています。
塚越氏は数年前、尊敬する松下幸之助の興したパナソニックの役員会に招かれ、講演を行いました。その率直な語りがさらなる信頼を築き、パナソニックの迎賓館である京都の真々庵にも招かれています。
人間教育の精神を大切にしている塚越氏にとって、社員のモチベーションを上げ、成長をうながすことは経営の手段ではありません。
それこそが目的であり、売上や利益を上げることの方が、社員の幸せを担保するための手段なのです。
オンラインセミナーで塚越寛氏の語りを読み解く高野登氏(ザ・リッツ・カールトン・ホテル元日本支社長)は、こう話します。
塚越氏は、社員を家族だと思って心からの愛情をもって向き合っています。大家族主義は日本の会社を成功に導いてきた基本的な部分。株式市場主義になってから、社員より株主利益を優先させる方向にいってしまいました。伊那食ファミリーという考え方は、ザ・リッツ・カールトンにも共通するものがあります。
家族だからこそ、その幸せを一番に考えるのです。そして、家族として大切にされてきた社員たちが会社の発展のために力を尽くすのは、ごく自然なことです。
このオンラインセミナーでは、塚越寛氏の年輪経営を全12回・1年間にわたってじっくり学びます。映像と音声データが毎月1回配信され、その後いつでも視聴することができます。
経営者としてあなたは誰を幸せにしたいのか、もう一度じっくり考えてみませんか。
◎1年間コース:
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