2023年6月1日

“研究開発型”の年輪経営―伊那食品工業×「ぬちまーす」で切り拓く末広がりの未来

「おいしくて健康にも良い“奇跡の塩”!」

文屋は2023年1月、『命の塩ぬちまーす “あるべき姿”の塩、“あるべき姿”の経営とは』を出版しました。著者である伊那食品工業の塚越英弘社長、そして文屋の木下豊ともご縁の深い大久保寛司さん(人と経営研究所)は、以下のような言葉で本書を推薦してくださっています。

研究開発型の末広がりの年輪経営を続ける伊那食品工業による「ぬちまーす」の製造と普及が、いよいよ始まります。全国を講演で飛び回るわたしの愛用品です。健康を願う大切な人たちにすすめていきます。(人と経営研究所所長 大久保寛司)

生命の根源たる海のミネラルバランスを保持する沖縄の海塩「ぬちまーす」は、コロナ禍以降も売上げを伸ばし、現在は品薄となるほど人気の塩です。

その増産と安定供給のために乗り出した伊那食品工業は、寒天で培った技術と経験を生かして「ぬちまーす」の可能性を広げようとしています。

伊那食品工業が実践する“研究開発型”の年輪経営

樹木の年輪のように、少しずつでも毎年必ず成長することで会社の永続を目指す年輪経営は、伊那食品工業の独自の経営哲学です。

世界のトヨタも「お手本」と公言する伊那食品工業の年輪経営の根幹には、たゆまぬ研究開発の努力があります。目の前の成果に執着せず、常に新たな種をまいてその育成に励めば、時間がかかってもいつかは大きな実を結ぶ――それが同社で共有されている研究開発の考え方です。

常に社員の一割以上を研究開発に専念させる体制を続けてきたことも、伊那食品工業がいかに“研究開発型”であろうとしているかを物語っています。

こうして用途の限られた寒天の可能性を大きく広げ、さらなる事業の柱を増やすことで長きにわたり増収増員増益を続けてきた伊那食品工業。そのあり方こそ、 “研究開発型”の年輪経営の価値を如実に示しているのではないでしょうか。

そしていま、伊那食品工業が新たに未来の可能性を見出したのが、沖縄の海塩「ぬちまーす」なのです。

「ぬちまーす」の研究開発――信念への共感が支援者を増やす

「ぬちまーす」もまた、その価値が評価されるようになるまで長い年月を要した製品です。

1997年、高安正勝さんが洋蘭栽培のための微細霧発生器を応用して新たな製塩法を開発したことにより、「ぬちまーす」が誕生しました。しかしその後、公庫から資金の借り入れが認められるまで、8年もかかっています。

当初、高安さんは洋蘭の温室を改造し、トラックで海水を運んで製塩を行っていたそうです。「この塩は絶対に人類を救える」という信念をもっていたからこそ、こうした苦労もいとわず製塩作業を続けていました。

この信念に共感することで、高安さんに資金提供する人が少しずつ増えていきます。

伊那食品工業もまた、こうした支援者の一人でした。私利私欲ではなく人々の幸せのために尽力する高安さんの研究開発のあり方に、他の誰よりも共鳴していたことは言うまでもないでしょう。

寒天で培った技術と経験で広げる「ぬちまーす」の可能性

2000年にミネラル含有種類世界一としてギネス認定を受けて以降、「ぬちまーす」の知名度は少しずつ高まり、数々の栄誉ある受賞を重ねてメディアでも頻繁に取り上げられるようになりました。

「多くの人にこの塩を届けたい」という高安さんの願いは実を結びます。しかし同時に「ぬちまーす」の供給は、需要に追いつかなくなっていきます。独自の製法であるため機械のメンテナンスも難しく、限られた施設と人員で品質を保とうとすれば生産量を増やすこともできません。

高安さんの想いに誰よりも深く共感し、長きにわたって信頼関係を築いてきた自分たちが、寒天で培った技術と経験を最大限に生かすのは今しかない――。

こうした経緯から、伊那食品工業の協力によって「ぬちまーす」の生産拡充計画がスタートしました。

互いに知恵を出し合った新工場では機械設備で製塩工程を補うことにより、生産量を上げるだけでなく、コスト削減や塩の形状変更も可能となります。


現在は多くの引き合いを心苦しくもお断りしている業務用「ぬちまーす」の販売網も今後は広げていくことができ、より多くの皆さまに「ぬちまーす」をご利用いただくことができるでしょう。

伊那食品工業×「ぬちまーす」で切り拓く末広がりの未来

書籍『命の塩ぬちまーす』には、伊那食品工業開発部で測定した結果をもとにまとめたデータ集も掲載されています。

そこに示されるのは、他の塩とは一線を画すほどミネラルバランスの優れた「ぬちまーす」が、他の食品の味や食感に対してもつ特徴的な効果です。味覚センサーやテクスチャーアナライザーを使い、「ぬちまーす」を加えた出汁の味やステーキの弾力などが客観的データによって示されます。


“研究開発型”の伊那食品工業が「ぬちまーす」で切り拓く、新たな末広がりの未来がまさにこの一冊に詰まっていると言えるでしょう。

食品業界のみならず、同社の年輪経営に興味をお持ちのすべての方に本書をお読みいただき、自社の研究開発にお役立ていただくことを願っています。

『命の塩ぬちまーす “あるべき姿”の塩、“あるべき姿”の経営とは』は下記よりお求めください。

https://bunya.shop-pro.jp/?pid=172621358

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