2023年5月25日
2023年5月、日本では新型コロナウイルスの感染症法上の分類が第5類に引き下げられ、コロナ対応は一つの節目を迎えました。
この未知のウイルスが蔓延してから3年半の間、私たちは健康を守るためにさまざまな選択を迫れられてきました。そのなかで実感させられたのは、人の健康に関して科学で証明できることはごくわずかだということだったように思えます。
その一方で、運動や食習慣などによって高められる免疫力がウイルスに負けない体をつくるということには、誰もが納得させられました。
そしてこの免疫力向上を含め、人の体を健康に保つ鍵は、長く生命の営みを支えてきた自然のあり方のなかにあるということ。正解のないコロナ対策のなかで、こうしたことにこそ多くの人々が耳を傾けたのではないでしょうか。
文屋より発売中の『命の塩ぬちまーす “あるべき姿”の塩、“あるべき姿”の経営とは』は、海のミネラルをそのまま含む沖縄の海塩「ぬちまーす」をテーマとしたビジネス書です。
本書の著者は、樹木の年輪をはじめとする自然のあり方から経営の「あるべき姿」を見出した伊那食品工業（本社・長野県）の塚越英弘社長です。同社が支援する「ぬちまーす」を通して、人々の食生活の「あるべき姿」とは何かを思考する一冊です。
「ぬちまーす」を開発した沖縄在住の高安正勝さんは生命物理学から学び、何億年もの化学反応によって生命誕生の根源となった海にこそ、人の健康を維持するヒントがあると信じていました。
高安正勝さん（左）と塚越英弘社長（右）
そして運命の年は、1997年。沖縄の農業を助けるために洋蘭栽培の新しい方法を発明していた高安さんは、「日本の塩専売制度が廃止される」というニュースを聞いた瞬間に「人類を救う塩をつくることができる」と確信します。
温室の温度を適温に保つために高安さんが開発した微細霧発生機は、水滴が洋蘭の花を傷めないよう、地面に落ちてくる前に水分を気化させる仕組みになっています。高安さんは、この技術を応用して海水を気化させればミネラルをバランスよく含む塩をつくることができると、一瞬にしてひらめきました。
高安さんが「ぬちまーす」を開発したことは、生命の根源たる海への興味と霧発生器の発明が見事につながった結果だったのです。
一般に言われる「塩分」とは塩化ナトリウムのことを指しており、過剰に摂取すると高血圧のリスクを高めることはよく知られています。
ところが逆に塩分の不足は、めまいやふらつきの原因にもなります。同様に他のミネラル（※ナトリウムもミネラルの一種）も、人が健康を維持するためには過剰でも不足でもなく、適量を摂取することが必要です。
ミネラルの種類はたくさんあり、すべてを適量で摂取することは容易ではありません。しかし実は私たちの身近なところに、ミネラルバランスに優れた材料があります。
腎臓病を専門とする岡山大学長の槇野博史先生によれば、「海から離れて陸で暮らすようになった生物は、体内に海で生活するのに必要だった種々のミネラルを持つ」とされています。（『命の塩ぬちまーす』掲載コラム「母なる海を宿すヒト」より）
つまり、海のミネラルバランスは古来、人の体を形成し、維持するものであるといえそうです。
高安正勝さんが発明した「常温瞬間空中結晶製塩法では、天日塩や煮釜式などの製塩法では分離されてしまうさまざまな海のミネラルを結晶化することができます。
実際に「ぬちまーす」は2000年に14種類のミネラルを含有する「ミネラル含有種類世界一の塩」としてギネスブックに登録され、その後日本食品分析センターと塩事業センターの検査により、21種類のミネラルが含まれていることがわかりました。
「ぬちまーす」が沖縄の言葉で「命の塩」を表すのは、まさにこの塩が人の体の「あるべき姿」であるからだといえるでしょう。
塩としては決して安価ではない「ぬちまーす」ですが、2020年のコロナ禍以降も売上げが伸び続けています。
そこで2023年、高安正勝さんが経営するぬちまーす社は、塩づくりの考え方に共感する伊那食品工業と協力し、第二の生産施設を完成させました。
沖縄県うるま市にある「ぬちまーす観光製塩ファクトリー」に新た建設された新工場により、「ぬちまーす」の生産量はこれまでの2.5倍に増産できる予定です。
コロナ禍でますます高まる「ぬちまーす」の人気は、ミネラルの重要性を知り、塩を通して健康を考える人が増えてきた証しでしょう。
一般には避けられることが多かった塩の新たな可能性を広げる「ぬちまーす」。ミネラルが起こす奇跡の物語により多く方々が興味を持ち、本書を開いてくださることを心から願っています。
『命の塩ぬちまーす “あるべき姿”の塩、“あるべき姿”の経営とは』は下記よりお求めください。
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