2023年4月6日

アフターコロナのビジネスに新展開を―ブルーオーシャン開拓のキーワードは“あるべき姿”の追求

2023年4月、いよいよ新年度が始まりました。3月よりマスクの義務化が緩和され、5月には新型コロナの感染症法上の位置づけが2類から5類へと引き下げられます。

コロナ禍が始まって丸3年、ついに世の中はアフターコロナ時代に突入しました。

いまビジネスの新展開を模索しているみなさまに向けて、当ブログは新テーマを開設します。

その名も「ブルーオーシャンの開拓魂」です。

アフターコロナの「戦わない」戦略

ここ数ヶ月、食品業界を中心とする多くの産業で、遠のいていた客足が戻ってきました。あまりに長かったコロナ不況のトンネルを抜けたことで、世の中の多くの問題が解決されたような錯覚に陥りそうになります。

でも実は、コロナ禍以前から指摘されていた問題はますます深刻化しています。その一つが、同質化競争の激化です。

技術は進歩の一途をたどり、誰でもたやすく情報が手に入るいま、顧客が求める他社の商品やサービスを模倣することは難しくありません。その結果、品質による差別化がしにくくなり、熾烈な価格競争が企業の疲弊を招いています。

資金力のある大企業はともかく、新型コロナでより大きな影響を受けた中小企業がますます苦しめられるという悪循環。そんないま、むしろ「戦わない」戦略を考えることに目が向けられているのです。

青く澄んだ海――敵のいないブルーオーシャンとは

非競争戦略は、同質化競争の流血の争いをイメージする赤い海、レッドオーシャンと対極にあることから、ブルーオーシャン戦略とも言われます。

敵のいない青く澄んだ海を開拓し、戦わずにビジネスを展開していく――。決して簡単ではないこの戦略を実現する鍵は、価値づくりの考え方を大きく転換させることです。

例えばマーケティングを考えるうえで、対顧客というカテゴリーではなく対人間という個々の姿をイメージするということ。そこには単なるニーズの充足を超えた喜びや感動が生まれる可能性があります。

そしてこうした成果は、客観的データを分析するだけでは得ることはできません。自分とお客さまとの関係性により真摯に向き合い、相手に寄り添って想像力をはたらかせ、「いまここ」でしか生み出せない独自の価値を追求し続ける必要があるのです。

ブルーオーシャンの開拓には、これまで以上の努力が求められます。しかし多くの人々が取り組めば同質的な商品やサービスが減り、自然と棲み分けが進むはずです。不毛な価格競争や資源の奪い合いが減り、共生への道が拓かれるでしょう。

それぞれが独自の価値を追求し、敵をつくらないブルーオーシャンの開拓の実現は、SDGs達成の可能性を広げるビジネスのあり方でもあるともいえます。

追求すべきは万能薬ではなく“あるべき姿”

これまで多くの経営者は万能薬を求めてきました。

ところがブルーオーシャンの開拓に、万能薬は求められません。あふれる情報から目の前の状況に合う知識を選び取り、試行錯誤を繰り返して「いまここ」の価値を創造する知恵にしていく必要があるのです。

同じ情報であっても、向き合い方によって異なる知識や知恵へと展開していきます。この向き合い方は、自分たちの目指すもの――“あるべき姿”によって決まるものです。

経営者が社会にどんな価値を生み出したいのか。その“あるべき姿”を明確にすることが、ブルーオーシャンの開拓をスタートさせる第一歩となります。

「売れるもの」ではなく「本当に求められるもの」を追求する伊那食品工業、塚越英弘社長による初の著作

文屋は今年1月、『命の塩ぬちまーす “あるべき姿”の塩、“あるべき姿”の経営とは』を出版いたしました。


著者である塚越英弘氏が代表取締役社長を務める伊那食品工業は、長野県伊那市を拠点とする中小企業でありながら、トヨタ自動車の豊田章男氏も「お手本」と仰ぐ優良企業です。

本書は、伊那食品工業が今期事業を拡充する沖縄の海塩「ぬちまーす」を軸に、「人と社会の幸せ」の実現という企業の“あるべき姿”をいかに追求するかが語られる意欲作です。「売れるもの」ではなく「本当に求められるもの」とは何かを模索する社長と社員たちの奮闘が描かれています。

このブログでは今後、本書のご紹介を中心としながら、アフターコロナのブルーオーシャン戦略についてみなさまと考えていきたいと思います。


今後の展開に、どうぞご期待ください。

『命の塩ぬちまーす “あるべき姿”の塩、“あるべき姿”の経営とは』は下記よりお求めください。

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