2021年9月16日
ここ数週間で、新型コロナウイルスの感染者数が減ってきています。そのためワクチン接種者を中心に、規制緩和の方針が打ち出されました。
とはいえ、1年半以上にわたってコロナ感染者数は増減を繰り返しています。もはや、このまま収束することは期待できないでしょう。
感染を予防しつつ、経済活動を再開していく段階となったといえます。今後、人との接触の機会が少しずつ取り戻されていくことになるかもしれません。
職場や友人関係、子どもの教育など、それぞれに異なる状況のなかで、感染を予防しながらどう行動するのか。これまで以上に、むずかしい判断に迫られる場面が増えてきそうです。
必要な知識を得て自分で考え、情報に惑わされずに行動するためにも、私たち一人ひとりに科学リテラシーが求められます。
その第一歩として、ウイルスや免疫の知識を養うことには大きな意味があります。
文屋より出版中の絵本『おやすみルーシー~ウイルスがやってきた』は、こうした学びを深めることができる免疫絵本です。
「リテラシー」とはもともと、言語を読み書きする能力のこと。でも最近では、ある分野に関する知識への理解と、それを活用する能力として使われる言葉になってきました。
絵本『おやすみルーシー』の作者は、免疫学者である新妻耕太さんとルーシーさんご夫婦。コロナ感染の不安が広がるいまだからこそ、子どもたちに生命科学へのリテラシーを養ってほしいと考えて、絵本を制作しました。
大学時代に塾講師として、教育経験をもつ新妻耕太さん。妻とともに、ウイルス感染と免疫機能に関する基礎知識を、専門用語なしで解説する活動をつづけてきました。
そんななか、「幼い子どもであっても、情報を得ることにおいて仲間はずれにしたくない」というルーシーさんの言葉が、新妻耕太さんをさらに動かしました。絵本『おやすみルーシー』の制作について、ふたりはこう話しています。
絵本は子どもを広大な宇宙から、目に見えない小さな世界にまで連れていってくれる夢のようなツールです。体を守る免疫細胞たちの活躍を絵本で表現できたなら、きっと幼い子どもたちとも免疫の素晴らしさを共有できると考えたのです。
絵本の主人公は、妻のルーシーさんと同じ名前の少女。夢のなかで自分の体に入り、免疫細胞を模した仲間「まっくん」(マクロファージ)、「ティービー兄弟」(T細胞、B細胞)と一緒に、ウイルスと闘います。
このストーリーの後につづくルポ編では、絵本を読み語る大人たちに科学知識をわかりやすく解説しています。大人が子どもに説明しながら会話する機会をつくることで、お互いに科学リテラシーを養う工夫がなされているのです。
この絵本を「すべてのこどもたちにおすすめします!」と推薦してくださっているのは、感染症専門医の忽那賢志先生(大阪大学教授)。新型コロナ問題が浮上してからずっと、感染症に関する情報発信を熱心につづけてきました。
忽那賢志先生は、こんなふうに話しています。
専門家がテレビ局を通さず情報を発信するようになったことは、SNSの時代の一つのいい側面だとは思います。(中略)ただ、医療者は情報発信のプロではありません。医療者が学ばないといけないことは多いですが、科学的にシンプルに正しいことを伝えるのはやりやすい時代です。
一般の人たちが科学リテラシーを養っていくために、忽那先生もまた医療にかかわる専門家として、必要な情報をわかりやすく発信する責任を自覚しています。
忽那賢志先生が推薦する絵本『おやすみルーシー』は、子どもだけでなく大人にも、人の体の免疫機能について「科学的にシンプルに正しいことを伝える」絵本です。
いま、感染予防にもっとも大きな効果を発すると考えられているワクチン接種は、12歳未満の子どもたちは対象となっていません。
そして限られたワクチンを若者たちに接種するのか、中年世代を優先するのか、もしくは高齢者の3回目接種をすすめるのかなど、今後の方向性もまだ見えてきません。
ワクチン接種後に感染する、ブレイクスルー感染の例も見られています。基本的な感染対策を徹底していくことは、誰もがしっかり自覚しなければならないことです。
コロナと付き合いながら安全な日常を取り戻すために、ご家庭や学校で科学リテラシーを養う教材として、ぜひ絵本『おやすみルーシー~ウイルスがやってきた』をご活用ください。
ご購入は、下記の文屋サイトからどうぞ。
↓
https://www.e-denen.net/cms_book.php?_id=47