2025年2月13日

北斎の人生観を通して伝える「美日常」――VIVA小布施が世界へ発信する「好きを極める幸福感」

2025年は北斎が熱い年になりそうです。

年始より開始したNHK大河ドラマ「べらぼう」の主人公は、江戸期に出版人として活躍した蔦屋重三郎。蔦屋は現在も名を残す歴史的な絵師たちをプロデュースしたことでも知られており、近いうち「べらぼう」に葛飾北斎が登場することが期待されています。

またテレビやラジオ、インターネット上でも話題の「一番くじ」でもこの6月、葛飾北斎が再販されることが決定しました。

一番くじは全国の書店やコンビニエンスストアなどで購入できる価格700円~800円の「ハズレなし」のくじです。2024年夏に「神奈川沖浪裏」のジオラマ、そのほか北斎画をモチーフとした生活雑貨などが登場し、大きな話題となっています。

時代やジャンルを超え、より輝くジャポニズムの洗練された芸術性を人々に伝える北斎は、まさに日本が誇る稀代の絵師。その人生観には、「好きを極める幸福感」があふれています。

北斎が最晩年に訪れた信州小布施というまち

世界でもっとも有名な日本人として知られる葛飾北斎。異彩を放つ北斎アートの魅力には、魂が望むまま画業に一生を捧げ、とことん好きを極めて楽しむ幸せとともにあった北斎の人生観が反映されています。

北斎は「70歳以前に描いた絵は取るに足らない」と語り、晩年になるほど画技を極めたといわれる人物です。80歳を超えた人生の最晩年に信州小布施を何度も訪れ、地元の豪商である高井鴻山(こうざん)にアトリエを提供されて画業の集大成となる傑作を多く残しました。


北斎が老体ながら江戸から遠い距離を歩き、心のままに絵を描くことで数々の傑作を残した小布施というまち。この地はきっと鴻山をはじめとする人々の歓待、温かさや幸福感が満ちていたことでしょう。

小布施を拠点とする文屋はこの北斎のこの人生観を通し、特別な時間や場所ではなくごく当たり前の日常のなかにある美しさ、すなわち「美日常」の考え方を世界に伝えることを重要な使命としています。

美日常とは、和合の暮らし――一人ひとりが「ツトメ」を果たすこと

そこにあるのは「たいくつな日常」でも「たいへんな非日常」でもない
たおやかな幸福感に満ちた美しい日常――。


文屋はこれまで、「末広がりのいい会社・いい人生・いい世界をつくりましょう」を理念とし、出版や講演会、セミナーを通してみなさまと「美日常」を分かち合うことを信念に活動してきました。

「美」という漢字は「羊が大きい」と書きます。神にささげられるイケニエとしての「大きな羊」が、この漢字の起源。つまり神から人にもたらされる幸福をいただくための交換条件が、人としてのツトメです。

そのツトメとは、ひと言で言えば和合の暮らしです。感謝すること、反省すること、そしてだれとでも仲良く穏やかに暮らすということ。このツトメを果たすことにより、経済的な安定をふくむ幸福はもたらされるという考えです。

ツトメは、家庭人として、地域人としての役割であると同時に、小布施のまちづくりには不可欠の視座でもあります。美とは、ツトメを果たすこと、この意識こそ、小布施というまちから発信される「美日常」の原点なのです。

日常の美しさを実感する美しい場―― “美場”を発信するVIVA小布施

そして近年、文屋は多くの貴重な出会いを通して、小布施というまちのあり方そのものを象徴する北斎の人生観に、より深く向き合う機会を得ました。結果として、北斎の生き方、またこれを反映する芸術作品こそ、小布施に根づく「美日常」の精神を伝える最高かつ最良の手段と気づいたのです。

こうした理由から文屋はこのたび、一般社団法人VIVA小布施 (@vivaobuse)  を立ち上げました。これまでの活動の枠組みを越え、広く人々に「美日常」の視座を伝えるための新たな決意表明です。

VIVA小布施の目的は、いまを生きる人々に、北斎が小布施で得た「好きを極める幸福感」を実感していただくため、作品鑑賞という従来の発信を超えた五感で感じられる“美しい場”を創り上げることです。

その第一弾は、リサイタルセミナー「火と水の結 光」。現代舞踊家である那須シズノさんが主演、演出を行うこの舞台では、デジタルアートで楽しむ北斎画と、深い精神を表現する祈りの舞が共演します。五感で「美日常」を体感することができる美しい企画です。


2025年5月にびわ湖ホール(詳細は下記)、そして11月には草月ホール(東京・赤坂)での公演を予定しています。

そして第二弾は、イマーシブ空間“VIVA!北斎 聖地小布施のHOKUSAIに無我夢中”
こちらは北斎の魂の声を体感する映像空間を、2026年以降に全国・世界で展開してまいります。

ツトメを果たすことは、役割を果たすこと。しかしその役割とは、この世に生を受けた一人ひとりの魂が望む生き方のなかに見出されます。

小布施で魂の望むままに絵を描いた北斎の生きざまを通して、人間のありようをネオ・ジャポニズムとして発信する文屋の新たな挑戦――VIVA小布施が拓く「美日常」の可能性とはどのようなものか。

ぜひ、みなさまの目でお確かめください。

一般社団法人VIVA小布施の公式インスタグラムはこちらから
https://www.instagram.com/vivaobuse/



リサイタルセミナー「火と水の結 光」は、まもなくチケット発売予定です。

2025年5月10日(土)滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 中ホール 14:30~17:30

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