2022年6月9日

社員の主体性が根づく会社の経営――オンライン通信講座「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」⑳

「社員に自律してほしい」「もっと主体性をもってほしい」。

そうお考えの経営者の方は多いと思います。

とはいえ、「君たちは受け身すぎる」「積極的に動きなさい」と伝えてみても、それだけで社員が変わることは少ないでしょう。

新たな社員教育プログラムを始めたら、いつのまにか社員が主体的に動けるようになっていた。・・それを、本当に期待できますか。

多くの経営者のみなさまは、もうお気づきでしょう。社員を変えるためには、まず経営を変えなければなりません。

今回は社員の主体性について、文屋より配信中のオンラインセミナー「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」をとおして考えてみましょう。

「かんてんぱぱ」で知られる伊那食品工業は、長野県伊那市に本社を置いています。その敷地内にある「かんてんぱぱガーデン」は、社員だけでなく地元の人や観光客も訪れる広大な庭園です。

四季折々の自然の景観が楽しめるこの「かんてんぱぱガーデン」のあり方が、伊那食品工業の主体性に根ざした文化を象徴しています。

自生するアカマツの木をできるだけ残して整備し、季節ごとの風景が楽しめるように植栽を工夫すること。この美しい景観を維持するために、毎日の掃除を継続すること。これらを業者任せにせず、社員たちがみずから行っているのです。

土日にも家族で訪れて掃除したり、高木の剪定のために高所作業車の運転資格まで取る社員もいる伊那食品工業。この主体性は、どう引き出されるのでしょうか。独自の経営哲学で同社を率いてきた現在の最高顧問、塚越寛さんは語ります。


新入社員教育では、過去に私が語録として残した言葉を活用しています。たとえば「みんなが経営者感覚をもって」など、いろいろな語録が積み重なっていきます。それを解説しながら教育をしていくと、会社の目的を共有する効果はかなりあると思います。ある程度、意識が高い人が当社に入社しているということもありますね。(塚越寛さん)

伊那食品工業は、「人と社会の幸せ」を会社の目的としています。

それは、自分自身が何のために働くのか、仕事をとおして幸せになるとはいったいどういうことなのか、につながります。経営者やリーダーたちがみずからの経験をとおし、自分の言葉で語るからこそ、新入社員たちは腹落ちするのでしょう。

まず採用の時点で、理念に共鳴、共感できる人をしっかり選ぶ必要があります。そのために伝えるべきことは、事業内容や採用条件よりむしろ、会社が何を大切にしているかということです。ここに一致があってはじめて、社員は自分を主語にして考えることができるようになります。

このセミナーで塚越寛さんの言葉を読み解く「人とホスピタリティ研究所」の高野登さんは、新入社員のやる気についておもしろい分析をします。

入社後ってみんな元気ですよね。それはモチベーションが高いのではなく、テンションが高いだけです。モチベーションは働く動機ですが、なぜ自分がここで仕事がしたいのか、つまり会社の一員としてここにいることの意味を、入社時点でわかる人はいません。理念を知り、トップの思いが伝わってきて、自分の役割がはじめて見えてくる。自分が仕事をさせてもらって、一緒に働いている仲間とこんな場面がつくれて、世の中にいい影響がある。こうして自分が仕事をする価値が見えたとき、はじめてモチベーションが上がるんです。(高野登さん)

新入社員のテンションは、どんな会社でもいずれ下がります。でもテンションが高いうちに、会社のトップやリーダーたちの熱い語りを聴いて理念に腹落ちすれば、その思いは継続するでしょう。

そのうえで、それを実現する手法を自分たちで考え、行動できること。つまり、会社が社員を信用して任せれば、社員たちのモチベーションが上がっていきます。

こうしたタイミングをまちがえず、経営者やリーダーたちが誰より大きな熱量をもって接することが、社員たちの主体性を引き出す大きな力となるはずです。

社員は経営を映す鏡。あなたの会社の社員たちのモチベーションの高さは、経営者の熱量や会社のなかの信頼関係を反映しています。

社員の主体性が根づく会社をつくるために、いま何をすべきか。このセミナーのなかに、そのきっかけやヒントがきっと見つかるでしょう。


【末広がりの年輪経営プロジェクト】
ビジネス・オンラインスクール「塚越寛さんに学ぶ年輪経営の極意」

◎1年間コース:

https://seminars.jp/seminars/6118

◎速習コース:

https://seminars.jp/school/user/schools/55/courses/319/payment_plans/918/specified_members/new


塚越寛さんが「働くすべての人に読んでほしい」と推薦くださる絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』もぜひご覧ください。


文屋サイト https://e-denen.net/kifubon-chiyoni/
Amazon https://amzn.to/2UYJJBs


塚越寛さんと絵本『ちよにやちよに』の著者である白駒妃登美(しらこま ひとみ)さんが語り合う、同書の出版記念ビジネスセミナーの映像は、こちらから。

https://seminars.jp/school/user/schools/231/courses/308/payment_plans/669/specified_members/new

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