文屋

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2021年7月15日

「令和の名づけ親」中西進先生からのメッセージ②――絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』

文屋は7月9日に、絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』を出版いたしました。全国の読者のみなさまから、好意的なご感想がとどき始めております。

国歌『君が代(きみがよ)』の歌詞に込められた本来の意味を、幼い子どもたちにも理解できるやさしい言葉で伝える絵本です。

『君が代』は、平安時代に生きた名もなき人物が詠(よ)んだ和歌。愛する人に寄せた、熱いラブレターでした。

たった32音の短い和歌に、想う相手の健やかな日々を願うこころが込められています。千年も、さらにいく千年も、「ちよにやちよに」その日々が続いてほしい、と。

この無償の深い愛を謳(うた)う平安時代の和歌が、令和のいまも国歌として歌い継がれているのです。

しかしこの歌はいま、政治的な賛否の枠に閉じ込められています。

だからこそ、作者の白駒妃登美(しらこまひとみ)さんは絵本をとおして、国歌『君が代』をときはなとうとしています。

この想いに賛同してくださった国文学者の中西進先生が、この絵本を推薦してくださいました。

「令和の名づけ親」といわれる中西進先生からのメッセージを、前回につづいてご紹介いたします。

(前回の記事はこちら → https://www.e-denen.net/cms_blog.php/19

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国歌を、政治的な立場や認識と関連づけて、
これほど極端に賛否が分かれるのは、
この歌にとっても、わたしたち日本人としても、
喜ばしいことではありません。

なげかわしく、不幸なことでもあります。

金メダルの喜びと共に日の丸が挙げられても、

卒業式の晴れやかなお祝いの場でピアノ伴奏が始まっても、
感謝や喜びと共に歌えないのは、なげかわしい。

とくにかわいそうなのは、

学校現場の先生方と子どもたちです。

上(文科省や都道府県教育委員会など)からは

歌うこと、歌わせることを強制されています。

子どもたちも、

この歌の本来の意味も、平安時代からつづく歴史も知らされないまま、
歌わざるをえない状況です。

「『君』ってだれのこと?」

「さざれいしのいわおをなりてこけのむすまで、って何のこと?
それはどんな意味?」・・・

この絵本を最後まで読めば、

学校の先生方も保護者のみなさんも、
「愛の歌」であることを理解し、納得して、
子どもたちに伝えることができます。

「君」は誰でもいいのです。

学校の先生でもご両親でも、気になるあの子でもいい。
オリンピックで歌うのなら、世界中の人々を思ってもいいし、
人ではなく、虫でも動物でも、地球や月や宇宙でもいい。

そう教えていただければ、「強制」の必要はなくなります。

国家に利用されてきた「愛のうたきみがよ」を、
各個人、一人ひとりを尊重する愛の歌として、

元に戻してあげればいいのです。

日本国憲法の前文は、聖徳太子の十七条憲法、

リンカーン大統領のゲティスバーグの演説(Gettysburg Address)の流れを受け止め、
第二次世界大戦の殺し合いに疲れ果てた人たちが作り上げた、
永い人類の歩みの結晶であり、
奇跡的に誕生した宝石です。

この前文は、国家愛ではなく、人類愛のレベルです。

その意味で、国歌『君が代』は、日本国憲法前文と憲法第九条の
積極的非暴力平和主義、人類愛のレベルで、共通します。

トルストイの名著『セワ゛ストーポリ』にも通じる

平和の精神が込められています。

こうした思いを込めて、推薦文を書きました。

お手紙に「大賛成」と書いたのもこの気持ちからです。

「御本 有益な役割で 大賛成です」【中西先生から木下(文屋代表)へのお便りより抜粋】

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十七条憲法、ケティスバーグ演説、そして日本国憲法前文。すべて私たちが人として、国民として「どうあるべきか」を問う文章です。

どれも、短い文章で語られる言葉です。これらの言葉をどう意味づけるのかは、他人ではなく自分が決めることなのです。

世界一短い歌詞の国歌『君が代』。ここで歌う「君」が誰かということも、それぞれに違っていいはずです。

この歌を大らかで和やかな人類愛、地球愛、宇宙愛の歌と受けとめるとき、私たちの前には、これまでとは違う世界が広がっていくでしょう。

いま何を信じ、何をたいせつに思うのか。それは、私たち次第です。


絵本『ちよにやちよに~愛のうた きみがよの旅』をとおして、ひとりでも多くの人に新しい気づきがあることを願っています。

ぜひご家庭や学校で、子どもたちと一緒にお読みください。
 

この絵本を、日本や世界の子どもたちにとどける「寄付本プロジェクト」を展開しております。

おかげさまで、第一次目標を達成することができました。ひきつづき、第二次目標を設けております。今回も250万円(1250冊分)を目標とし、世界各国の駐日外国公館と、世界中の日本人学校に送りとどけます。

みなさまのご理解とご参画をお待ちしております。

https://www.e-denen.net/cms_kifubon.php

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