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2002年11月3日

私の散歩道、ご紹介します。文化の日、日の丸。

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今、松岡正剛さんの編集学校で学んでいます。
課題に「3つのカメラ」文体術というお稽古があり、「私の散歩道」のテーマが課されました。その文章を掲載します。気に入っている、わが家の裏の散歩道です。ではどうぞ。
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縦に伸ばしたSの字を二つ連ねたかっこう。片道150メートル。二階の窓から見おろす。最初のSの字の頭のあたりから、路面は果樹園の枝葉におおわれて、見えない。
夕方1時間の自転車トレーニングのあと、たそがれ時。この道をゆっくり往復する。ほてったからだと、きもちを、静める。
今はしがない農道。明治の初めまでは、海のある村と行き来する、主役の道。軽トラック1台分の道幅。舗装されている。
窓から見えた枝葉は、栗の古木のもの。この村の特産品。今が熟れどき。毬と弾けた実。よけながら歩く。栗園を抜ける。林檎の若い木々が並ぶ農園にいたる。
はらりと目の先が広くなり、夕焼けなごりの北西の空に、妙高山が望める。あの山に登れば、海が見える。
右手にはとりいれを終えた桃の畑。葉はしっかりと、まだ、緑色。来春に備えた光合成。木の温みを感じる。
ジャージにスニーカー。大またに、深呼吸。ゆっくり5分。舗装の道は終点になる。Y字に分かれた先は、両方とも、土と草のがたがた道。ここで引き返す。
左手。海の村へ通じるほうの道から、腰の少し曲がったばあ様がやってくる。とぼり、とぼり。野良着。たぶん、村の顔見知り。
海のばあ様かも。道のむかしが、そう思わせた。
ひき帰してほどなく、家の灯りが見える。
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